●あるオタクの死
日本には、オタクという呼称がある。
この「オタク」という言葉は、1970年代からよく世間に使われ始めた言葉で、
元々は、東京の山の手言葉としては一般的で、「あなた」を意味していた。
例えば、「貴方様の家では、どうなさっているの?」と言うよりは、
「お宅様の家では、どうなさっているの?」と言っていた。
つまり、当初の使われ方としては、決して悪い言葉や気持ち悪い言葉では無かったのである。
むしろ、どちらかと言うと、その人への敬意を表す言葉に近かった。
当時の日本は、漫画ブーム。
1975年に始まったコミケ(コミックマーケット)では、
各故人が描いた同人誌も売りに出され、日本中からそれを買いに集まった。
そんな時、「貴方の書いた同人誌は凄いね!」というよりは、
「お宅の書いた同人誌は凄いね!」と言って、ある種尊敬の意味が含まれていた。
「貴方もこういうマンガ好きですか?」と言うよりも、
「お宅もこういうマンガ好きですか?」という方がより親密な感じをも与えてもいた。
ただ、たまに外部からコミケを訪れる人達や東京以外から来た人達にとって、
こういう「お宅」という言葉は、一種変わった印象を持ったかもしれない。
その中の1人の作家・中森明夫が、このコミケに行って、
この「お宅」という言葉を使っているのを聞いて、
「中学生ぐらいのガキがコミケとかアニメ大会とかで友達に、
「おたくら さぁ」なんて呼びかけてるのってキモイと思わない」などとコラムに書き、
こういうネクラマニア少年達を『おたく』と名づける。と投稿したのである。
その後、このコラムに対して、編集部に沢山の反発と抗議があり、連載は三回程で終了した。
今で言う所の炎上である。
しかし、その後、この「オタク」を落としめる事件が起きる。
それが宮崎勤が起こした東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件である。
(幼女4人を殺害したとして、2008年死刑が執行された。)
宮崎が逮捕された時、彼の部屋には沢山のビデオや雑誌がうずたかく積まれた映像が流れ、
連日連夜、宮崎がいわゆるオタクで、ロリコンやホラーマニアとして報道されたのである。
マスコミは「オタクは異常」という風に、世論を誘導していったと言ってもいい。
マスコミは「宮崎勤は変質者」だとし、
「彼の様なオタク達は、危険な犯罪を犯しやすい。」という風潮を作り上げたのだった。
それは魔女狩りにも似ていた。
ちょっとでもアニメを好きな人を見つけると、
「お前もオタクじゃないのか?」と追及されたりしたのである。
しかもこの時に始めて「オタク」という言葉を知った人が多く、
多くの人が、「オタク」=宮崎勤の様な引き籠りでロリコンな危険な人という
間違った印象を持ってしまったのである。
また、その直後「おたく評論家」を自称する宅八郎が芸能界に現われ、
まるで彼がオタクの代表かの様に取り上げられた事から、オタクはこんな風貌、
キモイなどという印象がより女性達や大人達に植えつけられた感があった。
しかし、現在は、
勇気を持ったアイドルが、自称オタクを宣言してくれたり、
鉄道オタクとか、AKBオタクなどとジャンル分けした総称にする事によって、
オタク差別は、消滅しつつある。
すみません。ちょっと前置きが長くなってしまいました。
さて、
オタクと言えば、豊富なコレクションです。
ある会社員は、毎月自分の給料の半分をアイドルグッズの購入に充てていると言います。
当然、部屋はアイドルグッズや好きなアニメキャラグッズだらけ。
それはそれで良いと思います。自分のお金ですから。
私の所に相談されるのは、
そんなオタクの方が、その豊富なコレクションを残して亡くなった時です。
「今まで娘が、一生懸命に集めたグッズをどうしたらいいのでしょうか?
捨てるには忍びないし、とっておくにも結構場所をとるし、
下手に捨てたり売っぱらって、娘に怨まれやしないか。」
と、こんな相談が寄せられる事があります。
私はこんな時、アメリカの霊能者から教わった事を思い出しながらアドバイスします。
それはある時、霊能者の所に娘さんを亡くしたというお母さんが来られました。
その時、色々な相談があったのですが、
その中の1つに、
「娘が残した大量の私物は、どうしたらいいでしょうか?」
という相談があったのです。
実は娘さん、大のカバンと靴のコレクターだったそうです。
気に入ったものは、1つは使い、1つは飾っておく用で箱も保存していたそうです。
そんな娘さんを霊視すると、娘さんはこんな事を言ったそうです。
「お母さん、今までどうもありがとう。
私のカバンと靴のコレクションは、
死後50日まででいいから、お母さんのアレンジで、
毎日違うバックと靴を、私の写真の前に飾ってくれると嬉しいわ。
その後は、棚の一番上にあるカバン2つと靴2つを除いた物は、妹にあげてもいいし、
売って処分してもいいからね。」
霊能者いわく、
死後50日は、亡くなった霊魂は自宅に居るという。
その間、毎日違うコレクションを写真の前に飾ってあげると喜ぶ霊は多いという。
そして、そんな多くコレクションの中から生前特に好きだった物を2・3点だけ残してあげれば、
残りは処分しても良いという霊は多いのだそうだ。
ちなみに、日本で言うと、
死後50日は、死後49日となり、
写真の前は、仏壇があれば仏壇の前となる。
個人的には私も以前、
鉄道模型マニアでコレクターだった息子さんを亡くされた方の相談を受けた時、
49日まで毎日、息子さんが好きそうな模型をどれか1つ選んで、
仏壇の前に飾ってあげて下さいとアドバイスした事があった。
その後、親御さんにどうしてもと頼まれて、秋葉原の鉄道模型販売の専門店に、
売りについていってあげた事がありました。
勿論、息子さんが生前大好きだった2・3台は残して。
今では居間に息子さんの写真と、その鉄道模型が飾ってあるといいます。
息子さんの思い出と共に・・・
END