●神の領域
神の領域。
それは神だけが許されるという、人間の創造。動物などの命の創造である。
さて、今日は何を書こうかとニュースなどを見てみると、
多くの人達が、強制的に不妊手術をされ子供が産めない体にされたという。
毎日新聞によると、その数約1万6500人以上。
旧優生保護法による強制不妊問題である。
しかし国は「当時は適法だった」として被害者とこの問題から目を背け、
放置したために多くの記録や資料が失われてしまっていたのである。
その問題がようやっと今年になり問題視される様になった。
そもそも、この優生保護法による強制不妊問題は、戦争が裏で関係してると言われている。
実は、この悪法・旧優生保護法は、1940年に成立した国民優生法でした。
実は当時日本は、1940年にドイツ・イタリアと日独伊三国間条約を結び、
日本を含めたこの3国は、世界大戦への道を突入しようとしていた時期でした。
つまり、日本では、多くの兵士となる子供が必要とされ、「産めよ殖やせよ。」が推奨され、
避妊は非国民、中絶手術も非国民とされ一般には許されていませんでした。
それと同時に、良い軍人を作りだす意味でも、
「悪質な遺伝子疾患を持つ者」の増加を防ぐという名目で、厚生省は、
遺伝性疾患だけでなく、ハンセン病など遺伝性以外の精神病や精神薄弱を持つ患者に対しても、
強制的に優生手術を行い、人工妊娠中絶や受胎調節の実地指導などを定めたのでした。
つまり、人間が他人の命の誕生の是非をコントロールしたのである。
その意味では、旧優生保護法は、「神の領域。」を侵した法律だったのかもしれない。
今その時の責任が、国に追及されているのだ。
「神の領域。」を侵しているのではと言われている技術がある。
その1つが、遺伝子組み換え技術である。
では、遺伝子組み換えとは、どういうものか。
例えば、私達は昔から稲の品種改良をやってきた。
良いお米を作る為に、美味しいお米と寒さに強いお米を掛け合わせえて、
寒さにも強い美味しいお米を作り出して来た。
しかし、この様に今までにない雑種をつくる為には、
母親となる品種の稲に、父親となる品種の稲の花粉をふりかけたり、
多くの種を用意して実験したり、一品種作りだすのに10年もかかった。
ところが、遺伝子組み換え技術を使えば、
例えば、美味しい稲の遺伝子に、寒さに強い魚の遺伝子を組み込む事によって、
あっという間に寒さに強い美味しい稲が作り出せるかもしれないのである。
しかし、よく考えてみるとちょっと不気味な感じを受けるかと思う。
稲と稲の掛け合わせなら、今までにない稲が出来てもそんなに違和感は無いが、
稲と魚を掛け合わせて、出来たお米は果たして安全なのか。という違和感だ。
つまり、この世に存在しない命の創造である。
余り知られていないが、今年の2月。農林水産省が、
緑色蛍光シルクを作る遺伝子組換えカイコの利用に関する勉強会を行った。
遺伝子組み換えによって、この世に存在しないカイコを作り出し、それによって出来たシルクは、
暗闇でも光る服を作りだすという画期的なものだ。
これまだ食べる物では無いからいいのだが、
よく新聞やテレビで問題になっているのが、遺伝子組み換え大豆やトウモロコシである。
大量に収穫できる様に、遺伝子組み換えされた作物である。
日本では、商品を見て「この商品には遺伝子組み換え食品は使用されていません。」
という表示があると、みんなそれを見て安心して買っている。
しかし、実はそれはウソである。
多くの遺伝子組み換え作物は、家畜の肥料などに安く回され、それを考えると、
食品に転嫁されているのはもう防げない状況なのである。
そこで、日本政府は、その食品の中に遺伝子組み換え作物が入っていても、
その割合が5%未満なら「遺伝子組み換え食品は使用されていません。」と表示していいと許しているのである。
ちなみに、欧州(EU)ではその基準が0.9%と日本よりも遥かに厳しい。
では、なぜ遺伝子組み換え食品が問題になっているのか。
きっと多くの人は、大豆やトウモロコシが多く取れる様になって良い事じゃないかと思うだろう。
しかし、なぜ問題視されているかというと、
1つは、今まで存在していなかった未知の大豆やトウモロコシを食べて大丈夫かという事である。
2012年、フランスのセラリーニ教授らの研究チームが、
遺伝子組み換えトウモロコシをマウスに2年間与える実験を行った。
すると、遺伝子組み換えトウモロコシを食べて育ったマウスには異常に大きな腫瘍が出来たのである。
この結果によって、人間が食べてもガンが多くなったり、奇形児が産まれたりするのではと警告したのだ。
もう1つの問題が、この遺伝子組み換えを行なっているアメリカの会社・モンサント社である。
実はこのモンサント社は、世界の遺伝子組み換え作物の90%のシェアを握っているのだが、
問題はこの会社だ。
この会社は、ベトナム戦争で使用され問題になった枯葉剤を製造した会社なのである。
そう、ベトナムで枯葉剤の影響で1つの体に2つ頭が出来たベトちゃんドクちゃんでも、
日本で話題になったので覚えているかと思うが、あの枯葉剤を製造した会社が、
今は遺伝子組み換え作物を作っているのである。
「神の領域。」を侵しているのではと言われている技術が、もう1つある。
それが、ゲノム編集である。
ゲノム編集とは、人間の設計図(遺伝子を含むDNA)を人工的にいじって、
遺伝子を切ったり、貼ったり、並べ替えたり自由に編集する技術である。
この技術を応用すると、例えば近い将来、白血病が怖い病気は無くなるかもしれない。
2015年、イギリスの病院で生れた生後3ヶ月のレイラちゃんが、
急性リンパ性白血病であると診断された。(私が患った病気と同じだ)
すぐにレイラちゃんは骨髄移植を行った。 しかし、失敗。
すぐに2度目の骨髄移植を手術を行った。
今度はドナーから直接得た免疫細胞を骨髄に移植する方法をとった。
しかし、残念ながら、2ヶ月後に白血病再発。
もう既に手は無く、絶望的な状況だった。
でもお母さんは諦めなかった。
お医者さんにどんな方法でもいいから娘を助けて下さいとお願いした。
そこで行きついたのが、まだ動物実験段階だった「ゲノム編集」技術だった。
レイラちゃんのケースでは、
骨髄移植をした際に、ドナーの骨髄がレイラちゃんの骨髄に移植された時、
免疫細胞の一種であるキラー細胞が、患者の体内の細胞を敵だと認識してしまい移植に失敗した。
そこで、ゲノム編集でこのキラー細胞の「他の細胞を敵と認識する遺伝子」を取り除いたのである。
そして、このゲノム編集された骨髄を移植したのだ。
すると、ゲノム編集された骨髄のキラー細胞はレイラちゃんの中のガン細胞だけを攻撃して、
手術1ヶ月後には、全てのガン細胞が除去されたのである。
ちなみに、このゲノム編集も、遺伝子組み換えも、両方とも遺伝子を操作する技術だが、
この2つには、大きな違いがある。
遺伝子組み換え技術は、元々無かった遺伝子を外から取り込む技術である。
例えば、人間の遺伝子の中に、ブタの遺伝子を入れたりする。
これによって、この世に存在しない生き物が誕生するのである。
それに対して、
ゲノム編集技術は、外から遺伝子を入れるのではなく、元からある遺伝子の特定場所を切ったり、
入れ替えたりして新しい性質に変える技術である。 だから人間の体の中だけをいじるのであって、他から何かを入れる訳ではない。
ここまで、神の領域を侵したかもしれない事を3つ取り上げました。
■法律による強制不妊
■遺伝子組み換え
■ゲノム編集
どれが悪いとか良いとか言う立場に私はありませんが、
ゲノム編集で、命が助かるケースであれば、許されるのではと感じました。
ただ、ゲノム編集によって、理想の赤ちゃんを生み出すとかという
デザイナーベビー計画まで行くとなると、ちょっと疑問が生じてきます。
最後に、
旧優生保護法による強制不妊問題に苦しんだ方の体験を紹介して今日は終わりに致しましょう。
彼は現在70代。
不妊手術を強いられたのは、14歳の時だった。
仙台市の児童施設に居る時、説明も無く病院に連れて行かれ手術をされた。
それが何の手術だったのか、後日施設の先輩が教えてくれた。
この児童施設では他にも3人くらいの人が手術された。
当時は「しょうがないな。」とあきらめるだけで、よく意味が分かっていなかった。
この現実を突き付けられたのは、28歳で結婚した時だった。
結婚して1年くらいした時だった。
子どもがなかな出来ず、妻が、
「私も診てもらうから、貴方も診てもらって」と言われた。
周りからは「なぜ子どもが出来なんだ!」と問い詰められ、
その度に「いやあ、なぜでしょうね」と、とぼけるしかなかった。
「女房がほかの子どもをあやしているのを見て、本当につらかった。
情けないくらいに子どもが欲しかったけれども、自分じゃ、もうできないんだって・・・」
そんな妻が、40年連れ添った妻が・・・・・白血病になった。
「もう助からない」と医師に告げられていた。
私は最後に、妻に不妊の理由を告白した。
「小さい頃、
子どもができなくなる手術をされたんだ。
なのに…
なのに・・・
結婚してごめんね。」
「なぜ、今まで黙っていたのよ!!!」と、責められると思った。
怒られると思った。
しかし、妻は、
うなずいて、こう言った。
「ちゃんと食事をとってよね。」
それが最後の会話になった。
END
参考:IN YOU http://macrobiotic-daisuki.jp/idensikumikae-syokuhin-kiken-15559.html
東京新聞:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018042202000128.html

