●馬子にも衣装
「馬子にも衣装」という諺(ことわざ)があります。
これは昔、武家屋敷などで、馬の世話をする下働きの人を、馬子(まご)と呼んでいたのですが、
そんな低い身分の人でも羽織袴を着れば、立派に見えた事から、
「馬子にも衣装」という諺が出来ました。
つまり、
どんな人でも身なりを整えれば立派に見える。という意味です。
たまに、間違えて「孫にも衣装」と勘違いしている人がいて、
孫はどんな服を着てもかわいい。という意味だと思ってた。
と周りに大笑いされる人がいます。
さて、
皆さんは、ピットブルという犬をご存知でしょうか?
正確な名前は、アメリカン・ピット・ブル・テリアといい、
イギリスからアメリカに輸入された闘犬用の犬に、ブルドッグとマスティフを掛け合わせ、
より強い闘犬に生れ変わった品種とされます。
現在アメリカでは、1900年以降ほぼ闘犬は禁止されているのですが、
唯一、ワイオミング州だけでは禁止されていません。
それでも時々禁止されている地域で闘犬が隠れて賭けの対象として行われていて、
摘発される事もあります。
闘犬が禁止になったのは、その残酷性からです。
闘犬は主に地下で行われ、デスマッチ形式で、どちらかの犬が死ぬまで戦わせます。
もしくは、相手の飼い主に謝らない限り試合は続行され、
使い物にならなくなった犬は、飼い主によって虐殺されることが多いのです。
ある1年間に試合で亡くなったピットブルは、1500頭だったそうです。
アメリカに観光に訪れ、たまたま行われていた闇の闘犬のショーを見た日本人観光客が、
闘犬を観戦したという罪で罰金4000ドルを払ったという事件もあったそうです。
アメリカではワイオミング州以外での闘犬は、見るだけでも重犯罪となるので注意して下さい。
そんな闘犬のイメージが色濃くあるピットブルは、危険だとされ、
例え安全に育てられたピットブルでも、なかなか引き取り手が無く、
アメリカで殺処分される60%以上がピットブルだということです。
闘犬として、育てられたピットブルは、
もはや闘犬として死んでいくか、
動物シェルターで、安楽死させられるかのどちかの選択しか無いのが現状ですが、
本来、普通に育てられたピットブルは、
とっても人間に忠実で、忍耐強く、子供の遊び相手にも良い子だといいます。
実際ピットブル愛好家の中には、マーク・トウェイン、トーマス・エジソン、
セオドア・ルーズベルト大統領、ヘレン・ケラーなどがいるそうです。
日本の土佐犬や秋田犬の一部の仲間にも、過去に闘犬だった時代がありました。
でも、本当はみんな心優しい犬なのです。
秋田犬は、実話の「忠犬ハチ公」の様に、とても飼い主に従順なワンちゃんです。
だから、普通に家庭犬として育てられたピットブルは、飼い主に忠実で、
よく言う事を聞いてくれ、飼い主に褒められるのが大好きな可愛い子なのです。
ところが、闘犬というイメージが強く、人々に敬遠され、
里親を探す譲渡会を開催しても、ピットブルちゃんが引き取られるのは、希で、
600頭いたら、なんとか1頭が引き取られ幸せになるというのが現状だそうです。
残りのピットブルちゃん達は、危険じゃないのに殺処分されるのです。
そんな現状の中、1匹でもいいから、ピットブルを助けようと、
1人の女性が立ちあがった。
フランス人フォトグラファーのSophie Gamandさんである。
一匹でも多くのピットブルを救いたい。
彼女はそう考えた時、自分に出来る事は何かと考えたという。
自分に出来る事。
自分には写真を撮る事ぐらいしか出来ない。
でも、もしかしたら・・・・
そう思った彼女は、引き取り手の無い犬達の写真を撮り始めたという。
もっと可愛く、もっと綺麗に。
すると、奇跡が・・・・・・
譲渡会に行っても、何年も引き取り手の無かったワンちゃんが、
彼女が写真を撮ると、一発で引き取りたいという里親が名乗り出たという。
その後も、彼女は無料でアニマルシェルターに自分の写真を提供し、
多くのピットブルを助け、実に600匹以上のピットブル達を、殺処分から救い、
新たな家族の元に送り届けたのである。
彼女は言います。
「私はある日、犬達を必死に助けようとしている人達を見かけたのです。
その時、私も何かしなければ、と思ったのです。」
下が彼女が撮ったピットブルちゃん達である。
もし、犬ちゃん、猫ちゃんが何年も譲渡会に出しても引き取り手が無いという時、
愛をこめて、その子に少しだけ着飾った姿の写真を撮ってみてはどうでしょうか。
その子が幸せな家に嫁げます様に・・・・・
END
参考:https://catfish777.com/cange-pitbull5/
https://tabi-labo.com/242197/pit-bull-flower-power





