●残り物には福があった
皆さんは、こんな諺(ことわざ)をご存じだと思います。
「残り物には福がある。」
意味は、
最後に残った物を選ぶと、それには思いもしなかった幸運がついている。という事。
今日は、そんな諺みたいな霊視結果があったというお話です。
私がアメリカに居たシアトルの南に、レントン(Renton)という町があります。
ある時、そこで独り暮らししていたお婆さんが突然の心臓発作で亡くなりました。
お婆さんには、3人の子供がいて、(女・女・男)
長女のゲールと、次女のメリッサは既に結婚してシアトルに住んで居ました。
一番下の弟サイモンだけは、まだ大学生で、私と同じ寮に住んでいました。
寮の地下には、1台の卓球台があって、私はよく授業が終わった後や食後にそこへ行って、
そこで知り合った台湾の方とよく卓球をしたものです。
サイモンも、そんな卓球をした仲間でした。
台湾の方とは3人位の留学生と仲良くなり卓球などしました。
時々日本食が恋しくなり、自分でインスタントラーメンを夜中に作る時があるのですが、
そんな時、よく台湾の方とキッチンで出会ったものです。
彼らも同じ様にインスタントラーメンを作ってて、それで仲良くなった事もありました。
中国人(本土)の留学生も居たのでしょうが、
私が台湾の方と仲良くすると、警戒してか中国本土の方は私には近寄って来ませんでした。
そんな時代だったのかもしれません。
ちなみに、韓国からの留学生も多く見かけました。
韓国の方は、よく食堂ではグループになって食べていたりしていて、集団でいる事が多かった感じでした。
私の印象では、韓国の方は大学生よりも大学院生が多く、上下関係もはっきりしていて、
自宅を借りている先輩が後輩の留学生を家に招待して面倒をみている感じがしました。
さて、卓球仲間だったサイモンの母親が亡くなったのを私が聞いたのは、だいぶ後になってからでした。
サイモンは当時、母親の仕送りでワシントン大学に通っていたので、
母親が亡くなった後は、アルバイトをせざる負えない状況になり、
卓球に来る頻度がガクンと減りました。
普通は、親が亡くなると、財産が入ったりするものですが、
元々おっとりタイプのサイモンは、ヤリ手二人のお姉さんにいいように母親の財産を取られてしまった様です。
まずお母様が住んで居た実家は、既に銀行の担保物件になっていて、たいしたお金にはならなかったそうです。
その上で、母親が残した財産を姉2人とサイモンの3人で均等に分けるのが普通なのですが、
ヤリ手二人のお姉さんは、サイモンに。大学の費用の仕送りは生前贈与に当たるからそれを含める事を告げ、
結局サイモンには、僅かな金額しか分けてもらえなかったそうです。
家と預貯金の他に、母親が残した財産は、3つの車だけでした。
■1台は、母親が15年使っていた古い自家用車でした。
■1台は、母親が仕事の為にと買ったバンで、3年オチでしたが、余り使用していないので綺麗でした。
■3台目は、新車でした。
母親は古い車を新車に乗り換えようと思っていたらしく、亡くなる1週間前に納車されたばかりの車でした。
通常は、車の金額を算出して、その合計を3等分にするのでしょうが、
ヤリ手の長女は、話し合いもせずに一番年上だからと新車を自分の物にしました。
ヤリ手の次女も、自分には子供が2人もいるからバンが必要だと言い、バンを自分の物にしました。
最後、おっとりしたサイモンは、残った15年オチの古い自家用車を引き取りました。
それから1年半が経った時でした。
長女が貰った新車が、盗まれてしまったのです。
次女が貰ったバンも、その後エンジントラブルなどがあり、多額の出費を重ねたそうです。
しかしサイモンが貰い受けた中古車は、調子が良く、
なぜか中古車をもらってから、幸運な事がよくあり、彼女が出来たり、
アルバイト先からも、大学を出たら正式に社員にならないかと誘われたりして、
あれから良い事続きだと言うのです。
そんなサイモンが、彼女との将来について占って欲しいんだけど誰か知らないか?と聞かれたので、
私が知り合いの霊能者の所に連れてってあげたのです。
その時の霊視結果が、とても興味深いものだったのです。
私も一応紹介者として、霊視に同席し、後ろで見ていました。
鑑定結果は、どれも良い事が多く、
彼女との相性も良く、将来結婚して良い家庭が築けるでしょうと言われていました。
しかし、私が凄いと思ったのは、そこでありません。
霊能者の方が、サイモンにこんな質問をしたんです。
「シルバーの古い中古車に乗っているでしょ?」
「はい。」
「それ、お母さんが長年使っていた車だったんでは?」
「そうです。」
「そう。
貴方のお母さんね。
今も、その車に乗っているのよ。
毎日貴方が、どこに行く時も見守っているんですって。」
霊能者いわく、
故人が長年愛用していた物には、死後もその物の側によく来て、
それを使っている子を守ってくれたり、幸運をもたらしてくれる事があるのだと言う。
END