●掛け時計が3時に止まる部屋
夏でもありますし、今日はちょっとだけ怖い話を致しましょう。
一昨日もテレビで怖い番組をやっていましたが、
夏はお化け屋敷や、怖い番組が多くなるのは、
やはり、暑いから少しでも涼しくなりたいというニーズからでしょうか。
それとも、夏に幽霊話が多くなるのには、他にも理由があるのでしょうか。
季節には、夏・秋・冬・春と、4つありますが、
実は、夏が一番、普通の方にも霊を見つけやすいんです。
今日は、そんな話です。
これは、まだ私が東京で電話相談をしていた頃のお話です。
東京の港区赤坂に、当時まだ防衛庁があった時でした。
今はもう再開発されて、防衛庁はそこにはありません。
ある日オフィスに、こんな電話がありました。
約1年前に入居した部屋で、奇怪現象が起きるというので、
是非一度来て、診てもらいたいというのである。
場所を聞くと、
防衛庁の近くにある○○レジデンスというビルの一室だという。
地図を調べると、地下鉄の乃木坂駅が一番近そうに見えた。
ちなみに、乃木坂という名前は、1912年、
赤坂の当時の区議会で、幽霊坂ではいかにも栄えそうに無いという事で、
幽霊坂を乃木坂に変えるという決議が決まり、変更されたのである。
この防衛庁辺りは、昔、長州藩と毛利藩があった場所で、
二・二六事件も起きている場所である。
戦後、米軍に使用されたのだが、米騎兵第一師団司令部で働いていた米兵の多くが、
ここで日本兵の幽霊を目撃して大騒ぎとなった。
当時の内外タイムス1946年2月の新聞にも載り、話題となった。
パトロールの兵士から上官までが、みな日本兵の霊を目撃して、
パニック状態となったのだ。彼らに話を聞くと幽霊が目撃されるのは、
決まって敷地内にある池のほとりだったという。
そこは以前、毛利家の庭園があった場所で、
その当時からずっと残されていた池だったという。(日本の幽霊事件より)
そんな場所である。
私はスケジュールを調べて、今週の日曜日なら行けますというと、
日曜日は誰もいないという。
聞くと、部屋は会社のオフィスとして利用しているので、
日曜祭日は、誰もいないのだという。
そこで、月曜日の朝一という事で話がついた。
しかし、30分いくらという相談料の他に、出張料と交通費を別途頂きますと言うと、
出張料が高すぎたのか、今回はなんとか電話相談でお願いしますとなった。
彼女は、そこで働いている女子社員で、普段から気になっていて、
オフィスに独りになったり、残業になった時が怖い時があるという。
こういう話は、電話相談よりも現場に実際に行って診るのが一番なのだが、
どこまで電話でお役に立てるか、一応話を聞いてみる事になった。
彼女の話によると、
オフィスに怪奇現象が起き始めたのは、約半年前からだという。
半年前に、社長が知り合いからもらったという壁掛けの時計をオフィスに付けた。
壁に時計を付けてから、一週間位は順調に問題無く動いていたという。
ところが、時計を付けてから1週間が経った時だった。
月曜日に出勤すると、時計が止まっているのである。
先週の土曜日、会社を出る時は動いていたのに、
なぜか3時丁度に針が指したまま止まっているのである。
これは多分、時計を貰った時についていた電池があまり無かったんだろうという事になり、
社長から彼女に、新しい電池を買ってくる様に頼まれ、昼休みに買いに行った。
そして、電池を新しいものに取り換えたのは彼女だったという。
すると、掛け時計はまた動き始めた。
やっぱり電池だったんだ。とみんな思ったという。
ところが、翌朝、彼女が出勤すると、
時計は、3時きっかりにまた止まっていたのである。
どうやら、真夜中の3時に時計が止まった様だった。
買った電池が悪かったのか。
そんな事は無いと思ったけど、もう一度新しい電池を買いに行ったと言う。
そして、取り換えて、帰った。
しかし、翌朝、彼女が出勤すると、
時計は、また、3時きっかりに止まっていたのである。
社長に話すと、「やっぱり、もらいもんだからなぁ。」という。
貰った時計が、不良品だったのだろうという意見で、たいして気にしなかった。
しかし、彼女だけは、一抹の不気味さを感じていたという。
なぜなら、不良品である時計が、途中で止まるのは分かる気がします。
でも、毎回、3時丁度で止まるって、おかしくないですか?
3回も。
その後しばらく、オフィスには、
3時で止まった時計がそのまま飾られていたという。
ところが、ある日、
社員の一人が、やっぱり時計があるといいよね。と言って、
自宅にあって使っていなかった壁掛けの時計を、持って来たのである。
電池も彼が用意してきたもので、新品だという。
こうして、新しく設置した時計が再びオフィスで動き始めた。
しかし、翌朝、彼女が出勤すると、
時計は、また、3時きっかりに止まっていたのである。
それを見た時一瞬、鳥肌が立ったという。
そう言えば、以前、この部屋に泊まった社員がいたのだが、
その時、夜中に変な声が聞こえた事があったという。
このオフィス、なんかおかしいんじゃない。と思った。という。
そんな電話相談だった。
電話を頂いたのが、
今日の様な、8月の真夏日だった。
後半は、明日のブログに続く。