●一生分、甘えていいんだよ。
今日のお話で、今年最後になります。
1年間、読んで頂きどうもありがとうございました。
神社に行かれる方は、家にある2年以上過ぎたお守りやお札、
破魔矢や熊手など神社で1年限り有効の物を、
この年末年始のお焚き上げで、神様に返してあげてくださいね。
良い年末と、素敵な新年が、貴方に訪れます様に・・・。
さて、
今年の最後はどんなお話をしようかと考えてみました。
最後は意外な事がいいかな。と考えてみて、何か意外な事ってあるかな。と考えると、
占い師って、お金を頂戴して診ているので、
当然、お客様である相談者の方には、優しく接するのが普通です。
だから、私も相談者の方に対して怒鳴ったり、怒ったりはしないのですが、
でも思い返してみると、相談者の方に対して声を荒げてしまった事はありました。
ちょっとキツく言っちゃったかな。と。
今日はその時の事を書いてみます。
もう亡くなられたので、ここに書いても許してくれると思います。
ある年の12月。
康子さんという女性から、電話相談がありました。
彼女はまだ20代前半で、電話を頂いた時は、とても元気な声をしていました。
そんな康子さんの相談は、彼との結婚の事でした。
実は康子さん、この電話をもらう約1週間前に、
4年間付き合っていた彼氏からプロポーズされていたのです。
そんな彼氏は、康子さんよりも2歳年上のサラリーマンでした。
しかし、
康子さんは、彼からプロポーズされた2週間前に断っていたのです。
でも、彼氏は諦めずに、昨日再び康子さんにプロポーズしてきたと言うのです。
「どうしたら、いいでしょうか?」という相談でした。
なんか、ちょっと話が見えて来ません。
4年間お付き合いして、彼氏が2週間前にプロポーズ。
普通なら、OKなところを、彼女は断った。
しかし、昨日またその彼からプロポーズしてきた。と、こんな感じでしょうか。
「えっ、彼氏の事が嫌いになったの?」と聞いてしまいました。
すると、康子さんは「いえ、好きです。」と言う。
「えっ、じゃあ、なんでプロポーズ断ったの?」と聞くと、
彼女は、小さな声で、「迷惑になるから・・」と。
「なんで迷惑になると思うの?」と聞くと、
「わたし、余命6ヵ月なんです。」と言う。
ようやく話の本筋が見えてきました。
「なんで、余命6ヵ月だと分かるの?
お医者さんが告知してきたの?」と聞きました。
すると、彼女はこんな話をしてくれたのです。
彼女は会社の健康診断を受けたそうです。
すると、「要精密検査」という通知を受けったといいます。
それで大きな病院で検査すると、ガンだった事が分かり、すぐに手術したそうです。
彼氏や家族は、良かったねと言ってくれたのですが、
退院出来ずに、すぐに抗がん剤による治療が始まったという。
そんな入院中に、同部屋の方から、黄疸が出てるね。と言われて、
調べて見ると、余り良い事は出てなかったという。
そして、そんな時、彼氏が康子さんに「結婚しよう。」と、
プロポーズしてきたのだった。
実は、彼氏とは「もう少し仕事が慣れて、落ち着いたら結婚を考えように。」
と話していたという。
だから、彼女も結婚はまだ先だと思っていた矢先に、
彼氏から、急にプロポーズされたのだった。
女の勘で、彼氏の様子が普通じゃないと感じたという。
怖かったけど、彼氏に聞いた。
「私には、本当の事を教えて。
お願い。私にだけは絶対ウソは言わないでね。」と言って彼氏から聞き出したという。
すると、医者は康子さんの両親に余命6ヵ月を告知して、
康子さんの両親は、お付き合いしていた彼氏にその事を教えたのだという。
そんな事情があったのだ。
康子さんの彼氏は、そんな彼女の余命を聞いた後も、
きっと彼女をとても愛していたのだろう。
勇気を出して、プロポーズしたのだった。
そんなプロポーズを彼女は断ろうとして相談してきたのである。
しかし、それは表向きな相談だ。
私の経験上、本当にプロポーズを断りたいのなら、相談して来ない。
彼女は結婚したいけど、彼氏に迷惑をかけたくないという狭間に居るのだ。
彼女は一度彼に断ってしまったから。と言うが、
私は「貴方は、断っていないよ。」と断言した。
「あの時は、プロポーズと余命の話が同時に飛び込んで来たの。
貴方は余りにも余命の話が強烈過ぎて、そんな気持ちがなれなかっただけ。
もし、プロポーズだけだったら、きっと貴方は受けていたはず。でしょ?
だから、貴方は、断ってないの。」
さらに彼女は料理も出来ないし、彼氏に迷惑をかけるだけだと言う。
「料理なんか、少しずつ覚えればいいの。
それに仮に料理が出来なくても、
朝起きて、笑顔で行ってらっしゃい。
そして、帰って来たら、笑顔でお帰りなさい。って言ってあげれば、
それだけで、男なんてご機嫌で、元気がでるの。
貴方の笑顔が、美味しい料理と同じなんだよ。」
更に彼女は、彼氏が×いちになってしまうと言います。
こうして、何かと理由を見つけようとするのは、本当は結婚したからです。
私はそんな理由を1つづつ潰すだけでした。
「誰が、×いちになると言ったんですか?
貴方は余命6ヵ月と宣言されたと言いますが、
私は余命6ヵ月と宣言された人が、その後10年も生きているケースをいくつも知っています。
貴方だって、どんな奇跡が起きるか分かりませんよ。あきらめちゃダメ。」
(ちなみに現在で例をあげるなら、山下弘子さんという女性が、
19歳の時に余命半年と宣言されましたが、5年経った今でも元気にブログを書いています。
http://www.yamashitahiroko.com/)
最後に彼女は、「でも・・私なんか彼のお荷物になるだけだし。」と言う。
「男なんてね。お荷物が多少有った方が頑張れるの。
子供や奥さんの為にと思うと、頑張ろうって思うんだよ。
甘えていいの。彼氏に甘えていいんだよ。」
それでも、彼女は踏ん切りがつかないでいたみたいだったので、
私は少し声を荒げてしまった。
「もし、逆に彼氏が余命半年と告げられたら、
貴方、彼を見捨てるの?」
「絶対捨てません。」と彼女は即答した。
「そうでしょ。彼も同じなの。だから二人は愛し合っているの。
だから、彼が貴方と結婚したいという夢を叶えてあげて。
きっと、貴方の両親も、子供の花嫁姿を見たいと思うよ。
みんなを幸せにして、貴方も幸せになって。」
彼女はようやく決心した様で、プロポーズ受けてみますと言ってくれた。
その後、彼女は彼氏と結婚した。
「うんと、彼氏に甘えるんだよ。
一生分、甘えていいんだからね。」
https://www.youtube.com/watch?v=dkzJvtdgrOM
END