●男を豹変させる家

 

 

 


だいぶ昔の話になりますが、

 

 

一度だけ、雑誌アンアンに広告を載せた事があった。

 

 

他の占い雑誌に載せるよりも、3倍以上高かった記憶がある。

 

 

その代わり関東以外の方からの相談もあった。

 

 

 

 

 


その1つが、今日お話しする相談である。

 

 

 

 


それは遥か石川県からの相談だった。

 

 

大辺さん(仮名)という奥さんからの電話相談で、

 

 

2年ほど前に、現在の一軒家を購入して住んでいるという。

 

 

ご家族は、ご夫婦と長女と長男の4人家族。

 

 

 

 

 

彼女の悲劇の始まりは、現在の家に引越してからだと言う。

 

 

今から考えると、悲劇はここに引っ越してから1ヵ月経った時に、

 

 

愛犬のトイプードルが突然死んだのもおかしかったという。

 

 

それまで病気1つした事が無かった犬だったのだ。

 

 

 

 

 

 

そして次に長男の様子がおかしくなっていったという。

 

 

なにかと言うと兄妹喧嘩する様になり、しまいには妹だけにではなく、

 

 

母親にも手をあげる様になったという。

 

 

ここに引っ越して来る前は、兄妹は喧嘩一つした事が無い兄妹だった。

 

 

長男はとても大人しく親の言う事もよく聞く良い子だったという。

 

 

 

 


それが、ここに引越してから、急に乱暴になり、

 

 

家族にも暴力を振るう様になったのである。

 

 

そしてある日、父親と取っ組み合いの喧嘩になり、

 

 

話し合いにより、現在、会社の寮で独り暮らししているという。

 

 

 

 

ただ、彼女いわく、

 

 

時々、息子が暮らしている寮に、洗濯などしに寄る事があるらしいのだが、

 

 

独り暮らしして自立したのか、今は元の優しい子に戻っているのだという。

 

 

 

そして、以前暴力を振るったのは反省しているし、

 

 

自分でも何であんな事をしてしまったのか分からない。

 

 

出来れば、また家に帰りたいので父親に話してくれないかと相談されるのだという

 

 

しかし、家に帰って来てまた豹変してしまうのではないかと心配しているのと、

 

 

なりよりも、今度は父親が暴力を振るい始めた事は、息子には話していないという。

 

 

 

 

 

 

 

ここまでの話なら、わざわざ私に相談するまでも無いのだが、

 

 

彼女の問題は、ここからが深刻だった。

 

 

 

 

 

 

長男の暴力が治まってからさほど経たない内に、

 

 

今度はご主人が、急に口やかましくなり、手も出る様になったのだ。

 

 

それはまるで、長男の暴力のバトンが、父親に渡った様だったという。

 

 

長女は父親の事が怖いといい、離婚という言葉も口にする様になった。

 

 

この地に引越して来るまでは、主人は暴力は勿論、汚い口を聞いた事も無い人だった。

 

 

それが今では、料理はマズイと平気言ったり、

 

 

娘や私の髪を引っ張ったり、ビンタされる事もあるという。

 

 

穏やかだった人が、些細な事で怒る人に豹変してしまったのである。

 

 

 

 

 

さて、ここまでの話であれば、これは離婚問題であり、

 

 

占い師の出番では無いのが普通である。

 

 

しかし、彼女の気持ちを一変させる出来事があったのだ。

 

 

 

 

 


それは最近町内会の掃除で親しくなったというお隣さんと昼食をとった時だった。

 

 

つい、親しくなったお隣さんに離婚するかもしれないと漏らしてしまったという。

 

 

すると、お隣さんが、こんな事を言ったのである。

 

 

 

「もしかして、

 

 

 

 ご主人の暴力?」

 

 

 

 


ズバリだったので、少し驚いたという。

 

 

「うん。」

 

 

 

 

 


すると、お隣さんが、小さな声で、

 

 

 


やっぱり・・」と言ったのである。

 

 

 

 

「えっ、やっぱりって言った?

 

 

 えっ、どういう事?」

 

 

 

 

 

 

お隣さんいわく、

 

彼女達はここに引っ越して来てもう10年になるそうだが、

 

 

彼女達が引っ越して来た3ヶ月後には、

 

 

隣の家、つまり大辺さんが今住んで居る家の住人が、引越して出て行かれたと言う。

 

 

近所の噂では、理由は分からないが、奥さんが子供と出て行ってしまったらしかった。

 

 

その時に、引っ越して来た家族も、2年と持たず離婚して出て行ったと言う。

 

 

しかし、離婚の理由が夫のDVだと引越す前に隣の奥さんから聞いたというのだ。

 

 

そして、次に引っ越して来た家族と親しくなったそうだが、

 

 

5年が過ぎた頃、やはり夫が暴力的になり、奥さんは実家に帰ってしまったという。

 

 

結局離婚となり、引っ越していってという。

 

 

だから、彼女は夫と、隣の家はよく引っ越すね。と話していたのだった。

 

 

そして、最後に引っ越して来たのが、彼女、大辺さんだった。

 

 

その彼女が、また離婚して引っ越すかもしれないと言うのである。

 

 

 

 

 

そう言えば、今思い出してみると、

 

 

彼女にもこの家を買うにあたり、引っかかる点が1つだけあった。

 

 

それは、この庭付き二階建ての一軒家が、

 

 

相場よりも3割も安く売られていたからである。

 

 

いわくつきや、事故物件という説明は無かったものの、

 

 

不動産屋さんには、随分お買い得な家ですというフレコミだった。

 

 


私達は、もしかしたら、

 

 


とんでも無い家に引越して来てしまったのかもしれない。

 

 

 

 


この家は、まるで、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

離婚させる家。だったのです。

 


後半は、明日のブログに続く