●母の日が嫌い。

 

 


日頃の母への感謝を表す日が、母の日である。

 

 

日本では母の日を特定の日にちに決めていない。

 

 

五月の第二日曜日になっていて、今年は5月13日で、去年は5月14日だった。

 

 

この様にその年によって祝う日が違う祝日を、移動祝日と言う。

 

 

ちなみに、日本の様に5月の第二日曜日が母の日なのは、アメリカ

 

 

オーストラリア、イタリア、フィンランド、トルコ、デンマーク、ベルギーである。

 

 

5月の第一日曜日が母の日なのは、スペインハンガリー。

 

 

5月の最後の日曜日が母の日なのは、フランススウェーデンである。

 

 

ちなみに、お隣の韓国は、5月の8日が父母の日として、父の日と母の日を一緒に祝う。

 

 

イギリスではイースター・サンデーの2週間前の日曜日が母の日とされている。

 

 

この様に、国によって多少日にちが違う母の日であるが、

 

 

母親を愛し、感謝する日。というのに違いは無い。

 

 

 

 

そんな母の日だが、

 

 

占いの仕事をしていると、「母の日」が嫌いだという方に出会う事がある。

 

 

特に印象に残っている2人の相談者の事を今日は書いてみたい。

 

 


最初の方は、大学生の女性だった。

 

 

彼女は高校生の時に、母親を病気で亡くし、

 

 

それ以来、「母の日」が嫌いだという。

 

 

周りの子が、カーネーションを買って家に帰り、母親にあげる姿をみると、

 

 

自分にはあげる人が居ないとあらためて思い、悲しくなるという。

 

 

母の日が近くなり、スーパーや花屋の前を通った時、

 

 

カーネーションが売っているのを見ると、目をそらし、見ない様にするという。

 

 

つまり、彼女は母の日だけ無く、カーネーションも嫌いになっていたのである。

 


もし、貴方だったら、そんな彼女になんと言ってあげますか?

 

 

 

 

 

 

私がまず彼女に言ったのが、

 

 

貴方の母親は確かに病気で亡くなったかもしれませんが、

 

 

お母様の魂は、いつも貴方の事を見守っていて、居なくなった訳ではありませんよ。

 

 

それに、

 

 

母の日って、最初はアメリカなんですが、

 

 

母親を亡くした娘のアンナが、亡き母親を偲んで、日曜学校で、

 

 

母への想いといつまでも忘れないという思いで、

 

 

母親が好きだった白いカーネーションを供えたのが始まりだったんです。

 

 

そんなアンナの母親への想いに感動した周りの人達が、自分の母親にも感謝を込めて、

 

 

カーネーションを贈ったのです。それがアメリカ中に広まったのです。

 

 


つまり、最初は貴方の様に、母親を亡くした人が始めた事なんですよ。

 

 

だから、天国で貴方を見守っているお母さんに、花を贈ってあげてはどうですか。

 

 

それから、白いカーネーションは、アンナのお母様が好きな花だったからで、

 

 

花は貴方のお母さん好きだった花で、いいんですよ。

 

 

 

 


翌年から、

 

彼女は母の日に仏壇に新しい花を買って来て飾る様になったという。

 

 

 

 

 

もう一つの「母の日」が嫌いだという方の事情はやや深刻で、根が深いものだった。

 

 

そして、そんな彼女が私にしてくれた話は、とても不思議な現象だったのです。

 

 

 


ある時、電話相談の時に相談者の奥さんから、

 

 

「こんな不思議な体験をしたんですけど、

 

 先生は、どう思われますか?」と、

 

 

彼女が体験した不思議な話を聞かされた。

 

 

 

 

当時彼女は、

 

 

3歳になる長男と、小学生2年になる娘さんの子育てに追われていたという。

 

 

娘さんはとても責任感が強く、いつも長男の世話を積極的にやってくれていた。

 

 

皿洗いやお使いも手伝ってくれる、とても良い子だったという。

 

 

そんな彼女に悲劇が起きた日こそが、母の日だった。

 

 

 


その日、買い物を終えて、家に着くと、

 

 

娘が買い忘れた物があったと、もう一度スーパーに一人で戻ったのである。

 

 

それが娘と会話した最後だった。

 

 

 

 

娘はスーパーの帰り、交通事故に遭い亡くなったのである。

 

 

事故現場には娘が買ったと思われるカーネーションと領収書があったという。

 

 

その時以来、彼女は母の日が嫌いになった。

 

 

娘の命を奪った母の日が嫌いになった。

 

 

 

 


翌年の母の日、テレビで母の日の事をやっていると、チャンネルを回した。

 

 

それでも否応無しに、娘を奪った母の日のニュースや広告が、

 

 

常に世の中に溢れ目に入った。

 

 

本来なら、嬉しいはずの息子が書いてくれた母の日の似顔絵も、

 

 

逆に亡き娘を思い出し、見ても嬉しく無かったと言う。

 

 

その翌年も、世の中は母の日の2週間前から母の日特集で賑わい、

 

 

彼女を悲しませたという。

 

 

彼女にとって、母の日は同時に娘の命日でもあったのだ。

 

 

 

 

ところが、娘さんが亡くなってから3年目の母の日の事だった。

 

 

彼女は一人でスーパーに買い物に行き、駐車場で荷物を車に入れた時だったという。

 

 

彼女の後ろから、「おばさん。」という声がする。

 

 

 


振り向くと、小学2年生位の女の子がいる。

 

 

「なあに?」と聞くと、

 

 

女の子は、「これ、あげる。」と、

 

 

ピンクのカーネーションを彼女に差し出したと言う。

 

 

「えっ、なんで私に・・・」と言うと、女の子は、

 

 

 


分かんない。

 

 でも、貴方にあげないといけない気がするの。」と言うと、

 

 

彼女の手に無理やりカーネーションを握らすと、その場を去っていったという。

 

 

 


つまり、彼女にとって見ず知らずの女の子が、

 

 

彼女に母の日のカーネーションをくれたというのである。

 

 

 

 


そして翌年からは、なぜか息子が母の日にカーネーションをくれる様になったという。

 

 

 


私はその話を聞いて、

 

 

「貴方にカーネーションをくれた女の子、

 

 貴方の娘さんの魂が、その女の子を使って貴方にカーネーションをあげたんですね。

 

 貴方の娘さん、とっても責任感がある子だったんですね。

 

 あの日渡せなかったカーネーションを、どうしても渡したかったんでしょうね。

 

 貴方に渡せなかった事で、お母さんが毎年悲しい母の日になっているのが、

 

 悲しかったんだと思います。」

 

 

 

 

 

 

もし、貴方の大切な人が亡くなった後、

 

 

誰か関係が無い人が

 

 

大切な人が生前やろうとしていた事を、貴方にしたなら、

 

 

それはもしかしたら、

 

 

天国から貴方の大切な人が、その人を使ってやらせているのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

今でも、貴方を愛していますよ。というメッセージと共に。

 

END