●癒しの予言(いやしのよげん)
こういう仕事をしていると、
よく不思議な話が、相談者の方から飛び込んできます。
普通、「予言」と言えば、著名な霊能者が行なうものと相場は決まっていますが、
そんな予言めいた事を、ごく一般の主婦がしたかもしれないというのです。
相談の電話を頂いたのは、矢野ケイコさん(仮名)という
2人のお子さんのいる主婦の方でした。
お二人とも小学生の育ち盛りという事で、余りお金の余裕は無いとの事。
ちなみに、日本は子育てにもお金がかかりますよね。(教育費)
まず最初にお金がかかるのが、出産です。
●総合病院だと、約40万円
●私立病院だと、約50万円
だだし、貴方が健康保険に入っていれば、
健康保険から出産育児一時金が給付されます。
その額は、
●一児につき出産費用の42万円の金額が受け取れます。
●双子の場合は、その2倍。三つ子の場合はその3倍の126万円もらえるという事になります。
●ただし、22週に達していない出産や、利用する産院が産科医療補償制度に加入していない場合、
自宅など医療機関では無い所での出産の場合、一児につき出産費用の39万円の金額が受け取れます。
意外と知られていないのは、
●海外で出産した場合も、申告すれば、
一児につき出産費用の39万円の金額が受け取れる事です。
また、児童手当が、月15000円受け取れます。
次にかかってくるのは、保育園でしょうか。(0歳児~2歳位)
意外かもしれませんが、保育園の入園料は、貴方の家の収入によって違います。
平均で言うと、
●認可保育園の保育料は、月約3万円。
●無認可保育園の保育料は、月約5万円。
ただし、同じ世帯から2人以上の子どもが保育園を利用する場合、
貴方がお住まいの自治体によって、保育料負担軽減措置があり、
2人目が半額、3人目以降は無料となる事があるので問い合わせてみましょう。
また、児童手当が、月15000円受け取れます。
その次にかかってくるのが幼稚園でしょう。
●公立幼稚園なら、 年約23万円
●私立の幼稚園なら、年約52万円
ただし、児童手当が、月10000円受け取れる。(3子以降は15000円)
その次が、小学校です。
●公立の小学校で、年約31万円
●私立の小学校で、年約140万円
ただし、児童手当が、月10000円受け取れる。(3子以降は15000円)
その次が、中学校です。
●公立の中学校で、年約46万円。
●私立の中学校で、年約125万円。
ただし、児童手当が、月10000円受け取れる。
その次が、高校です。
●公立の高等学校で、年約52万円。
●私立の高等学校で、年約100万円。
ただし、年収約910万円以下の世帯なら、自治体に申し込めば、
高等学校等就学支援金が全日制の高等学校なら月9900円が支給される。
また、年収が約590万円未満の家庭なら、自治体によっては、申し込めば、
私立高等学校等生徒学費補助金が適用され、年額12万円が支給される。
そして、最後が大学です。
大学の場合、まず入学金を払う必要があります。
●国立大学の入学金は、 約28万円。
●公立大学(地元)の入学金は、 約23万円。
●公立大学(地元じゃない)の入学金は、約40万円。
●私立大学(文系)の入学金は、 約25万円。
●私立大学(理系)の入学金は、 約27万円。
●私立の短期大学の入学金は、 約25万円。
●私立の医学部の入学金は、 約104万円。
そして、大学の授業料は年額、
●国立大学は、 約54万円。
●公立大学(地元)は、 約54万円。
●公立大学(地元じゃない)は、約54万円。
●私立大学(文系)は、 約74万円。
●私立大学(理系)は、 約104万円。
●私立の短期大学は、 約70万円。
●私立の医学部は、 約280万円。
ただし、大学によって良い奨学金制度があり、無料になったり、一部免除されたり、
お金を借りられたりするので、下記で貴方が目指す大学にある奨学金制度を調べて見ましょう。
https://manabi.benesse.ne.jp/parent/okane/06/
トータルすると随分かかるものです。
ご両親に感謝ですよね。
さて、随分話が逸れてしまいましたので、元に戻しましょう。
相談の電話を頂いたのは、矢野ケイコさんという
2人の小学生のお子さんがいる主婦の方でした。
女性の場合、一旦嫁ぐとどうしても子育てもあり、
夫の実家には正月とかお盆とかに行きますが、
自分の実家は長男に任せっきりになっていて、ご無沙汰な方も多いかと思います。
彼女の場合も、都内に住んで居ると、夫の実家は近いので年2回は行くものの、
自分の実家がある静岡には、正月も電話での挨拶で済ませる事が多いといいます。
実家では、彼女の71歳になるお母さんが1人暮らししているそうです。
そんなある夏の日、
夫が1週間出張する事になり、それならばと、
夏休みを利用して、子供達とケイコさんの実家がある静岡に帰って、
お母さんを温泉にでも連れてってあげてはどうかと、夫が言ってくれたそうです。
子供達は大喜び。お母さんに電話すると、
「温泉なんていいのに。」と言いながらも喜んでいる様子。
話しはトントン拍子に進み、出発は2週間後で、
夫が出張に出た後、すぐに家を出る事になりました。
さっそく図書館に行って、静岡にある温泉の本を借りて来て、
子供達とどの温泉に行こうかという楽しい時間が始まったといいます。
やがて、候補を3つに絞り、その中で、お母さんに選んでもらいました。
ところが、温泉地も決まり、予約もし終わった翌日の事です。
私が台所で皿洗いをした後、2階で洗濯物を干していると、
どこからか、「温泉は中止。」という声が聞こえるのです。
始めは、偶然誰か近所の人が言った言葉を拾ったのかと思っていたのですが、
違いました。
翌日も、今度はリビングで食後テレビを見ていた時に、
「温泉は中止。」という声がまた聞こえたのです。
それは、まるで私の頭の中に誰かが直接声をかけているかの様でした。
既に温泉宿には予約を入れてあります。
そしてあと6日後には、実家に帰る予定なのに、
「温泉は中止。」とはどういう意味なのでしょうか。
私の空耳なのか、それとも私の勝手な空想が言葉になったのか。分かりませんでした。
もしかしたら、台風が来て中止になるのかしらとも思い、
天気予報を調べたのですが、台風が来る様子はありません。
しかし、それからも食事を作っている時も、掃除をしている時も、
あの「温泉は中止。」という言葉が頭をよぎり、何かソワソワしていました。
やがて、実家に帰る前日がやってきました。
子供の衣類など詰めて用意していた時です。
兄から電話が来たのです。
母さんが、「くも膜下出血で病院に運ばれた。」と。
助かりませんでした。
勿論、温泉は中止となったのです。
奇しくも彼女が1週間前に聞いたという「温泉は中止。」という予言は、
お母さんの死という形で、当たってしまったのである。
彼女は私に、
「私は、母の死を予言した事になるのでしょうか?」と尋ねて来た。
私はそれに答える前に、彼女にこんな事を質問した。
「今まで、そういう事や、何かを予言出来た事はありますか?」
彼女は無いと言う。
今までそんな経験は無く、初めてだったそうだ。
それを聞いた上で、私は答えた。
「私の経験上言わせてもらうと、
貴方が聞いた声は、癒しの予言です。」
「多分、お母様の死は、もう決まっていた事なのでしょう。
そもそも貴方が実家に帰ろうとした事も、偶然では無かったのです。」
[貴方は「温泉は中止。」という声を聞いて、どう思いましたか?]
実は、彼女は「温泉は中止。」という声を聞いた時、
最初は台風が来て中止になるのかとも考えたが、
もしかしたら、母になにかあって中止になるではという不安も頭をよぎったという。
しかし、そんな不吉なと思い、すぐに忘れるよう打ち消したのだ。
だから、お兄さんから電話で、母が倒れた知らせを聞いた時、
「ああ、やっぱり。」と思ったそうだ。
逆の言い方をすれば、
もし「温泉は中止。」という声を聞いていなければ、
お兄さんから電話を貰った時、もっとショックを受けていたに違いない。
彼女は血圧が高めだという事なので、その面でも良く無かったかもしれない。
そう考えると、「温泉は中止。」という声は、
彼女に知らない間に、ショックを和らげる覚悟をさせたのである。
私は思う。
「温泉は中止。」という言葉は彼女自身が予言したのではなく、
誰か、彼女を愛する者が、
彼女がショックを受けない様にと「癒しの予言」を与えたのだ。
「大好きなお母さんが、急に亡くなっても、強いショックを受けない様に。」と、
事前に知った癒しの予言が、
お母様が死んだ事によるケイコさんの悲しみを少なからずも癒していたのだ。
彼女は最後に、こう言った。
「せめて、お母さんを温泉に連れてってあげたかったのに・・・」
それが残念だと。
しかし、私は思う。
それもお母様の最後の愛情かもしれない。と。
「ありがとう。ケイコ。
母さん、その気持ちだけで嬉しいの。
大切なお金は、子供達に使いなさい。
子供達と幸せになるのよ。」
END