●子供の霊が出る家
私はアメリカに留学している時、ワシントン州のシアトルに住んでいました。
すぐ近くには、Lake Washington(ワシントン湖)があり、
車が無いと対岸には行けません。
たまに友人の車などに乗せてもらって、橋を渡る事がありました。
たしか橋が湖に浮いている様な橋だったので、フローティングブリッジと呼ばれていました。
有料道路だったと思いますが、日本と違って、
料金の支払い方法がかなり斬新だった様な記憶があります。
日本の有料道路であれば、誰か料金を徴収する人がお金を受け取る形なんですが、
このフローティングブリッジを通る時は、な、なんと!
車の窓をあけて、コインを大きな入れ物に車の中から投げ入れるんです。
いくらか忘れましたが、当時誰か石ころでも投げたら、どう判断するんだろうと、
疑問に思った事を覚えています。
橋を渡って、そのままずっと道に沿って行くと、
レッドモンド(REDMOND)という比較的大きな町に行く事が出来ました。
ここはワシントン州でもやや裕福な方々が住んで居るという町で、
あちこちに高級住宅地があった記憶があります。
ある時、そのレッドモンドのある住宅に住んで居る方から、
家に子供の霊が出るという相談が、霊能者の所に持ち込まれました。
幸い私も同行してもいいというお誘いを受けたので、一緒に連れてってもらったのです。
今日はその時の事を思い出して書いてみたいと思います。
それはハリソンさんという方からの相談でした。
ハリソンさんご夫妻には、子供が3人居て、
豪華な2階建てと広い庭のある家に住んで居ました。
その家族の中の一番小さい6歳になる女の子が、
時々この家で、小さな男の子の幽霊を目撃して泣くというのである。
他の子供達は、幽霊を見るという事は無いらしいのだが、
女の子は嘘を言う様な子では無く、ご両親は心配して相談してきたのである。
ある程度の事情は、あらかじめ電話でお聞きしていた。
なぜなら、電話口で解決出来る問題なら、わざわざ現地まで行く必要が無いからだ。
しかし、今回の問題は、さすがの霊能者の方も、
電話で事情を聞いただけでは、さっぱり分からないという。
娘さんが幽霊を目撃するのは、決まって2ヵ所だという。
■1つは二階の窓の外だという。
子供の幽霊が窓から家の中を見ているというのだ。
そこは特にベランダとか、外に人が立てる様な場所は無く、
その窓に顔が写るとしたら、幽霊以外には考えられない場所だという。
■もう1つは、庭である。
庭で娘さんが遊んでいると、子供の幽霊が現れる時があるというのだ。
しかも、時々子供の幽霊だけでなく、
お年寄りの幽霊も2人くらい子供の幽霊と一緒に出る事もあるという。
また、娘さんいわく、
本当は、彼女がこの家に来た当時から見えていたらしいが、
当時は幼くて、話す事が出来なかったという。
つまり、どうやら幽霊は最近現れたのではなく、
ハリソンさん夫妻がこの家に住み始めた当初から居た感じだった。
通常、こういう問題は、
以前、この家に住んで居た子供が亡くなったりして、
まだ未練や他の理由で、今もこの家に地縛霊として居着いていて、
時々現れるというケースがお決まりのコースなのだが、
今回の、このレッドモンドの相談は、そんな簡単なものでは無かった。
なにしろ、この家は新築だったのである。
つまり、幽霊屋敷でも無ければ、前の住人が関係している問題でも無かった。
家を建てる前は荒地だったというのだ。
日本だと土地が狭いので、墓地や祠などを取り壊してそこに家を建てて、
後に問題が起きる事があるが、ここアメリカは土地が広い。
墓地を取り壊して、そこに家を建てる事もまず無いのである。
私一人なら、お手上げなケースだ。
この時点で、真相が分かる方は、
私や霊能者以上の能力者かもしれない。
なにしろ、私は勿論の事、霊能者の方も、ここまでの事情を電話で聞いても、
実際に行って診ないと、さっぱり分からなかったからである。
私はワシントン大学の寮の前でピックアップしてもらうと、
霊能者と通訳の友人と一緒に、問題のレッドモンドの家に向った。
ちなみに、フローティングブリッジを通って行ったのだが、
橋の通行料金は払わなかったと記憶している。
なぜなら、たしか車に3人以上同乗していると、無料だったと記憶している。
アメリカ式な合理主義である。
一抹の不安を抱えながらも、私達は橋を渡った。
いざ、REDMONDの幽霊が出る家へ。
後半は、明日のブログに続く。
