●ピットブルの霊視
霊能者に診てもらうのは、大抵は人間です。
恋の悩みだったり、仕事の悩みだったり。
しかし、希にお客が人間では無い時があるそうです。
ある時、アメリカの霊能者の所にきた霊視の依頼は、人では無く、
一匹の愛犬(ピットブル)の霊視でした。
今日はそんなお話です。
ピットブルとは、
アメリカでブルドックなど闘犬用に改良された、
アメリカン・ピット・ブル・テリアの通称で、
噛む力が強く、飼い主に忠実だと言われていて、
三重苦だったヘレン・ケラーや発明家エジソンの愛犬でもありました。
ピットブルが飼い主の事が大好きで飼い主に忠実だというこんな実話があります。
今から4年前の夏、アメリカのオレゴン市の片田舎で、
近所の子供達10人が野山を駆け廻って遊んでいました。
ところが、その中の1人の子が、
横たわっていた古い大木の上に乗っかった時でした。
その大木は腐って柔らかくなっていたのでしょう。
子供の足は、古い大木を壊してしまいました。
すると、その横たわった古い大木の中に危険なハチの巣があったのです。
巣を壊されたハチ達は、怒り狂って一斉に子供達に襲いかかったのです。
子供達は命からがら山頂から走って降りて来ました。
ところが、まだ8歳のジェシー君だけは、足も遅くその場に取り残されてしまったのです。
他の子供達は自分が逃げるのに精いっぱいで、ジェシー君を助ける事など出来ません。
その時一緒に居た14歳のお姉さんも5ヵ所刺されたのですが、
お姉さんは前にも刺されていたので、
アナフィラキシーショックを起こさない様に急いで薬を取りに家に戻ったといいます。
怒ったハチの大群に囲まれたジェシー君は、24ヵ所も刺されてショック死もありえる状態です。
そんな時でした。
みんなが逃げて来る状況の中、
たった一人だけ、ジェシー君を助けに向ったものがいました。
いや、たった一匹だけ。
それはジェシー君の愛犬のピットブル、Hadesでした。
Hadesはジェシー君のズボンの裾を咥えると、ジェシー君を危険な場所から引っ張って行って、
自分がハチに刺されながらも、ジェシー君を救出したのでした。
このピットブルが少年を救ったという出来事は、全米で話題となりテレビニュースとなりました。
ある時、霊能者の所に、
そんなピットブルの霊視の依頼が来た事があったそうです。
その愛犬の飼い主の女性は、その子を愛していましたが、
残念ながら、その子はもう手の施しようが無いガンを患っていて、
立ち上がる事も出来ないので、散歩に連れってあげる事も出来ません。
もう目もほとんど見えていないはずだと宣言され、
獣医の方からは安楽死を勧められていたそうです。
その子が苦しい思いをするなら、獣医の方が言う様に安楽死が良いのか、
それともこの子は、苦しくても自然死を望んでいるのか。
もう自分では、どうしたら良いのか分からず、霊能者の所に相談に来たと言うのです。
私も日本で犬を飼っていた時期もあったので、
いったいこんな時、犬はなんて言うんだろうと、
とても興味があったのを覚えています。
霊能者の方は、外に停めてあった飼い主の車に行き、
後部座席にいた彼女の愛犬のピットブルちゃんに挨拶すると、
さっそくピットブルちゃんの霊視を始めました。
すると、
ピットブルちゃんから、
飼い主への愛情と、今までの感謝の気持ちが溢れる程伝わってきたそうです。
特に自分を保護施設から引き取ってくれて、今は離れた大学で暮している長男には、
特別な感謝と愛情を示したと言います。
そして、最後に問題の安楽死の件についての霊視が始まりました。
はたして、ワンちゃんは、何と言うのでしょうか?
しばらくして、霊能者の言ったのは、
「この子は、生きていたい。と言っています。」
それから、
「2」という数字が見えますから、
多分、2ヵ月は生きるから。と言っているのでしょう。と言うのです。
この霊視の結果をうけ、
飼い主の方は当然安楽死は中止しました。
霊視はこれで終わりなのですが、
この話には、続きがありました。
飼い主いわく、愛犬のピットブルが、
「2ヵ月生きていたい。」と語ったのには、理由があったかもしれないと。
その後、霊能者の所にお礼と共に電話があったといいます。
それは霊能者の所で霊視を行なってから約2ヵ月が経とうとしていた時の事です。
もうこの頃には、食欲も無くほとんど体力も無かった様だといいます。
しかし、この時期、
丁度長男が毎年大学から夏休みで、実家に帰って来る日でした。
長男も両親からピットブルの様子を聞いていたので、
今年は少し心配になっていたと言います。
家に着くと、玄関のベルを鳴らすと同時に、ピットブルの名前を呼びました。
すると、その長男の声に反応したのか、
もう立つ事も出来なかったピットブルが、足を振るえさせながら、立ち上がったそうです。
そして、3歩、4歩、長男の方に歩み寄ったのです。
それを見た長男さんは、「おお、元気じゃないか!」と安心した顔をして、
ピットブルの頭を撫でてあげました。
そして、最近は何も食べなかったのに、長男が差し出したエサを食べたのです。
家族は、きっと長男が帰って来たから元気を取り戻したんだと喜びました。
しかし翌朝、ピットブルちゃんは冷たくなっていたそうです。
最後の最後、
自分を拾ってくれたお兄ちゃんにお礼が言いたかったのかもしれません。
END
参考:http://www.nydailynews.com/news/national/hero-pit-bull-saves-8-year-old-boy-deadly-bee-attack-article-1.1923630
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2738546/Pit-bull-saves-boy-attacking-bees-dragging-hill-trousers-stung-24-times.html
http://www.kptv.com/story/26389546/only-on-12-pit-bull-hailed-a-hero-after-saving-boy-from-bees
