●婚前契約

 


通常、長年連れ添った夫婦が離婚すると、

 

 

財産は半々となります。

 

 

 


ただ例外はあります。

 

 

例えば、ある女性が資産家の男性と結婚したとします。

 

 

資産家の男性は、5つのビルを持ち、3つの山を所有していました。

 

 

つまり、女性は玉の輿に乗った訳でした。

 

 

子供が2人出来ましたが、夫は育児には無関心。

 

 

そのあげく外に愛人を作る始末。

 

 

結婚生活は長く続かず、3年後に離婚しました。

 

 

さて、財産は半々になるかと言うと、そうはいきません。

 

 

 

実は、日本の法律では、特有財産は離婚の時の分配の対象としないとなっているのです。

 

 

特有財産とは、夫が結婚前にすでに所有している財産です。

 

 

例えば、結婚する前から夫が持っていた5つのビルと、3つの山は特有財産となり、

 

 

離婚時の分配の対象外となる訳です。

 

 

 


つまり、離婚時に半分づつ分けられる財産は、結婚3年間に夫婦で作った財産のみとなります。

 

 

でも、一緒に暮していれば、それも生活費に消えているかもしれません。

 

 

だから、3年間夫の実家に入り、夫婦で築いたお金を半々にしても僅かかもしれません。

 

 

ある賢い女性は、結婚後直ぐに新居を夫のお金一括で買いました。

 

 

そうなると、その新居は結婚後に築いた物になり、離婚後半半となるのです。

 

 

でもそういうケースは希で、ほとんどは35年ローンで買ったりしていて財産とは言えないものです。

 

 

そうなると、離婚後妻は子供二人と路頭に迷ってしまいます。

 

 

 


そこで登場するのが、慰謝料養育費です。

 

 

離婚の原因が夫の浮気なら、慰謝料として請求出来る訳です。

 

 

例えば1988年に離婚した演歌歌手・千昌夫さんは、

 

 

離婚した歌手・ジョン・シェパードさんに慰謝料50億円を払い、現在これが日本記録です。

 

 

2005年に離婚したIT社長の藤田晋は、

 

 

離婚した女優の奥菜恵さんに慰謝料30億円を払いました。

 

 

奥菜恵さんの場合、結婚生活が僅か1年半だったので、普通に財産分与していたら僅かしかもらえませんが、

 

 

慰謝料とすれば、それは心の痛みの代金であるので、金額に上限は無いから、

 

 

相手の所有財産によって、この様に30億円も請求出来た訳です。

 

 


ただ、慰謝料を取るとなると、お互いに弁護士をたてて相当な戦いが予想されます。

 

 

また、相手に不倫や浮気など決定的な証拠など無い場合、困難が予想さます。

 

 


そこで慰謝料より簡単な生活費の請求が、養育費です。

 

 

女優の紗栄子さんとプロ野球選手のダルビッシュ有さんが離婚した時に話題になったのがこれです。

 

 

当初、紗栄子さん側は、「慰謝料なし、ひと月の養育費を1000万円」とう高額な条件を提示したとされます。

 

 

しかし、ダルビッシュさん側は、「慰謝料1億円、ひと月の養育費を100万円」と提示したそうです。

 

 

ここで知らない人は、こう思うかもしれません。

 

 

慰謝料なしよりも、慰謝料1億円一括にもらった方がいいと。

 

 

確かに、離婚した夫が、しばらくすると、養育費を払わなくなるというケースはよくある事。

 

 

そういう事が予想される場合は、慰謝料一括でもらう方がいいかもしれません。

 

 

ただ、ダルビッシュ有さんの場合、その後のアメリカでの活躍がほぼ100%予想されていましたから、

 

 

紗栄子さん側は、その後、「慰謝料なし、ひと月の養育費を200万円」で決着したと言われます。

 

 

それにもう一つ、紗栄子さん側が慰謝料を無しで、なんで養育費一本で請求したのか。

 

 

そこにも日本の法律がからんでいます。

 

 

実は、高額な慰謝料には税金がかかるのですが、養育費には税金がかからないのです。

 

 

ひと月の養育費が200万円と言っても、子供2人で20歳になるまで払い貰い続けるとなると、

 

 

その額は約4億円となります。  紗栄子さんの賢い選択だったと言えましょう。

 

 

 

 

 


さて、私は冒頭部分で、

 

 

離婚した時は、夫が結婚前から持っていた5つのビル等の特有財産は、

 

 

離婚時の分配の対象外となり、離婚時に半々になる事は無いと言いました。

 

 

でも、それは日本での話。

 

 

世界には、世界の法律があるのです。

 

 

例えば、アメリカでは、ネバダ州やテキサス州、カルフォルニア州など、

 

 

結婚前に所有していた財産を明確に証明出来なければ、全て離婚時は半々にするという法律の州があります。

 

 

つまり、下手をすれば結婚後、1年で離婚しても全ての財産は半々となる訳です。

 

 


そこで登場するのが、日本では馴染みのない婚前契約です。

 

 

離婚した時に、今まで築いた財産を半分持って行かれ無い様に、

 

 

結婚前に、万が一離婚した時の条件を約束しておく契約書を作成するのです。

 

 

日本人の女性が、外人と結婚する時、

 

 

相手の外人が、もし「プリナップ (Prenup)」 と、言って来たら、

 

 

それは、婚前契約書を作ろうと言っている意味です。

 


さて、ここまで読んだ人は、こう思うでしょう。

 

 

婚前契約なんて、夫が財産を守る為の卑怯な手だ。私はそんな契約絶対したくない。と。

 

 


でも、実際はそうでも無いのです。

 

 

 

確かに、婚前契約書には離婚した時の為に、

 

 

結婚前に所有している財産を明記して、夫は財産を守りにかかります。

 

 

だから、一見夫に一方的に有利な契約書と思うでしょう。

 

 

でも、婚前契約書には、これから一緒に暮らしていく上での義務や約束事も書けるのです。

 

 

例えば、アメリカ人同士が交わした婚前契約書にはこんな物があります。

 

 

●どちらかが暴力を振るった場合、暴力を振るった方は、相手に100万円を一週間以内に現金で払う事。

 

●月に3回以上必ずセックスをする事。拒否した方は相手に10万円を一週間以内に現金で払う事。

 

浮気をしたり、相手の家に妻の許可なく泊まった場合は、1000万円を一週間以内に現金で払う事。

 

 

 

また、離婚時に決まって問題になる子供の親権も、あらかじめここで決めておけば簡単です。

 

●万が一離婚した場合、子供の親権は妻のものとする。とか

 

●万が一離婚した場合、子供の明確な意思が証明されない限り子供の親権は妻のものとなり、

 

夫は毎月15万円の養育費は20歳まで払い続けるものとする。

 

また、●離婚した時の慰謝料はどんな理由があっても1憶円を下らない事などとしておけば、

 

離婚しずらいとも言えます。

 

 

プレイボーイの夫は逆に●結婚して10年続けば1億円を払う。という様な条件を書いて、

 

 

万が一浮気をしても、妻が我慢して許してくれる条件をあらかじめ書いておく人もいます。

 


婚前契約書は、原則自由に夫婦間で作成出来るので、

 

 

その他にも色々な項目が書けます。

 

 

例えば、●月に一回は高級レストランで食事をする事とか、

 

●年に一回は一緒に海外旅行に行く事とか、

 

小さい所では、●ゴミ出しは夫がやる事とか、●週末の皿洗いは夫がやる事とか。

 

 

とにかく自由です。

 

 

また、結婚後、二人の意見の一致があれば作り直してもいい訳です。

 

 


そんな婚前契約書ですが、

 

 

婚前契約書で思い出されるアメリカでの霊的な出来事がありました。

 

 

明日は、そのお話をいたしましょう。

 


後半は、明日のブログに続く。