●目標は、過去

 

 


先週だったか、

 

 

試験に遅れそうな大学生をパトカーが試験会場まで送ってくれたという。

 

 

まるでお隣韓国の話かと思いきや、日本の北海道の話である。

 

 

韓国では毎年ニュースで取り上げられる話だが、意外にも、大学入試センターによると、

 

 

過去のセンター試験で、パトカーが受験生を会場に送った例は、日本では初めてだという。

 

 

 

 

 

 


そんな毎年行われるセンター試験を初めとする試験の最中でも、

 

 

人知れず悩んでいる人達がいる。

 

 

 

 


それが、試験恐怖症である。

 

 

 

テスト恐怖症ともテスト不安とも言われるこの症状は、

 

 

試験が始まると、頭が真っ白になり、最悪試験中にめまいが襲って来たり、

 

 

吐き気をもよおして、普通なら楽勝な問題も出来なくなってしまうという。

 

 

そう言えば、去年見た韓国のドラマ、「キャリアを引く女」でも、

 

 

主演だったチェ・ジウさん(冬のソナタで有名に)が、

 

 

試験恐怖症で、何度も何度も司法試験に受からないという役柄だったのを思い出した。

 

 

 

 


そんな試験恐怖症の方には、こんな3つのアドバイスをしています。

 

 

 

■その1つは、慣れる事

 

人間どんな難しい仕事でも、慣れると人並みに出来る様になるものです。

 

また、慣れは自信でもあり、プレッシャーを跳ね返す事があるんです。

 

では、慣れとはどういう事をやればいいかと言うと、

 

●試験前は、試験と同じ問題をやる。

 

例えば、本番がマークシートなら、試験前日もマークシートだけをやる。

 

あらかじめこのマークシートをしようと用意しておきます。

 

●試験会場が決まったら、一度か2度そこに行ってみる。

 

可能なら会場に入って座ってみる。そして、そこでマークシートの問題をしてみる。

 

会場に入れないなら、その会場の図書館とかに入って

 

そこを試験会場だと思ってマークシートをやってみる。

 

 

 

 

■2つ目は、誰かに助けてもらう。

 

 

試験は独りでするもの。だから誰かに助けてもらうなんて、おかしい。と思うだろう。

 

でも、試験恐怖症になる人は、えてして勉強がある程度出来る人である。

 

つまり、勉強が出来ない人は試験恐怖症にはなりにくいという。

 

真面目で、親の期待を一身に集め、しっかり者。

 

そんないい子が、試験恐怖症になり本番で実力が発揮出来ないのである。

 

だから、試験恐怖症になる子は、良い子が多いのだ。

 

不良な子が、「オレ、試験恐怖症だったぜ。」なんて言っているのを聞いた事が無い。

 

だから私は、あえてこうアドバイスする。

 

「自分の実力では、この試験に合格するのは絶対無理だ思ってください。

 

 でも、当日試験会場に行く事さえ出来れば、

 

 あとは、貴方の亡きお祖父さんが助けてくれます。

 

 貴方は、会場に行くだけでいいです。

 

 答えは読んでいるとお祖父さんが教えてくれますよ。」

 


亡きお祖父さんや、亡きお父さんなどの亡くなった男性のご先祖の写真を、

 

1枚試験会場に持参して行きます。

 

そして、試験中はお願いしながらやるだけ。

 

こういう逆説的な言い回しや、考え方は時にプレッシャーを跳ね除けるものです。

 

 


皆さんは、ボクシング選手の村田諒太さんをご存知かと思いますが、

 

デイリースポーツより

 

 

彼が、ロンドンオリンピックに参加した時の事です。

 

 

彼は順調に勝ち進み、あと1つ勝てばメダル。という準々決勝の大舞台直前でした。

 

 

1年先輩で今までライバルとして切磋琢磨してきた清水聡選手が、

 

 

先に準々決勝を勝ち抜き、ボクシング競技で日本人として44年ぶりとなる

 

 

メダル獲得を確定して、日本中が湧きたっていたのです。

 

 

村田選手は、自分もメダルを取らねばと巨大なプレッシャーに襲われたと言います。

 

 

そんな時でした。

 

 

先輩、清水聡選手の一言が、村田選手のプレッシャーを取り除いたのです。

 

 

さて、清水選手は、

 

試合に向う村田選手に何という一言を言ったのでしょうか?

 

 


少しだけ考えてから、先にお進みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


清水選手は、試合に向う村田選手に、意外な一言を言います。

 

 

それは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「負けろよ。」

 

 

 


もし、近くにメディアがいたら、きっと清水選手を非難した記事を書いたでしょう。

 

 

なにしろ、自分はメダルを取ったのに、ライバルには負けろよ。と言ったのですから。

 

 

でも、清水選手の真意は違いました。

 

 

 


彼は自分がメダル確定した結果、日本にとって44年ぶりの快挙達成で、

 

 

きっと村田にも相当なプレッシャーがかかっているに違いない。

 

 

ここで、あいつに「お前も頑張れよ。」と声をかければ、

 

 

村田は、よりいっそうプレッシャーが増し、緊張するだろう。

 

 

だから、あえて自分が悪者になる逆説的な言い回しのエールを贈ったのである。

 

 

「負けろよ。」  

 

 

でも、心の中では、

 

 

「お前もメダル取って、一緒に日本に凱旋するんだ。 いいな。」

 

 


その後、村田選手は見事プレッシャーを跳ね除け、

 

 

オリンピック金メダルの快挙を成し遂げたのである。

 

 

 


のちに行なわれたテレビ会見では、

 

 

金メダルを取った村田選手よりも、銅メダルに終わった清水選手の方が、

 

 

嬉しそうだったのが、印象に残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな金メダルと取った村田選手だったが、

 

 

自宅には、それを予言する様な紙が、

 

 

彼が金メダルを取る遥か前から、貼ってあったと言う。

 

 

それは、

 

 

 

「オリンピックで金メダルを取れました。

 

 ありがとうございました。村田諒太。」

 


普通なら、紙に「めざせ!オリンピック金メダル。」とか、

 

 

目標、オリンピックの一番高い所。」などと書く所だが、

 

 

村田選手の場合、

 

 

すでに、目標が過去のものとなっていたのである。

 

 

金メダルを取る前から、取っていたのである。

 

 

つまり、目標が過去形になっていたのである。

 

 

その後、彼は審判の誤審問題などを乗り越え、

 

 

金メダリストは世界王者になれない。」というジンクスさえをも打ち破ったのである。

 

 

 

 


そう、私の最後のアドバイスは、

 

 

■目標で止まらず、目標さえも過去形にして、心はもっと先に置く事である。

 

 

この試験にパスしなければ、先が無いのではなく、

 

 

試験など人生のホンの一部分、合格など織り込み済み。

 

 


もう合格しているものなら、当然その試験の恐怖も半減するだろう。

 

 

 

 

 

 

試験合格。おめでとう。 自分。」


END