●4歳児は、悪魔か天使か
さて、今日は何を書こうかと、ニュースを見ると、
今年の流行語大賞のノミネートに、「うんこ漢字ドリル」が入ったと言う。
子供に大うけだというのである。
特に男の子は、大人が過度に反応する言葉を口にするのが好きだ。
うんこ、ババア、クソジジイ、デベソ、ブス。など、
一般に、魔の2歳児、悪魔の3歳児と呼ばれ、
自我が芽生える2歳児から、イヤイヤと何でも嫌がり始めお母さんを困らせます。
そして、3歳児になると今度は体力が出て来て、叩く、泣くが激しくなり、
悪魔の3歳児と呼ばれる事になる訳です。
そして、それらが収まりを見せ始め、天使の4歳児となります。
4歳になっても多少の反抗はありますが、3歳の時に比べたら、
天使に見えるという訳です。
でも、実際は4歳になっても、まだ悪魔の反抗期が続いていて、
悩んでいるというお母さんが少なくありません。
子供は4歳になると、多少言葉も覚え、口が達者となります。
男の子も女の子も、新しく耳にした言葉を実際に使いたがるのです。
その中でも、短い言葉で人が過度に反応するものは特に使いたがります。
だから「ババア!」って言って相手が急変すると、面白がって何回も言いたがるのです。
「クソジジイ!」って言われたら、
「なにぃ、このクソガキ!!」と応戦したくなりますよねぇ。
しかし、それでは子供の思うつぼであり、まるで4歳児同士の言い合いである。
たまに出会った子に言われたなら、まだ我慢できるが、
実の息子に毎日言われたら、親もたまらない。
実際に、こんな相談をしてきた母親もいた。
「うちの4歳の息子は、とにかく言葉がキツくて、「ババア、バカ、あほ」など、
ホントに悪魔かと思う時があります。」という。
でも、実際に写真を見せてもらうと、可愛い男の子である。
そこで、お母さんには、
「貴方のお子さんは、普通の子です。別に悪魔なんかじゃありませんよ。」
と言ってから、こう説明した。
4歳児が言っている言葉は、そんなに深い意味が込められている訳ではありません。
その言葉の響きが面白いから言っていたり、
大人やお母さんが、すぐに反応してくれるから言っていたりするのです。
だから、そんな言葉言っちゃダメ!と言っても、よけい言ったりします。
昔、その子が「どうして?」とか「なんで?」と聞いて来た時に、
つい忙しいからと、無視したり、「あとでね。」を連発していたりすると、
子供はより強い言葉でお母さんの気を引こうとします。
それが悪い言葉になっていく事がある訳です。
つまり、子供は親とコミュニケーションをとりたいが為に、悪い言葉を使い始めた所があります。
だから、その言葉によって、
お母さんを悲しませようとか、貶めようという訳では無いのです。
では、子供が暴言を吐く様になったら、どうしたらいいでしょうか?
私が彼女にアドバイスしたのは、
■まず、子供は親とのコミュニケーションを求めている裏返しですから、
子供と面と向かって、「ババアって良く無い言葉だから、言わない方がいいのよ。」
と、興奮せずに、冷静に説明してあげましょう。
■それでも、まだ言う様なら、
まず、その子が逆に言われると嫌な言葉を探します。
彼女の例で言うと、その子は「赤ちゃん」と言われるのが嫌いだそうなので、
もし、こんど「ババア」って言ったら、怒らず、冷静に振り返って、
「まだそんな良く無い言葉を言っているの。でもまだ赤ちゃんだからしょうがないわね。」
と言って、過度に反応しないで、さらっと許してあげる様にしてください。
すると、段々と汚い言葉を言わなくなったといいます。
上の例は、4歳児の男の子の例ですが、
4歳児の女の子の場合は、若干違ってきます。
女の子は、脳の言語分野の発達が男の子よりも速いので、
男の子がただ言葉のリズムが良いから、面白いから「バーカ」とか
「うんち」って言っているのに対して、女の子はそれほど悪い言葉は使いません。
バーカという言葉が相手に与える悲しみも理解していて言わなかったりします。
ただし、口達者になるので、親が思っている以上に口答えしてくる事があります。
例えば「早く食べてね。」と言うと、
「これはお父さんがお風呂から出たら一緒に食べるの。」など、4歳児とは思えない、
お前は大人かぁと、言ってしまいそうな返答をしたりします。
こんな時は、「いいから、早く食べなさい!」と怒ってしまいそうになりますが、
4歳児の女の子は、口達者な上に何にでも好奇心が芽生える時です。
だから、何でも命令したり、反対すると、反抗期がぶり返してしまいます。
ここは、やみくもに怒ったり、反対するのではなく、
もし、目の前の娘が、自分だったら、何と声をかけて欲しいかと考えてから、言いましょう。
という言うのは、
4歳の女の子は、お母さんがお手本になって鏡になっている事が多いのです。
多分、普段お母さんは、お父さんがお風呂から出たら一緒に食事をしているのでしょう。
だから、娘さんもそれを見ていて、自分もそうしたいと発言したのでしょう。
つまり、目の前にいるのは、小さい貴方だと思って言葉をかけてあげてください。
「じゃあ、それ食べ終わったら、お父さんと果物食べましょうね。」とか。
目の前の娘を、
小さい貴方だと思って接していれば、
きっと本当の、天使の4歳児になるはずですよ。
END