●右に出る者はいない。
よく「彼の右に出る者はいない」って、言いますよね。
この意味は、「彼よりも上手い人はいない。」という意味です。
では、なぜ、彼の右なんでしょうか? 左じゃダメでしょうか?
あと、今行われている世界陸上や、オリンピックでの金銀銅の表彰式で、
金メダルは、真ん中ですよね。
では問題。
銀メダルの人と、銅メダルの人は、
金メダルの人のどちら側に並んでるでしょうか?
分かりますか?
きっと、今日のお話を読み終える頃には、その全ての理由が分かる事でしょう。
占いの電話相談をしていると、
お客様は、圧倒的に女性のお客様が多いです。
しかし、ある時、男性の方から電話を頂きました。
彼は、戸建分譲住宅の現場監督をしているという事でした。
何棟かの住宅を同時に建てているのだといいます。
ところがある日、
建設現場で事故があり、男性の職人が亡くなってしまったのです。
その事故から少し経ってからでした。
男性が亡くなった場所に建てている家で、奇妙な事が起きるというのです。
職人がその家で、作業していると、突然後ろから声がしたり、
ある時など、誰かに肩をポンと叩かれたりして、すぐに振り向くのだが、
そこには誰もいないのです。
また、その家で作業していると、後ろから誰かがじっと見ている気配がするといいます。
そしてこんな時もあったそうです。
それは、その家の1階で作業していると、2階から金槌を叩く音がします。
「おっ、誰か2階で作業しているのかな。」と声をかけても、返事がありません。
そこで、2階に上がっていくと、金槌の音が止んだそうです。
しかし、2階には、誰も居なかったというのです。
それから職人の中で、「あの家は、やばい」という噂が広まり、
職人だけでなく、電気の配線を担当している電気会社の方もその噂を聞きつけ、
他の家は、順調に完成に近づくのに、あの家だけは職人も余り働きたく無いといい、
無理に頼んでも短時間で切り上げて出て来てしまう始末。
このままでは、あの家だけ大幅に完成が遅れてしまう。
何か良い方法は無いだろうか。という相談でした。
私がこの相談を受けた時、まず思ったのは、
怪奇現象が起き始めたのが、一人の職人が亡くなってからだという事なので、
まず、その家で起きる現象は、その職人の霊の可能性が高いと思いました。
そして、もう1つ思ったのが、
もしかしたら、その亡くなった職人は、自分が死んだというのを理解してなくて、
今もその家で、家を作っているのではないかという事でした。
そうは言っても、素人の方からみれば、
誰もいない所から声がしたり、金槌の音がしたり、
ましてや、突然幽霊に肩をポンと叩かれたら、気持ちが悪いし、近づきたくないでしょう。
それに、完成した家に幽霊が出るという噂でも立ったら、
他に家の販売にも悪い影響がでてしまいます。
この2つの問題を考慮した解決法が必要でした。
つまり、職人たちが働いてくれる様にするのと、亡くなった職人の成仏を促す事です。
そこで、私が現場監督さんにアドバイスしたのは、
不安がっている職人たちに、こう説明してあげて下さいと言いました。
「亡くなった職人は、今もあの家を完成させようと頑張っているんだぞ。
彼は家を完成させたいだけで、みんなをどうこうするつもりは無いそうだ。
どうか、みんなも、仲間だった彼を手伝ってやってくれないか。」
それと同時に、こうアドバイスしました。
朝、作業を始める前に、彼が亡くなった場所に、小さい台を置き、
その上に彼の慰霊写真と、お水をコップ一杯置き、お線香を一本点して、
「どうか、○○さん、成仏して下さい。
家は私達が完成させますから、心配しないで下さいね。」
と、合掌してから、作業を始めて下さい。
そして、その時、服に黒い喪章か黒いリボンをつけて作業して下さい。
その後、職人さん達も、その家で働いてくれるようになり、
また怪奇現象も無くなったそうです。
ちなみに、黒い喪章か黒いリボンって、どこで買うんでしょうか?と聞かれたので、
自分で作ってもいいし、仏具店や葬儀社だったら多分どこでも売っているでしょうし、
文具店でも売っている所は多いと思いますし、
斎場に比較的近い所にあるコンビニでも売っている事がありますよ。と答えました。
話しはこれで終わりなのですが、
この相談を受けた時、最後に現場監督さんから、こんな質問を受けたのです。
「あのう。
黒い喪章は、服のどこに付けたらいいでしょうか?」
私もウッカリしてました。
占い師の世界では常識でも、素人の方の中には知らない人がいるのだから、
ちゃんと説明しておかないといけませんでした。
「黒い喪章は、必ず、服の左側に付けて下さいね。
上着の左側とか、左肩とか。」
サッカーなどで仲間が亡くなった様な場合でも、喪章を左肩につけてプレーします。
では、なんで左側なんでしょうか。
その説明をする為には、時代をだいぶさかのぼって説明する必要があります。
時は、古代中国、漢の時代。
皇帝の前に家臣が並ぶ時に、
右から順に偉い高位の人から並んで、皇帝に挨拶しました。
この時代の頃から、右側が上席という慣わしになっていたのです。
つまり、一番右側に居る人がその列で一番高位だという事です。
それイコール、一番右に居る人の右側には誰も居ないという事なので、
その人からすれば、その中で一番偉い事になり、
「右に出る者はいない。」という言葉が生れたのです。
皆さんは、お正月の時にテレビでよく天皇陛下の新年の一般参賀の映像を見ますよね。
こんな感じで。

右側が上席なので、天皇は右側にいて、皇后は天皇の左側に居る訳です。
「右に出る者はいない。」だから、天皇の右に並んではいけない訳です。
では、ここで先の問題に戻りましょう。
なぜ、喪章は服の左側に付けるのか。
それは右側が上席という事に関係があります。
仮に貴方が、喪章をつけて上の天皇の前に来たとします。
貴方が、もし服の左側に喪章を付けると、それは天皇の方側に付ける事になりますよね。
つまり、天皇の前に付けるので、見やすいですよね。
でも、もし服の右側に喪章を付けると、それは皇后側に付ける事になりますよね。
そうなると、天皇からはちょっと斜めになり遠くなるので、上席から見えにくくなります。
そもそも、喪章というのは、亡くなった人を悼む気持ちを表す為につけるものです。
つまり、亡くなった人を敬うという事で、天皇側(上席の人)に見せるという意味で、
服の左側に付けるのです。
上席が右側ですから、貴方が上席ですよ。という敬意を表す意味で、
喪章は自分の左に付けるのです。
さて、右が上席というのは、オリンピックなどの表彰台にも表れています。
つまり、1位の人の右側が上席ですから、下記の写真の様になる訳です。
右側が上席。と覚えれば、
もう金メダルのどっち側が銀メダルか、迷う事はありませんね。
END

