●最後の命令!!

 

 


このお話は、昨日のブログ(●家庭内いじめ)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12297296822.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 


現在、彼女の家では、柴犬とジャーマン・シェパードと、

 

ラブラドール・レトリーバーの計3匹の大型犬が居るというのだが、

 

つい先月、昔から飼っていたゴールデン・レトリバーが亡くなったのだという。

 

つまり、先月までは大型犬が4匹も居たというのだが、

 

その内、昔から飼っていたゴールデン・レトリバーが、

 

急に性格が変わったというジャーマン・シェパードに、いじめられ亡くなったというのだ。

 

10年前、彼女の家で、一番最初に飼ったのが、ゴールデン・レトリバーだったという。

 

とても利口な犬で、セールスマンとか初対面の人が家に来たら、吠えて知らせたという。

 

また、毎朝新聞を主人の所に咥えて持って来てくれるという犬だった。

 

それから4年が経った時、奥さんが足に怪我をして散歩に連れて行ってあげられなくなり、

 

柴犬とジャーマン・シェパードとラブラドール・レトリーバーの3匹の小犬を飼い始めて、

 

計4匹で庭で遊ばせて、運動させているという。ただし、先輩ワンコである

 

ゴールデン・レトリバーには他の3匹よりも、いつも良い食べ物をあげていたという。

 

というのは、当初ゴールデンを溺愛して時々ステーキなどの良い肉も与えていたという。

 

そんな時、3匹の小犬が来たのだが、小犬はステーキなど食べないので、

 

小犬は小犬用のペットフードをあげ、ゴールデンには良いものをあげていたのだ。

 

3匹の小犬達が大きくなっても、全員にステーキをあげると高額になってしまうので、

 

その後も、時々のステーキはゴールデンだけという状態が続いたという。

 

そんな食べ物に差があっても、4匹は仲良く遊んで喧嘩する事は無かったという。

 

その関係に異常が起き始めたのが、今から約1ヵ月前だった。

 

彼女の家の近所に、ジャーマン・シェパードが大好きな女性高校生がいて、週に2回位、

 

ジャーマン・シェパードを散歩に連れてってくれていたのだが、その日に限って、

 

遠出して、ちょっと遠くの神社に寄って来て予定より1時間遅くなったという。

 

そして、その日辺りから、ジャーマン・シェパードが、

 

先輩ワンコであるゴールデンを、いじめ始めたというのである。

 

まず最初にその兆候が現われたのが、寝る場所だったという。

 

ゴールデンは、飼った当初からリビングにある椅子の上で寝るが好きで、

 

犬用のベッドでは寝ないで、いつも寝る時はリビングの椅子の上で寝ていたという。

 

そこで、椅子の上にシーツを敷いてやり、それ以来ずっとゴールデンだけは、

 

リビングの椅子の上で寝るのが、通例となっていた。

 

そして、他の3匹は犬用のベッドで寝ていたのである。

 

ところが、そのリビングの椅子を、ジャーマン・シェパードが奪ったのである。

 

ゴールデンはしょぼんとして、残った犬用のベッドで寝るようになり、

 

主人がジャーマン・シェパードを追い払い、ゴールデンを椅子に寝かせてあげても、

 

翌朝見ると、ジャーマン・シェパードが何食わぬ顔で、椅子の上に寝ているのである。

 

それだけでは無かった。週に一度だけゴールデンにあげていたステーキも、

 

ジャーマン・シェパードがゴールデンから奪って食べてしまうのである。

 

ステーキを食べるまで、ジャーマン・シェパードを近づけない様に見ててあげても、

 

ゴールデンは、ジャーマン・シェパードの目線が怖いのか、脅えて食べないのである。

 

そして、その内ジャーマン・シェパードが、それを奪って食べてしまうのである。

 

寝床も奪われ、ステーキも奪われたゴールデンは、段々と元気が無くなり、

 

庭で遊ぶ時も、ほぼ除け者状態。ゴールデン独りだけが、しょぼんと庭の一角に座り、

 

ジャーマン・シェパードら3匹だけで走り回って遊ぶという状態になったという。

 

それはまるで、ジャーマン・シェパードという親分に、他の2匹も従って、

 

ゴールデンとは遊ぶなと、命令されている様な感じを受けたと言う。

 

こうして、ジャーマン・シェパードからいじめともとられる行為で、

 

段々と元気を無くしたゴールデンが、ある日の朝、

 

ケイレンを起こして、口から泡状のヨダレを流して、床に倒れているのが見つかった。

 

急いで獣医に連れて行こうと、車に乗せたのだが、

 

獣医の所に着くまでに、亡くなったという。彼女は言う。

 

あの日、散歩から帰ってからジャーマン・シェパードは変わったと思うんです。

 

それまで6年間も4匹仲良かったのに、絶対何かあったはずです。

 

悪い動物霊か何か、ジャーマン・シェパードに入ったのではないでしょうか?

 

情けない話ですが私の犬なのに、なんかゴールデンを、いじめて殺したと言ってもいい

 

ジャーマン・シェパードを、主人も私も、今までどおり愛せないのです。

 

今は、この子だけ、手放そうとも思っています。

 

もし、悪い動物霊を払う方法があれば、教えて欲しいんです。そんな相談でした。

 

私も、ここまで話を聞いた限り、悪い動物霊の可能性もあるのかもしれないけど・・・・

 

電話相談じゃ、ちょっと無理だなぁ・・・・・と感じていました。

 

ところが、私が彼女に、「他に、何か気になった事が起きたりしましたか?」

 

と聞いた時でした。彼女が「そう言えば、ジャーマン・シェパードが、

 

 もう一つ、ゴールデンから奪ったものがあるんですよ。」と言ったのである。

 

私は、それを聞いて、「えっ!!」と思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が、「他に、何か気になった事が起きたりしましたか?」と聞くと、

 


彼女が、「そう言えば、ジャーマン・シェパードが、

 

 もう一つ、ゴールデンから奪ったものがあるんですよ。」という。

 


実は、以前から毎朝、

 

 

ゴールデンは、主人に新聞を咥えて持って来てくれていたのだが

 

 

ゴールデンが寝床をジャーマン・シェパードに奪われた頃から、

 

 

主人に新聞を咥えて持って来る仕事も、ジャーマン・シェパードに奪われたというのだ

 

 

始めは不器用に新聞を咥えていて、よだれだらけだったりちぎれたりしていたが、

 

 

ゴールデンが亡くなる頃には、うまく新聞を咥えられる様になったという。

 

 

当初は、ご主人もそれはゴールデンの仕事だからと、

 

 

ジャーマンから新聞を取り上げたのだが、

 

 

肝心のゴールデンが新聞をまったく運ばなくなったので、

 

 

しかたなく、ジャーマンにやらせているという。

 

 

 

 

 

 


私は、その話を聞いて、何か違和感を感じたのである。

 

 

奥さんに聞くと、犬用のベッドよりも、ゴールデンが寝ていた椅子の方が、

 

 

すごく寝心地が良く、床よりも高いので、優越感もあるだろうという。

 

 

つまり、ゴールデンから寝床を奪ったのは、自分が良い寝床を手に入れた事になる。

 

 

そして、ステーキを奪ったのも、普段の食事よりも格段良い物を食べれた事になる。

 

 

 

 

ここまでなら、分かる。

 

 

 


しかし、毎朝、新聞をご主人に運ぶ仕事を、ゴールデンから取り上げて何の徳になる?

 

 

確かに、仕事を取り上げるというのは、ゴールデンのヤリガイを取り上げる事にはなる。

 

 

しかし、なんか違和感を感じた。

 

 

 


例えて言うなら、

 

 

もし、これが人間の世界なら、

 

 

いじめっ子のジャイアンが、のび太から、小遣いを奪い取り、

 

 

のび太から居心地の良い自転車を奪い取る。

 

 

ここまでは良いとして、

 

 

のび太が無料でやっていた、新聞配達まで取り上げて、

 

 

ジャイアンがのび太の代わりに毎朝、無料で新聞配達するだろうか。

 

 

 

 


考え過ぎだろうか。

 

 


いや、なんか、引っかかる。

 

 

 


そこで、根本から考え直してみた。

 

 

そして、改めて彼女に聞いてみた。

 


ジャーマン・シェパードが、ゴールデンの寝床とステーキを奪ったという事ですが、

 

 

その時、ジャーマン・シェパードがゴールデンに噛みついたとか、

 

 

喧嘩しているのを見たとか、ゴールデンを椅子から引きずり降ろす様な場面を見たとか、

 

 

具体的に、ジャーマン・シェパードが、ゴールデンをいじめている所を見ましたか?

 

 

 

 

 

 


すると、彼女やご主人は、そういう場面は見ていないという。

 

 

彼らは、ジャーマン・シェパードに、寝床やステーキを奪われているという結果を見て、

 

 

きっと、ジャーマン・シェパードが、ゴールデンをいじめて取り上げたに違いない。

 

 

と信じていたのである。

 

 

 


つまり、ゴールデンをいじめている場面を誰も見ていないのである。

 

 


でも、誰も見ていない夜中に、いじめている可能性もあるので、

 

 

ゴールデンの体に、血が出ていたとか、怪我していたとか、

 

 

ジャーマン・シェパードに噛まれた跡が見つかった事はありますか?と聞いてみた。

 

 


すると、そういうキズも見つかった事は無いと言う。

 

 

 


この時私は、これは、いじめじゃない。という確信みたいな感じを受けた。

 

 


じゃあ、何だろう。

 

 

 

そう冷静に考えた時、

 

 

 


ゴールデンが、寝床やステーキや新聞配達を、奪われたのでは無いとすると、

 

 

答えは1つである。

 


ゴールデンが、ジャーマン・シェパードに、譲ったのだ。

 

 

そして、ゴールデンが死んだ。

 

 

 

答えが、1つに繋がった感じがした。

 

 

 

 

私は彼女に、こう説明しました。

 

 

実はね。賢い動物の中には、自分の死期が分かる動物がいます。

 

 

それでも、一匹で飼っている場合には、何も起きませんが、

 

 

犬や猫を沢山飼っている場合、その中でボスというのが決まっている事があります。

 

 

そんな時、そのボスが亡くなると、

 

 

次に有力だった者がボスに昇格するんですが、

 

 

その時に、自分の死期を感じた前のボスが、

 

 

次のボスに席を譲る行為をする事が有るんです。

 

 

例えば、ボス猫が、普段寝ている一番上の寝床を、次期ボスに譲ったりと、

 

 

色々なケースがあります。

 

 

今回のジャーマン・シェパードとゴールデンも、それに当たると感じるんです。

 

 

 

もしかしたら、もう椅子に上がるのもシンドかったのかもしれませんし、

 

 

ステーキも十分消化する能力が無かったのかもしれません。

 

 

多分、新聞を運ぶのも、ゴールデンがジャーマンに丁寧に教えたのでしょう。

 

 


「オレは、もう長く無いから。

 

 あとは頼んだぞ。ジャーマン。

 

 奥さんとご主人を、オレの代わりに守ってやってくれ。

 

 新聞は、こうやって運ぶとご主人が喜ぶんだ。」

 


きっと、ジャーマン・シェパードはゴールデンのあとを必死に受け継ごうとして、

 

 

頑張って新聞を運ぶのを覚え、ゴールデンの代わりを務めようとしているのだと思います。

 

 

だから、ジャーマンを他に始末するなんて言わないで、可愛がってあげて下さいね。

 

 


彼女を、その言葉を聞くと、これからもジャーマンを大切に飼う事を約束しました。

 

 

きっと、ゴールデンの温かい意志は、ちゃんとジャーマンに引き継がれる事でしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


最後に、

 

 

アメリカの愛犬の実話を紹介して、今日は終わりに致しましょう。

 

 

 


2001年9月11日と言えば、911で知られる、

 

 

アメリカ同時多発テロ事件が起きた日です。

 

 

ハイジャックされた2機の航空機が、ニューヨーク世界貿易センターの

 

 

超高層ビルであるツインタワーに突入して多くの死者を出したのです。

 


この悲劇的な出来事の陰に、一匹のヒーロー犬がいたのをご存知でしょうか。

 

 

 

 


午前8時46分。最初の飛行機がツインタワー北棟の95階に突入した。

 

 

この時点では、事故は飛行機事故によるものとして、大統領に報告されていた。

 

 

ところが、その僅か17分後だった。

 

 

午前9時3分。2機目の飛行機が、ツインタワー南棟の81階に突入したのだ。

 

 

自爆テロだ

 

 

 

 

この時、最初の飛行機が突入したこの北棟で、

 

 

一人のセールス・マネージャーが働いていた。

 

 

彼の名は、マイケル・ヒングソン(Michael Hingson)51歳。

 

 

当時、彼はセールスの為、愛犬の盲導犬ローゼルと一緒にビル内に居た。

 

 

そう、彼は盲目の会社員だったのです。

 

 

 

 

 


飛行機がビルに衝突した時、ビルが10m近くも揺れたという。

 

 

なにしろ、彼が当時いた階は、飛行機が衝突した付近に居たのだ。

 

 

飛行機は北棟の95階に突入してそこいらの階をほぼ吹き飛ばしたのだが、

 

 

彼と同僚達は、なんと78階で働いていたのだ。

 

 

彼は、こういう時は、エレベーターは途中で作動しなくなるのを知っていたので、

 

 

周りの人達に、階段を使って逃げる様に叫んだと言う。

 

 

事務所に居た人達は、彼の言葉を聞くとすぐに階段に向った。

 

 

 


煙が立ちこめ始めた事務所には、盲目の彼と愛犬の盲導犬ローゼルだけになったという。

 

 

彼はこういう時、非常階段はとても混雑して、目が見えない自分と犬が、

 

 

その混雑の中、逃げるのは困難である事は良く分かっていた。

 

 

だから、盲導犬ローゼルに向って、静かにこう話かけた。

 

 

「ボクは、1400段以上ある階段を降りるのは、無理だ。

 

 

 でも、お前だけなら、逃げられるだろう。」

 


そう言うと、盲導犬のリードを外したという。

 

 

そして、愛犬ローゼルの頭を撫でてから、彼女を自分から突き放して命令した。

 

 


「行け!」 それは彼の最後の命令だった。

 

「行け! ローゼル! 一人で行くんだ!

 

 

 

 今まで、ありがとな。

 

 

 みんなと無事脱出して、生きるんだぞ。

 


 さよなら、ローゼル。」

 

 

 

 

 

 

ローゼルは、ご主人の命令だから、しかたなく階段を降り始めたという。

 

 

 

 

煙が立ち込める中、マイケルは独りぼっちになった。

 

 

 

 


何分ぐらい経っただろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 


マイケルの足を、突っつくものが・・・・

 

 

 

 

 

 

なんと、愛犬ローゼルが、彼の元に戻って来たのだ。

 

 

しかも、マイケルを助ける為に、一緒に同僚を連れて来たのである。

 

 


涙が出た。

 

 

 

2人と一匹で、煙の中を階段を降り始めた。

 

 

愛犬ローゼルは、常に冷静だった。

 

 

ほぼ見えない中、的確に進路を見つけて、

 

 

途中、泣いて動けなくなっている婦人が居ると、

 

 

大丈夫ですよ。目くらの私でも逃げられるのだから

 

と婦人を励まして、一緒に逃げた。

 

 


こうして、約30人近くの人達を誘導して、

 

 

50分かけて1階に到達した。そして、10分かけて通りに出る事が出来た。

 

 

その直後だったという。彼らの後ろでビルが崩壊したのだ。

 

 

それは、まるで、

 

彼と愛犬が無事脱出するまで、神様が崩れない様にしてくれたかの様だった。

 

 

 

こうして、マイケルと愛犬ローゼルは、78階から奇跡的な生還を遂げ、

 

 

同時に30人余りの人達を助けた。その後、

 

ヒーロー犬と呼ばれテレビに出演したのである。

 

END

 

 

 

参考:https://www.mnn.com/family/pets/photos/7-incredibly-loyal-dogs/dorado