●意識不明
今日は何を書こうかと、最近のニュースを見ていると、
1月23日に噴火した群馬県の草津白根山で、被災した訓練中の自衛隊員が、
大怪我で意識不明の状態で搬送され、懸命の治療の結果、緊急手術の結果、
意識を取り戻し、筆談ができるまで回復したという。
そして妻と、「助かったよ。」
「頑張ったね。」と涙ながらに喜び合ったと言う。
意識不明の状態は、あとは本人の魂の行先によっている状態である。
本人の魂が霊界に行けば死に、この世に戻ってくれば生き返る。
よく意識不明の人を助けるにはどうしたらいいですか?と聞かれる事があるが、
まずは、その人の側に寄り添って、親しい人が声をかけてあげる事である。
「死なないで、」「戻っておいで」「お母さん!」など何でもよい。愛さえあれば。
ただ、ずっと話しているのも大変だ。
お見舞いに来た人も人間だ。トイレに行けば、食事もするし、睡眠もとる。
声をかけれない時は、意識不明な人が好きだった音楽をかけると良い。
大部屋ならイヤホンで聞かせてあげると良い。
声掛けには劣るが、効果はあるはずである。
あと、可能なら、亡くなった女性のご先祖の1人の写真を飾って、お願いする事である。
そう言えば、意識不明では、かつてこんな電話相談を頂いた事もある。
OLの方からの相談だったのだが、
彼女のお父様が、病気で長期入院されていたのだが、
先週から意識不明の状態になっていると言う。
ところが今朝、母親から電話が来て、お医者さんが、
「お父さんは、一両日が峠だろう。」と話したという。
彼女が、お母さんに、「これから会社に電話して、私もすぐ行くから。」と言うと、
お母さんは、「わざわざこっちに来ても、意識不明の状態だから、
来てもしょうがないから、会社に行きなさい。」と言われたという。
彼女は仕方なく、会社に出社したのだが、
やはり気になって、昼休みに私に電話相談してきたのである。
「母にはそう言われたのですが、本当はどうしたらいいでしょうか?」と。
もし、貴方が相談されたら、どう返答しますか?
少し考えてから、先にお進み下さい。
ちなみに、余談ですが、
「一両日」という言葉は、「両」という漢字が入っているので、
「一日か二日」という意味になります。
つまり、「お父さんは、一両日が峠だろう。」と言われれば、
「お父さんは、この一日か二日が峠だろう。」と言う意味と同じになります。
ただ、「一両日」という言い方には、言った人のアバウトな感覚が含まれ、
「一日か二日」という意味は変わらないのだが、
その「一日か二日」が、「今日か明日」なのか「明日か明後日」なのか、
両方の意味があるのです。
つまり、「一両日中に、ご返事ください。」と言われたら、
短気な人であれば、「明日までに、ご返事下さい。」という意味になり、
呑気な人であれば、「明後日まで、ご返事下さい。」という意味になる。
さて、話がやや脱線したので、元に戻しましょう。
お父様が先週から意識不明で、今朝母親から「お父さんは、一両日が峠だろう。」
と聞かされたのだが、「母親は来なくてもいいと言う。」
「母にはそう言われたのですが、本当はどうしたらいいでしょうか?」という電話相談。
まぁ、私の答えは、
「すぐにお父様のお見舞いに行ってあげなさい。」である。
意識不明だけなら、お母様の言う通り行かなくてもいいのだが、
意識不明でも、この一両日が峠なら話は違ってくる。
娘がお見舞いに行って、声をかけたり、手を握ったりすれば、
峠を越えられるかもしれないし、万が一亡くなっても、死に目に会える事になる。
一見、意識不明の人に寄り添ってもムダな様な気がするでしょう。
何の反応も無いし・・・
でも、違います。
意識不明であっても、
貴方が病室に来てくれた事が分かりますし、
貴方が、言う事もちゃんと聞いています。
そして、貴方が自分の近くに居るという感覚もあるのです。
彼女は、私との電話を終えると、すぐに会社を早退し、田舎に帰省したそうです。
そして、お父様を看取ったといいます。
お父様は、彼女は御見舞いに駆け付けた後も、ずっと意識不明で、
亡くなるまで、目を覚ます事は無かったそうです。
ただ、最後の日、不思議な事が起きたそうです。
彼女が、お父さんの手を握って、声をかけたり、話しかけたりしていると、
ホンの少しですが、お父さんの手が、
彼女の手を、握り返したと言うのです。
ホンの一瞬の出来事だったそうです。
でも、確かに父が、私の手を握り返した。と感じたと言う。
それ、お父様の最後の力を振り絞って伝えた貴方へのお礼だと思うな。
「ありがとな。
幸せになるんだぞ。」
END