●お札(御神札)を貼っても効かない
時々、お札に関して電話相談を受ける事がある。
そんな時の相談内容は、大抵決まっている。
「お札を買ったのに、効かない。」と言うものだ。
当然、お札を買って効いている人は沢山いるのだろうが、そんな人は相談して来ない。
本来、私はお札は売ってないのだから、
そういう苦情は、買った所に言ってくれ。と言いたい所だが、
そこはわざわざお金を払って電話相談してくれている人を、無下に突き放せない。
今日は、そんな相談の中から1例を取り上げてみましょう。
ある時、子育て中の奥さんから電話相談で、お札の事を相談された。
彼女いわく、1万円も払って家内安全のお札を買ったのに、まったく効かないと言う。
お札を買った2週間後には、台所で危なく小火になりそうになったし、
ちょっと外出した間に、子供がうつ伏せになっていて、窒息しそうになっていたという。
また、奥さん自身も階段でつまづいて、膝を打って擦りむいて、しばらく歩けなくなったという。
そして、ご主人も通勤途中に自転車と接触して怪我をしたという。
むしろ、お札を買ってからの方が、良く無い事が起きる確率が増えた感じさえするという。
ちなみに、
家内安全と言う字を見ると、家の中で安全に暮らせる様にという意味だと思う人がいるが、
占いの世界では、「家内」=「家族」の事である。
だから、家内安全とは。家族が日々安全に暮らせます様にという祈願になる。
従って、上の奥さんのケースの様に、
ご主人が家の外で事故に遭ったのも、お札の効力が無かったせいだとしたのだ。
さて、お札やお守り関係で上の様な相談を頂いた時、
私に出来るのは、せいぜい下記の2つの事を確認する事ぐらいである。
■まずは、そのお札やお守りをいつ買ったのか聞いて、有効期限が切れていないか確かめる事。
神社などで買うお札やお守りの有効期限は大抵1年である。
■あとは、そのお札の貼り方と貼ってある場所だ。
彼女にも、その事を確かめた。
すると、
お札を買ったのは、8ヵ月前の正月だと言うので、有効期限内だった。
次に、お札が貼ってあるという場所の写真を見せてもらう事にした。
彼女いわく、お札はベビーベッドの上位の壁に貼ってあると言う。
なるほど、写真を見せてもらうと、
家内安全のお札が、ベビーベッドの真横の壁に貼ってある。
きっと彼女は、赤ちゃんを一番に守って欲しいのだろう。
だから、赤ちゃんの側に貼って守ってもらおうと、すぐ近くの壁に貼ったのだ。
しかし、お札を見ると、家内安全の字の他に、
それを発行した神社の名前と、仏様らしき絵が描かれている。
そこで彼女に聞いてみた。
「買った時、お札を神棚に置く様に言われませんでしたか?」
すると、確かに言われたそうだが、神棚が無い場合は柱や壁に貼ってもいいと言われたという。
なるほど。
しかし、見るからに間違っている事が2つほど見て取れた。
■まず1つは、お札が貼ってある位置が、床から1mも無い場所である事。
こういう神棚に置く様なお札は、基本お祈りする時に目線より上になければならない。
■もう1つは、お札が壁に画鋲(がびょう)で留めてあるのだ。
お札を画鋲でとめて何が悪いと思われる人もいるだろうが、
基本、お札は神様の分身と考えるものなのである。
だから、その神様の分身に穴をあけるというのは、良く無い事であり、
その瞬間からお札の効力が無くなると言われている。
それを裏付けるかの様に、お札やお守りを数える時は、
それ自体が神様の化身なので、1体、2体・・・・と数える。
よくお正月に神社でお参りに行った時、貴方もお守りを買う時があるだろう。
その時、「このお守りを1つ下さい。」と巫女さんに言ってるかもしれないが、
それは本来誤りである。
正確には、「このお守りを1体下さい。」と言うのが正しい。
ただ、ほとんどの人は1つ下さいと言うだろうから、いちいち巫女さんは注意したりしない。
でも、「このお守りを1体下さい。」と言う人がいれば、
「ああ、この人分かってる!!」と思って、ニコッとするかもしれない。
さて、実は彼女の場合、上の2つの誤りの他に、更に2つの誤りがあったのだ。
その2つの誤りとは、
■まず、彼女にお札に向って時々手を合せていますか?と聞いてみたのだが、
お札を買ってきて壁に貼っただけで、それに手を合せた事は今まで無いという。
実は、神棚に祀る様なお札は、もらった本人も時々手を合せて祈る必要がある。
買って終わりではないのだ。
中には買った後、タンスの中に仕舞っている人もいるが、それでは何の効果も出なかったりする。
■次に、彼女のお札はどっちの方角を向いているか聞くと、
北を向いていると言う。
最悪だ。
お札の字や絵は、南か東か、東南を向いていないといけない。(北向きが一番良く無いとされている)
きっとここまで読まれた方は、お札に方角なって関係ないだろ!と思われるかもしれないが、
実は方角は関係あるのである。
お札やお守りは、大きく2つに分かれる。
■まず1つは、そのお札やお守り自体に魔除けの力がある物である。
つまり、そのお札やお守りを買ったら、あとはそれを持っているだけで守られるという物。
例えば、持ち歩き用の小さいお守りや、車に付ける自動車用のお守りやシールである。
その他にも、霊能者や呪力を持った人が作った護符である。
この場合、そのお札やお守り自体に力があるので、
方角は関係が無い。
祈ったり手を合せなくても、ただ持っているだけで、その御札やお守りのご加護があるというもの。
■もう1つは、そのお札やお守り自体にも多少魔除けの力はあるが、
基本、時々もしくは毎日遥拝を必要とするものである。
遥拝(ようはい)とは、遠くから神様を拝む事。
一番良いのは、家の目線より高い所で南向きや東向きに神棚を作って、そこにお札を入れ、
毎日遥拝する事であるが、現在の家庭は神棚を持たない家が多い。
その場合、お札だけでも良い。お札があれば、なにも神棚が無くても大丈夫なのである。
ただ、その場合でも、お札=神棚なので、
お札を貼る時は、南向きや東向きとして神棚の様に貼らないといけません。
こういう決まりは、イスラム教に似ている。
皆さんも見た事があると思うが、イスラム教の信仰者の方達は、お祈りする時は、
決まってメッカの方角に向かって祈りを捧げている。
日本の場合、天照大神が太陽神でもあるので、
太陽が出る方向を向いた神棚やお札に祈りを捧げるのである。
そうすれば、そのお札を通して、神のご加護が家内安全に導いてくれるはずである。
ただし、護符の中には祈りを捧げてパワーを維持するものもあるので、そういう場合は方角が関係する。
そういう訳で、相談者の奥さんは、4つもお札の貼り方を間違っていたので、
これでは、お札をせっかく買っても、効力は発揮されないだろう。
まずは、壁から画鋲を外し、画鋲の穴を丁寧に押したりして塞ぎ、4隅をテープで張り付けるか、
ケースに入れてから壁や柱に貼りつけるか、目線より上の棚やタンスの上に立てかけるかする様にアドバイスした。
その他にも、南向きか東向きか東南向きにして、時々手を合せる(遥拝)様に言った。
その後、彼女はちゃんとやったのかどうか連絡が無いので分からないが、
便りが無いのは、良い便りと言うので、多分良い方向にいっているのだろう。
彼女の家内安全が、叶います様に・・・・
END