●言語を超えたグータッチ

 


よくアメリカでは、祝福を表す時にグータッチをします。

 

 

例えば、ホームランを打った選手をベンチでチームメイトが出迎える時とか。

 

 

ある意味、言葉(言語)を超えた挨拶です。

 

 

大谷翔平選手も、正捕手マルドナドとグータッチ。

スポーツ報知

Wikimedia Commons

 


そう言えば、日本でもグータッチが有名になったのは、巨人の原辰徳前監督が、

 

 

選手を出迎える時にグータッチで出迎えてから爆発的に知られる様になりました。

 

 

東京ドームには、原監督のグータッチ人形があり、誰でもその感触を経験出来るとの事。

 

 

ちなみに、原辰徳さんは、今年2018年遂に野球殿堂入りを果たしましたね。

 

 

 


原前監督は、両手でのグータッチでしたが、

 

 

アメリカでは片手のグータッチが多いです。

 

 


そんなグータッチですが、

 

 

グータッチで、1つ霊に関する思い出話があるので、今日はそれを書いてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ある時、霊能者の所に、3年前に夫を病気で亡くされたというご婦人が来ました。

 

 

最初、彼女は仕事の相談で来られたのですが、

 

 

その部分は、ちょっと英語が難しく私にはよく分からなかったので、

 

 

私が分かったグータッチの部分だけを、今回書いてみたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 


彼女の亡くなった御主人は、

 

 

亡くなるまでの約8年間、出歩く時は彼女がプレゼントして杖を使っていました。

 

 

杖の上部は、人の握りこぶし位の丸い形をしている特注品だったそうです。

 

 

ご主人が病気になってからは、彼女が外で働き、ご主人が杖をつきながら、

 

 

出来る範囲で夕食を作って、妻の帰りを待っているという生活が続いていました。

 

 

朝食は奥さんが作り、平日の夕食だけを夫が作るという感じでしょうか。

 

 

彼は愛する妻がプレゼントしてくれた杖を大そう気に入り、

 

 

昼間はその杖を使って散歩や庭の水やりをやっていたといいます。

 

 

二人の楽しみは、テレビでのスポーツ観戦だったと言います。

 

 

昔、ご主人はフットボールの選手だったという事で、ビール片手に、

 

 

地元のシアトル・シーホークス(プロフットボール)のテレビ観戦と、

 

 

地元のシアトル・マリナーズ(プロ野球)の応援は、特に熱が入ったといいます。

 

 

点が入る毎に、二人で大喜びしてグータッチしたそうです。

 

 

その他にも、奥さんが仕事で良い事があると、真っ先に自宅の夫に電話して、

 

 

家に帰ると、玄関で出迎えてくれた夫とグータッチしたといいます。

 

 

 

 

 


しかし、3年前、

 

そんな夫が他界。

 

 

 

奥さんはショックで、3週間ほど仕事を休んだといいます。

 

 

玄関には、亡き夫が愛用していた杖が置いてあり、それを見る度に泣いていたそうです。

 

 

その後、職場の友人達の励ましなどもあり、立ち直った彼女は、

 

 

また働きだす事が出来る様になりました。

 

 

 


そんな立ち直ってから3年経った今、彼女は霊能者の所に来たのでした。

 

 

 

さっそく霊視が始まりました。

 

 

すると、霊能者は彼女にこんな変な事を言ったのです。

 

 

「ご主人がね。

 

 こんな事を言っているの。意味分かるかしら。

 

 いつもグータッチを、ありがとう。って。」

 

 


ちなみに、アメリカではグータッチとは言いません。

 

fist bump!」と言っていました。(フィスト、バンプ)

 

 

 

しかし、彼女はその言葉を聞くと、急に泣きだしたのです。

 

 

泣きやんで、彼女が落ち着くまで、彼女に水を持て来たりと5分位経ったでしょうか。

 

 


落ち着くと、彼女が泣いた理由を話してくれたのです。

 

 


彼女は立ち直って、再び働き始める様になった時、

 

 

毎日家を出る時と、家に帰って来た時、

 

 

そして、何か良い事があった時は、

 

 

亡き夫に、「今日は、こんな良い事があったのよ!」と、

 

 

玄関に置いてある亡き夫の杖の上部の拳大の丸い部分に、グータッチしたと言います。

 

 

つまり、毎日杖の上部を夫の拳だと思って、

 

 

グータッチして出勤、グータッチして帰宅していたのです。

 

 

それを、夫が知ってくれていたというのに、感動して涙を流したのでした。

 

 

 

 

 


しかし、

 

私が感動したのは、そこではありません。

 

 

 

 

 

私が感動したのは、

 

 


次に霊能者が言った言葉でした。

 

 

 

 

 

 

霊能者の方は、彼女にこう言ったのです。

 

 

 

「ご主人、こう言ってるわ。

 

 

 君がグータッチする時、

 

 

 

 

 ボクの手も杖の上部になって、君とグータッチして君に触れてるんだよ。」

 

 

 

 

その人を心から愛しく思って、する習慣が、

 

 

いつの間にか、故人と触れ合っていたのです。

 

 

彼女は、夫亡き今も変わらず、彼とグータッチしているのです。


END