●いずれ倒産する社長
人を助けると、それが自分の未来に関わってくる事がある。
それを学んだのも、私がアメリカに居る時でした。
ある時、霊能者の所に若い女性が鑑定にみえました。
健康運と恋愛運について診てもらいたいという内容でした。
一見どこにでもある様な相談内容でしたが、
そこには、興味深い内容が含まれていたのです。
彼女は、普段から心臓付近が時々痛くなるという不安を抱えていました。
ところが、医者に行ってもどこも悪い所はいつも発見されません。
でも、痛みは事実です。
彼女はきっとどこか悪い所があって、自分は将来重い病気になるのでは。
という不安を抱えていました。
また、出会いが無く、将来結婚出来るか不安だと思い、占いに来たのだと言いました。
さっそく霊視が始まりました。
最初に現われたのは、彼女の母方のお祖母さんでした。
亡きお祖母さんは、「胸の痛みは、大した事にはならない。気にしないでいい。」
「また、結婚も2年後には出来るから、心配しなくてもいい。流れに任せなさい。」
と言って、居なくなったといいます。
ところが、しばらく経ってから、
亡きお祖母さんは、一人の黒人の女性を連れて戻って来たといいます。
その女性は、昔、相談者の方に息子の命を助けられたのだと言い、
現われると、こんな事を言ったのでした。
「1年後に、貴方は会社を経営している独身の男性と知り合います。
しかし、その会社はいずれ倒産します。」
それだけ言うと、消えたといいます。
占いはそれで終了しました。
終了後、相談者の方に、息子の命を助けられたという黒人女性の事を聞くと、
確かにそれらしい思い出はあるといいます。
それはまだ彼女が若かった看護婦時代の頃、
溺れていた男の子を心臓マッサージで助けた事があったそうです。
その時、その男の子の母親は、
「貴方の事は一生忘れない。ありがとう。」と語ったそうです。
その人が出て来たのかは分かりませんが、実際にそういう体験があったのは事実だそうです。
ただ、残念な事に、その後彼女がどうなったのかは、分かりません。
実際に2年後に結婚したのか、それは知り合った社長なのか、どうなのか。
ただ、この時に私が学んだ事が2つあります。
その1つは、他人であっても恩が有った人の所に来る事があると言う事。
そして、予言の様なお礼をしてくれる事があるという事。
そして、もう1つは、私の失言から霊能者の方に注意されたのですが、
私は先の霊視結果から、こんな失言をしていました。
それは、
「でも、良かったじゃないですか。
知り合った社長と結婚すると、その後倒産して不幸になるのが分かったから、
回避出来ますよね。」
すると、霊能者の方が私をいさめたのです。
「ポール、会社が倒産するから不幸になるとは限らないのよ。
例え社長さんであっても、いずれは社長でなくなるし、
例えサッカー選手で日本代表でも、いずれサッカーの選手ではなくなるし、
例え今売れている歌手であっても、いずれ売れない歌手になる。
大切なのは、その人が肩書が取れても、愛せる人かという事なの。
会社が倒産と分かっても、その人を愛せるなら、結婚すればいいの。
根本に愛があれば、貧乏になっても二人でまた這い上がっていけるの。
むしろ、そんな人生の方が、素敵だと思わない?」
END