●母が認知症になった。
人は年をとります。
その意味では、どの家庭も将来、
お母さんやお祖母さんが、ボケたり、
歩けなくなったり、記憶が無くなるといった事が起きる可能性があります。
私の家では、それが意外と早く訪れてしまったのかもしれません。
でも、それは全部私のせいでした。
私が、突然、7ヶ月も入院したから・・・・
大事な息子が、突然、白血病になってしまうという衝撃があったから・・・・
それは、ある9月、
朝起きてから、ちょっと具合が悪くて、歩いていても貧血の様な感じ。
1時間位立っていたら、すぐ横になりたくなって、廊下の上で横になったくらい。
それでも何とか、起きて予約があった歯医者に行きました。
歯医者では、ずっと座っているのに、まだ貧血気味。
そこで意を決して、すぐに病院に行ってみました。
病院に着いたのが、11時を回っていて、本来なら診察時間を過ぎていて、
受付できないのですが、私が具合が悪そうなのを見て、
受付の女性が入れてくれました。
そして血液検査をすると、異常が見つかったのでしょう。
すぐに骨髄検査をするというのです。
なんかすごく痛かった覚えがあります。
そして、医者から伝えられたのが、白血病でした。
即日入院。
家に帰れなくなったので、母に電話しました。
「ごめんね。
ボク、白血病になっちゃった。」
その時、死ぬと思いました。 「ごめん、かあさん」
私もショックでしたが、多分、母も相当ショックだったと思います。
私が約7ヶ月入院して、退院した時、
なんと、
母は認知症になっていたのです。
部屋のあちこちに、バスマジックリンがあり、
合計で、13個ありました。
本来なら、1つあればいいのに、同じ物を13個買っていたのです。
他にもトイレの洗浄剤が、同じもの5つ。
食器を洗う洗剤が7つ。
掃除マニアかっ?
それでも買い物に行くと、籠に新しい食器洗剤やバスマジックリンを入れようとします。
退院する前は、
母の手作りのグラタンが食べたくて、
病院から母に、グラタンが食べたいとリクエストしていました。
しかし、家に帰ってみると、
母が、グラタンの作り方を忘れたというのです。
それでも何とか退院祝いという事で作ってくれたのですが、
以前の美味しいものとは、かけ離れたものでした。
どうやら、私が居ない間、凝った料理はまったく作らなかった様です。
1人だと、お茶漬けなど簡単なモノしか作る気力が無かったのでしょう。
それ以来、料理は私担当。皿洗いは母担当となりました。
それでも、まだ私は、そんなに酷い認知症だとは思いませんでした。
なにしろ、沢山同じ物を買ったと言っても、
まだ腐るものでは無かったので、沢山買い置きした思えば許せたし、
料理が出来なくなったのも、
長い間一人で、料理する気が起きなくて忘れたのだろう。と思ったのです。
ただ、軽い認知症だと思ったので、それなりの民間療法を試す事にしました。
■まず、水素水を飲ませる事。
■次に、花の香りを嗅がせる事。
アメリカでも、花屋さんは認知症になりにくいという事を耳にしていたのと、
日本でも、アロマオイルを認知症の人に24時間かがせた所、
認知症が進まなくなったというニュースを聞いたからです。
ただ、1つだけ落とし穴がありました。
それは、アロマオイルの値段が高い事。
ネットで買ったのですが、一ビン2000円位しました。
これでは、いくら効き目があっても家計が破たんして続きません。
そこで、これに代わる物は無いかと、芳香剤を試す事にしました。
これなら、D2などで500円位です。
母が車に乗る時は、乗車時に必ず母の周りにまきます。
そして、母が寝るベッドの周りには、3種類の花の香りの芳香剤を置きました。
■最後に、なるべく母に頭を使ってもらおうと、
時間はかかっても、出かける時は、母に戸締りをチェックさせ、
鍵も母にかけてもらい、帰った時も母に鍵をあけてもらいました。
また、外で買い物をしたり、食事をした時は、
母に会計をさせました。
それはちょうど母親が子供に計算を覚えさせる為に、会計をさせる様な感じです。
ただ、時間がかかって後ろの人が迷惑にならない様に、
空いているレジか、行列の最後に並ぶ様にはしています。
また、外食の会計は、席に居る時にお金を用意させてから、レジに行きます。
あと、うちに来た郵便物を開ける係りも母です。
上の3つの事を行なった結果、
母の認知症は、それ以上進まなくなりました。
ただ、それから2年経った時、
今度は、母が唯一担当していた皿洗いも出来なくなりました。
母が洗ったお皿を見ると、まだ汚いのです。
そこで母が洗う様子を見てみると、ただの水でゆすぐだけでした。
食器洗剤を使えなくなっていたのです。
母の認知症は、ゆっくりではありますが、ちょっとずつ進んでいた様です。
そこでようやっと、正式に医者にみてもらおうと思いました。
さて、そうなると、どの医者にみてもらうかになります。
すると、テレビでちょうど認知症についての番組がありました。
その番組の受け売りもあり、
まず、
全国の「もの忘れ外来」「認知症外来」を調べました。
http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=2825
そして、千葉県の所をクリックして、一番近い病院に行く事にしました。
予約を取って行くと、まず認知症のテストが2種類行われました。
その結果、母は中度の認知症という事が分かりました。
そして、処方されたのが、レミニールOD錠という薬でした。
この薬は、脳の働きを活発にするくすりです。
一番最初に処方されたのが、下の黄色いレミニールです。朝と晩の1日2錠です。
1ヶ月後、特に問題無いという状況だったので、
今度は、赤のレミニールを処方されました。(料金は、ひと月1780円くらい)
■あと、認知症に良いと思い、猫を飼う事にしました。 動物セラピーです。
私も飼いたかったので、それは一石二鳥でした。
■他にも認知症対策として、
テレビでは、お笑い番組と音楽番組をよく見せています。
笑いと、音楽は、認知症を遅らせる効果が、他の番組よりもあると事です。
私は母が笑う番組や好きな音楽番組があると、録画して何度も見せる様にしています。
何度同じ番組を見せても喜んでもらえるので、楽だし、
それは、認知症になってむしろ良かったと思える点の1つです。
これが、現在にまで至ります。
認知症は、その後、
中度から軽度に近くなり、数々の対策の効果が感じられる様になっています。
今は、料理も皿洗いも私がやっている状態ですが、特に苦にはなりません。
自分が食べたいものを作って、食べていますし、
皿洗いも、今日は仕事で忙しいなという時は、使い捨ての皿を使います。
そんな時は、ハシも割り箸、スプーンも使い捨てを使います。
皆さんも、もし、家族が認知症かな。と思った時、
今日の話の中で、ご参考なるものがあれば幸いです。
よく、認知症の人が、何度も同じ事を言って来るという悩みを言う人がいますが、
私の母も、そういう現象はあります。
何度もクーラーの事を聞いて来たり、何度も庭の事を聞いて来たり、
正直、答えるのが面倒だし、同じ事を何度も何度もウルサイですよね。
でもね。
ある日、気がついたんです。
何度も言う言葉を、よく聞いてみると、
それらは、私と「話したいというきっかけの言葉や質問」だったのです。
「寂しいんだな。」って。
私と話したいけど、きっかけの言葉をそれしか思いつかない。
だから、それを何度も繰り返していたのです。
つまり、貴方が好きだから、貴方と話したいだけなのです。
私は、それ以来、そんな同じ言葉を言われても、
いちいち返事をしてあげる様になりました。
「そうね。それはね。・・・・なんだよ。」って。
また、お年寄りの早期の認知症の場合、
水分を余り取らない為に、認知症になる場合が多いという事が発見されました。
通常、お年寄りには、毎日2500mlの水を飲む必要がありますが、
食べる事により得られる水分は、約1000ml。
残りの1500mlを水分として飲む必要があります。
しかし、認知症になる老人は、あまり水を飲まない事が分かったのです。
そこで母にもなるべく水分をとってもらう為に、
ご飯をお茶ずけにしたり、ヤクルトを飲ませたり、スープを飲ませたりと、
毎日1500mlの水分を飲む様にさせると、
母は、段々と同じ言葉を言う回数がぐんと減ってきました。
そういう事で、私の中では認知症問題は、ある程度超えたという状態です。
しかし、
去年末、その認知症を上回る大問題が、母の身に起きたのです。
後半は、明日のブログに続く。


