●元彼が死んだ
これは実際に私が受けた電話相談です。
電話をくれたのは、若い女性の方だったのですが、
彼女は、自分がどうして他人の死の事を分かってしまうのかと、
多少不安を感じて、電話をしてきたようでした。
それは、100kmも離れて暮らしている
元彼の死が分かったというのです。
元彼の方とは、3年前までお付き合いしていたそうなのですが、
彼が栃木県の宇都宮に転勤になった時に、話し合って別れたといいます。
それ以来、彼とは連絡も取り合っていなかったのですが、
先週の火曜日、こんな夢を見たのです。
それは、元彼が交通事故に遭い病院に担ぎ込まれて、亡くなるという夢だったそうです。
その夢を見て朝起きた時、
不吉というより、昔彼と付き合っていた時の事を思いだし懐かしく思いました。
ただ、翌日になっても、なんか気になっていました。
タダの夢なのに、なぜか頭から離れません。
それは翌々日になっても同じでした。
そこで、昔その元彼と付き合ってた時の共通の友人だった子に電話して、
何気に現在の元彼の様子を聞いてみたんです。
すると、なんと先週の火曜日の未明に亡くなったというのです。
(ちなみに、未明とは真夜中の0時~午前3時を言います。ただし0時は含めない)
なんという偶然でしょうか。
私が元彼の死の夢を見た日に、彼は亡くなっていたのです。
私は電話機を持ったまま、言葉を失ってしまいました。
しかし、気を持ち直して、彼女にもう1つだけ、
どうしても聞いてみたい事がありました。
「彼、どうして亡くなったの?」
すると、彼は先週の月曜日に交通事故に遭ったというのです。
その後すぐに病院に担ぎ込まれたのですが、翌日亡くなったという事でした。
こんな偶然は有りません。
約3年間も連絡を取り合っていなかった元彼の死だけでは無く、
その彼の死因まで分かってしまったのです。
自分が怖くなりました。
人の死が分かるというのが超能力なら、そんな超能力は要りません。
私はこれからも、人の死が分かってしまうのでしょうか?
そんな感じの相談でした。
私は、彼女の話を聞いていて、大体の事は想像がつきましたが、
一応彼女に、こんな質問をしてみました。
「元彼さんとは、どうして別れちゃったの?」
すると彼女は、
「やっぱり、遠距離になるのが自信が無かったので、お互い話し合って・・・・」
「一緒に宇都宮に行こうとは思わなかった?」
「・・・」
「実は、気になる人がもう1人いて・・・・」と彼女。
大体察しがついたので、彼女にはこれ以上突っ込みませんでした。
まぁ、単刀直入に答えを言うと、
これは「いとまごい」だと思いました。
「いとまごい」とは、暇乞いと書き、意味は「お別れを告げる」という現象です。
彼女の場合は、夢の中で亡くなった元彼を見たという現象でしたが、
昼までしたら、亡くなる直前のその人の霊を目撃したとか、
亡くなった人の声を聞いた時間が、その人が亡くなった時間だったとか、
急になんか気になって、久しぶりに電話してみると、今日亡くなっていたとか、
その人に今日会ったのに、聞くとその時病院で亡くなっていたなど、
「いとまごい」には色々なケースがあります。
いずれも故人が、最後にもう一度、貴方に会いたかったとか、
もう一度貴方にお礼が言いたかった。という場合に起きる霊現象です。
普通は、お別れだけですが、今回の相談の様に、
希に亡くなった原因まで、故人の魂が貴方に伝えようとする事があります。
だから、彼女には、こう言いました。
「元彼さん、別れた後も、まだ、貴方の事が好きだったんじゃないかな。
彼、天国に行く途中で、どうしても、もう一度、
貴方に会いたかったんだと思うよ。」
「君が好きだったよ。
さようなら。」
END