●娘にだけ聞こえる歌

「最近、家に居ると、

　５歳になる娘にだけ、なぜか歌が聞こえてくると言うんです。」と、

あるお母さんから霊能者の所に、奇妙な相談が持ち込まれた事があった。

私がアメリカに留学中での話である。

お母さんいわく、娘の話から、どうやらその歌は、

「Preposition Song 」らしいという事が分かったと言う。

しかし、なぜ娘にだけ、そんな歌が聞こえるのか？

どうして、娘にそんな歌が聞こえ始めたのか？

先週、再び娘が

「また歌が聞こえるよ。」と言ったので、耳を澄ませてみた。

しかし、私も夫も、その場に居たのだが、何も聞こえ無い。

もしかしたら、娘は私達にウソをついているのでしょうか？

それとも本当に娘だけに、歌が聞こえてくるのか？

もし歌が聞こえてくるのなら、それはなぜなのか？

そんな疑問を抱いて、彼女は霊能者の所の相談に来られました。

ちなみに、「Preposition Song 」とは、個々の学校にもよるらしいが、

アメリカの子供達が、国語の時間に、

英語の前置詞の種類を覚える為に暗記する歌だという。

こんな歌だ。（５８秒）

https://www.youtube.com/watch?v=pt_QFqkeMB0

下の前置詞だけを次々言って歌にしたものである。
about, above, across, after, against, along, among, around, at, before,
behind, below, beneath, beside, besides, between, beyond, but, by,
concerning, down, during, except, for, from, inside等。

さっそく霊視が始まった。

はたして、娘さんには本当に歌が聞こえているのか？

もし聞こえるなら、なぜ？　何の為に？　

そして、誰が？

霊視を始めてしばらくすると、

チャーリーという男の子が現れたと言う。

お母さんに、チャーリーという男の子を知っていますか？と聞くと、

半年前に亡くなった息子だと言う。

実は、息子さん（チャーリー）は、半年前に小児ガンで亡くなっていたのだ。

霊能者いわく、

娘さんに歌を歌って聞かせているのは、そのチャーリー、

娘さんにとっては亡きお兄ちゃんだと言う。

現れたチャーリーいわく、

ボクは小さい頃から、病院を行ったり来たりで、

ママやパパに迷惑かけてばかりで、妹にもお兄ちゃんらしき事なんて何一つ出来なかった。

学校にも満足に行けなかったから、勉強も出来なかった。

だから、ママやパパからは、一度も誉められた事なんて無かった。

でもね。

ボク、時間だけはあったから、

「Preposition Song 」だけはベッドの中で、何度も何度も、

一生懸命練習して歌える様になったんだ。

そう言うと、霊能者の方にも歌って聞かせたと言う。

ホントは、妹が最後にお見舞いに来た時に歌って聞かせるつもだったんだけど、

その時にはもう苦しくて、声が出なかったんだ。

霊能者いわく、

チャーリーは、妹は今の内この歌を覚えれば、きっとママやパパから誉められるから、

歌って聞かせてあげているのだと言う。

ボクはダメなお兄ちゃんだったから、

妹にしてあげられるのは、こんな事ぐらいしか無いんだ。　ごめんよ。

最後に霊能者は、お母さんにこうアドバイスしたという。

「どうか、お母さん、

　たった一度だけでいいですから、

　息子さんの写真の前で、息子さんを誉めてやってあげて下さい。

　なんでもいいんです。

　よく覚えたね。でも、よく上手く歌える様になったね。とかでも。」

「チャーリー、

　ああ、私のチャーリー

　お前は私の宝だったのよ。

　妹の為に歌を覚えて、本当にお前は最高の兄ちゃんだよ。　　偉いよ。

　ありがとう。チャーリー。

　私の誇りだよ。チャーリー。愛してる。」

その後、妹さんが、完璧に歌える様になると、

歌声は自然と聞こえなくなっていったと言う。

ＥＮＤ