●なかなか結婚してくれない。ずるずる同棲。
「なかなか結婚してくれない。」と泣きついて電話してくる方がいます。
中には、彼氏が役者志望で、もう4年間も彼女が生活費と家賃を払って、
彼を支え続けているという相談者もいました。
また、ある相談者の場合、もう6年も同棲生活をしている彼が最近浮気をしている。
という悩みを訴えて来た方もいました。
こう言う場合、私は彼氏の生年月日と写真を2枚見せてもらって、
最近の彼の言動などを参考にして、彼の意志などを診ていく訳ですが、
それは本当に十人十色で、結果も千差万別ですから、
ここで例をあげても、読者には何の役にも立たない事でしょう。
そこで、今日は、そんな「なかなか結婚してくれない。ずるずる同棲している。」といういう方全般に
お役に立てる事を書いてみたいと思います。
まず、皆さんは、同棲と、内縁の違いをご存知でしょうか?
皆さんは知っていると思いますが、
電話相談をしてくる方の多くが知らないと言うので、あえて聞いてみました。
同棲と内縁の違いは、
「お互いに、夫婦の意志があるか、無いかです。」
つまり、今楽しければいいや。とか、家賃が浮くから同棲しているだけなら、内縁関係とは言えないのです。
でも将来結婚を予定しているけど、今は同棲中だとか、
籍を入れていないだけで、あとは夫婦同然の様に暮らしているなら、内縁と言えます。
昔は、跡取りの男の子が生れるまで、籍を入れずに内縁関係としていた悲しい時代もありました。
内縁関係になると、私は大きく3つの権利が女性には生れると思っています。
■1つは、彼氏が浮気した時に、内縁の妻の地位が侵害されたとして、
彼氏には損害賠償の義務が発生します。
浮気相手の女性には、慰謝料を請求出来ます。
■内縁の妻は、事実婚とも言われ、お互いに扶養する義務があります。
だから、彼氏に生活費の請求をする事が出来る訳です。
■最後は別れた時ですが、彼氏に財産がある程度あるなら、
内縁の妻は、彼に財産分与の請求が出来ます。
ね。同棲と内縁って、かなり違うでしょう。
しかし、ここで大きな問題があります。
それは、私、先に同棲と内縁の違いって、
「お互いに、夫婦の意志があるか、無いかです。」ですって言いましたよね。
でも、これって心の中の意志ですから、証明って難しいんです。
つまり、内縁の証明って難しいという事ですね。
ある弁護士さんは、3年同棲生活を続けているなら、内縁と認められやすいと言いますが、
そんな法律は無いので、認められやすいという仮定の話です。
では、内縁を証明する手は、まったく無いのかと言えば、そうでもありません。
私は、「なかなか結婚してくれない。ずるずる同棲している。」という相談者の方には、
「そんなに長く同棲しているなら、内縁関係にもってく?」と裏技を教える事があります。
裏技を使えば、例え半年の同棲でも内縁関係と認められる事があるからです。
その裏技は、4つです。
■まず、住民票を彼氏のと一緒に出す。
そして、そこの関係欄に「妻(見届け)」とか「未婚の妻」「内縁の妻」と書いて出しましょう。
■賃貸物件を借りる時に、契約書に「配偶者」とか「未婚の妻」「内縁の妻」と書いて出しましょう。
■彼氏の期限が良い時など、将来の話をして、彼が、
「将来結婚しようね。」とか、「仕事が一段落したら籍入れようね。」とか「二人の子供が欲しいね。」とか
結婚や夫婦関係を匂わす言葉を言わせたら、録音しておく。
■一番強力なのは、「私達は内縁関係にあり暮らしています。」という書面を書いて、
双方書面と捺印を押し残しておく事です。理想はそれを公正証書にしておく事です。
最後に、
内縁には、意外なメリットがあったという話をして終わりにいたしましょう。
ある時、岐阜県に住んで居るという女性(57)から相談があったんですね。
実は当時、私は全国版の占いの雑誌に広告を載せていたので、全国から相談が来ていました。
彼女はある画家の方と20年も同棲していました。
とても気難しい人で、結婚の事を言うとすぐ怒り出すので、
最後まで籍を入れらずに至ったといいます。
彼女は20年間、妻の様に彼の生活の面倒を見て、それに加えて画家の雑用までこなしていました。
つまり、内縁状態ですね。
そんな彼(58)は、最後まで彼女と結婚せずに病気で亡くなったのです。
彼女は一人で葬式を出したといいます。
すると、それまで彼の世話など一切しなかった遺族たちがやってきて、
彼が残した絵や財産を取って行き、彼女にも1週間以内にこの家から出て行けと言われたそうです。
それが1年前の出来事でした。
彼女は彼氏の一周忌を終えて、「もう私には何も残っていない。」
「どうしたら、いいのか分からない。」と思い悩み、占いの相談電話をかけてきたのでした。
また、20年間働いた事も無かったので、その点でも将来が不安だと漏らしました。
私は彼女に「得意なものは何ですか?」とか色々聞いて、
出来る限りのアドバイスをしましたが、その中に寡婦年金(かふねんきん) のアドバイスもしました。
寡婦年金(かふねんきん) とは、未亡人が貰える年金の事です。
詳しく言えば、夫が10年以上国民年金を払っていれば、妻が60歳から65歳までの貰える年金です。
普通、年金って今、65歳からもらえますよね。
でも、夫が65歳までに亡くなってしまったら、払い損ですよね。
そんな奥さんを救うために出来た法律です。
どのくらい貰えるかと言うと、例えば、上の画家さんの場合だと、年間41万円でした。
これを奥さんが60歳から毎年5年間貰える訳です。
このことを奥さんに伝えると、「でも、私妻じゃないから・・・」といいました。
でも、私はこう言いました。
「貴方は、彼を20年も支えてきたんですよね。
きっと、内縁の妻だと認められるでしょう。だから市役所に申請してみなさい。」
実は、あまり知られていないのですが、内縁の妻(内縁期間が10年以上)にも、
この寡婦年金は払われるのです。
ただ、年金課は意地悪ですから、こっちからお願いしに行かないと払ってくれないし、
5年何も言わないと、時効で貰えなくなりますので、気を付けてください。
他にもこんな方がいました。
7歳年上彼氏と同棲して8年というカップルです。
同棲して8年ですから、内縁が認められても上の寡婦年金は10年ですからダメです。
そんな彼が病気で亡くなってしまったのです。
彼は41歳で亡くなったので、当然年金は出ません。
ただ、彼はこれまで年金を毎月給料から天引きされ20年間払っていたといいます。
普通考えると、20年間年金を払って、大損です。
しかし、それを少しだけ救う法律があります。
それが、死亡一時金です。
年金を3年以上払っていた人が死んだ場合、その妻や子供、
妻や子供がいないなら、その親や祖父母が貰えるお金です。
ちなみに、上のカップルの場合、内縁が認められれば、亡くなった彼は20年間年金を払っていたので、
約17万円が死亡一時金として貰える訳です。
実は、あまり知られていないのですが、内縁の妻(内縁期間が3年以上)にも、
この死亡一時金は払われるのです。
ただ、年金課は意地悪ですから、こっちからお願いしに行かないと払ってくれないし、
2年何も言わないと、時効で貰えなくなりますので、気を付けてください。
最後に、あともう1つ。
もし亡くなった彼や夫が、国民健康保険を払っていたなら、
市や区役所の保健年金課に言えば、3万円~7万円を葬祭費として、貰えます。
東京区内であれば、たしか一律7万円もらえたと思います。
これで簡単な葬式ならあげられますね。
そして、埋葬したら、お墓代とか結構かかりますよね。
そんな時にも、故人が健康保険組合に加入していた人なら、全国健康保険協会に言えば、
埋葬料を5万円くれます。
上の葬祭費7万円と合せれば12万円もらえるという訳です。
しかも、この葬祭費と埋葬料は、内縁の妻でももらえるのです。
ただし、これらも2年間何も言わないと、時効でもらえなくなります。
知っていると、大切な方を亡くされた遺族の方を助けてあげられるかもしれませんよ。
困っているお友達がいたら、教えてあげてくださいね。
END