●胎児が殺される
ある時、ひとりの妊婦だという女性から電話相談を受けた。
それはちょっと不気味な相談だった。
お腹の中の赤ちゃんが殺されると言うのである。
私の場合、こういう不気味な相談を受けた時の対応は決まっている。
変に驚いたり、疑ったりはしない。
ただ冷静な口調で、
「どうして、お腹の中の赤ちゃんが殺されると思うのですか?」と静かに聞いてみる。
すると、彼女は、
妊娠してから、転んだり、お腹を何かにぶつけたりする事が多くなったと言う。
ある時は、家でつまづいてお腹を思いっきり打ったので、
すぐに病院で検査してもらったが、赤ちゃんは無事だった。
またある時は、家で食事を作っている時に、よろけてお腹を机の角にぶつけて、
お腹が痛くなって、その場に屈んでしまった。
やはり、その後病院で検査してもらう事にしたが、赤ちゃんは無事だった。
また、ある時は生ガキを食べた後に腹痛が襲って来て、あやうく食中毒になりかけたそうだ。
そういう事が今までに6回あったという。
確かに、胎児が危険にさらされる状況が短い期間に6回起きるというのは、多い。
しかし、だからと言って「赤ちゃんが殺される」と思うのは飛躍し過ぎである。
そこで、私は彼女に、
「それらの出来事が、貴方のお腹の中の赤ちゃんを狙ったとして、
誰が貴方の赤ちゃんを殺そうとしているんですか?」とズバリ聞いてみた。
すると彼女は、「元親友だと思う。」とはっきり言った。
「どうして、貴方の元親友が、貴方の赤ちゃんを殺そうとするんですか?」と聞くと、
彼女は「元親友は、私が彼氏(夫)と幸せになる事を望んでいない。」と言う。
だから、元親友は呪いをかけて私が無事出産する事を阻んでいるのだと。
つまり、彼女は、元親友が呪いで彼女の胎児を殺そうとしていると主張したのである。
さて、「呪い」という事になると、話は尋常では無くなってきた。
まず、元親友は生きている人だというので、そういう場合は生霊による呪いという事になる。
ただ、相談者の方はよく「呪われている」という言葉を使う人が多いのだが、
人はそう簡単には呪われない。
まず、一方的に理不尽に呪われる事は無い。
例えば、最近貴方の嫌いな芸能人のAさんがブログを始めたとします。
生意気だから、Aさんを呪ってやれ。と思っても、そう簡単に呪えるものではない。
それは貴方の生霊による呪いの波長と、それを受けるAさんの波長が違うからである。
波長が合わないと、呪いも届かない。
つまり、一方的な勝手な思い込みでは、人は呪えないという事だ。
ただ、もし、Aさんが個人的に貴方に悪い事をしていたなら別である。
例えば、貴方がAさんのファンイベントに参加した時に、
彼が振り向いた時に、彼の手が貴方の目に当たって怪我をしたのに、
彼は謝りもせずにその場を逃げる様に立ち去ったとする。
そして、その後貴方の片目は失明した。その事を彼側の事務所に訴えても無しのつぶて。
こういう場合、呪いは一方的では無くなる。
貴方の生霊による呪いの波長と、それを受けるAさんの波長が合うからである。
そこで気になるのは、
電話の彼女と、元親友との間柄である。
「親友」に「元」が付くという事は、二人の仲に何かあったのだろう。
その点を彼女に問いただすと、
彼女はこんな事を話し出した。
現在の夫は、元親友の恋人だった人だと言う。
彼は元親友と恋人だった時、もっと親しくなろうと思ったのだろう。
元親友が通っていたスポーツジムに急に入会してきたのである。
そして、一緒に汗をかいて、食事に行っていたのである。
ところが、そのスポーツジムは元々は、当初彼女と元親友が一緒に入会したものだった。
だから、会社帰りなどで時々一緒になった。
そんなある時、3人でばったり会う機会が訪れたのである。
その後、彼氏の興味は元親友から彼女へと段々と移っていたと思われた。
彼女いわく、彼氏と親密な関係になったのは、
彼氏と元親友が、完全に別れた後だったので、元親友に対して後ろめたい気持ちは無いという。
ただ、元親友の気持ちは違っていた様である。
彼女と彼の関係が分かると、すぐにスポーツジムを解約し、親友関係を終わらせた。
そればかりは、共通の知り合いには恋人を盗られたとか、裏切られたと言いふらしているという。
その知り合いいわく、元親友は彼に別れを言われても、まだ諦めていなかった様だったという。
確かに、彼女の主張通り、彼氏と親密な関係になったのは、
彼氏が元親友と完全に別れた後だったとしよう。
しかし、親密な関係になるまでの予備期間が、彼と元親友が付き合っていた期間とダブっている。
従って、元親友が彼氏を奪われたと思っても仕方が無い状況だと思った。
つまり、元親友が呪っているとしたら、彼女の波長と合って届いている可能性はあると思った。
そこで気になるのは、
実際に元親友の呪いの生霊が、彼女の元に届いているのかどうかである。
実は、普通の人でも、
生霊による呪いが、自分の所に来ているかどうか判断出来る方法がある。
それは、
悪い事が起きる、少し前もしくは直前に、生霊をかけている人の事を頭に浮かべたかどうかである。
私は先に「人はそう簡単には一方的に理不尽に呪われる事は無い。」と言った。
でも、呪う人と呪われる人の波長が合うと、呪いが届くと言った。
この波長が合った時、
実は呪っている人の顔が浮かんだり、呪っている人の事を思い出したりして、
相手の情報が一時的に頭の中に浮かぶのである。
それを彼女に聞くと、
お腹を打ったなど流産しそうになった時の6回とも、直前に元親友の事が頭をよぎったと言う。
1回なら偶然かもしれないが、6回全部であれば、生霊による呪いの可能性があると思った。
私が彼女にしたアドバイスは、下の7つである。
■まず玄関に小さい鏡を、外から玄関のドアを開けて入って来た姿が映る位置に置いておく事。
■次に元親友の事が頭に浮かんだら、手を合せてとりあえず謝る。
(可能なら元親友がいると思われる方向に向かって)
■元親友の事が頭に浮かんだら、好きな音楽をかけて、好きな匂いを部屋にまく。
■玄関の外に、赤い花を置く。
■また、元親友は彼女のSNSを見ている感じだというので、彼女を刺激しない為にも、
元気な赤ちゃんが生まれるまで、SNSを休むか良い事を書かない方がいいと伝えた。
■外出する時は、小さい鏡をペンダントでもいいから胸や腰につけておく。
■安産祈願の神社仏閣か、何でも願いを叶えるという観音様(観音菩薩)に参拝して、
その時に10分間、一袋のお塩をその場に置いて、赤ちゃんを守ってくれる様にお願いし、
塩に厄除けのパワーを入れてもらう様にもお願いする。
そして、その塩を軽く家の門もしくは、玄関前にパラパラと少し巻く。
最後に、
霊的なアドバイスでは無く、基本的なアドバイスを追加しておいた。
と言うのは、妊娠中彼女は生ガキを食べてお腹をこわしたと言ったからだ。
■まず、妊娠中は生物は、生卵、生ハムでさえなるべく食べないほうが良い。
■また彼女は妊娠中も車を運転していると言うので、
1時間以上の運転でシートベルトでお腹を締め付けたり、
急ブレーキでお腹を打つのは良く無いので、もし運転をしたいなら、
マタニティシートベルトを買って使ってみる事。
■たばこは止める事。
彼女は吸って無いとの事だったが、夫が家の中でも吸うという事なので、
たばこの害としては、
自動喫煙するたびに、胎児の呼吸が減少したり停止する事があるのが証明されている。
また、早産になったり、破水したり、早期剥離したり、
生れても低身長だったり、斜視などなったり、低体重の子になったりする。
成長した後も、キレやすい子に育つ傾向もあるという。
■あと厚生労働省が警告しているのは、
妊婦の方は、自然界の毒である水銀をあまりとってはいけないとの事。
大体水銀など好んで食べる人はいない。
しかし厚生労働省いわく、
大きな魚には水銀が含まれ、大人は問題無いが、胎児には悪影響だという。
なぜなら、まず大きな魚は、小さな魚より長生きである。
その間、水銀を少ししか摂取しない小魚を食べて、より多くの水銀を体内にため込むという。
従って、すし屋に行く時は、
マグロ・クジラ肉・鮭・カジキなど、大きな魚は、無事赤ちゃんが生れるまで封印した方がいい。
■またよく言われるのが、
妊娠中と授乳中は、カフェインとアルコールは余り摂取してはいけない。
ただし、アルコールなら1日一杯、カフェインなら1日2杯なら大丈夫らしい。
ちなみに、カフェインが含まれる食品は、
コーヒー・紅茶・お茶(特に玉露は最悪である)・ココア・チョコレート・コーラである。
アルコールの摂取し過ぎは、生れた子に発達障害や学習障害の危険が起きるという。
カフェインの多量摂取すると、ママと同じカフェイン濃度がお腹の赤ちゃんに与えられ、
まだ内蔵が完成していない赤ちゃんにはカフェインを体内で分解して排出されず悪影響となる。
また、授乳中の母親がカフェインを多く摂取すると、それが母乳にも入り、
カフェインが作用して、なかなか眠らないという弊害が起きるという。
その後、無事、元気な赤ちゃんを出産されたという。
元親友も、この彼氏と彼女の事は忘れて、幸せな恋に向って欲しいと願う。
END