●仏間に浮かんで消える不気味な文字

私が千葉に引っ越して来た頃、

不思議な相談を受けた事があります。

それは、茂原市という所に住んで居る奥さんからの相談だったのですが、

彼女は夫婦と子供二人と一軒家にお住まいの方だったのですが、

今までに２回、一回の仏壇の部屋の入口の襖に、

文字が現れるというのです。

その襖に現われた文字は、近づくと消えてしまい、もうそれからは、

どんなに待っても、再び現れる事は無いそうなのです。

最初に襖に文字が現れたのを見たのは、５歳になる娘さんだったといいます。

彼女と娘さんが、仏壇の部屋に一緒に居る時、

娘さんが、彼女の服を引っ張って、

「ママ、見て！　見て！」と言うのです。

彼女は、その時丁度お花を生けていたので、娘さんに、

「ちょっと待って、」と言って、花を生け終わり、

「なあに？」と娘の方を見ると、

娘さんが、襖の方を指差して、

「あそこに、なんか書いてた。」と言ったのです。

でも、娘が指さす方を見ても、何も変わった事はありませんでした。

そして、娘に「どこ？」と聞くと、

「もう無い。　消えちゃったぁ。」と言うのです。

その時は、きっと娘の見間違いか何かだろうと思い、気にも止めませんでした。

それから約１年が過ぎた頃でした。

今度は、私がはっきりと、その襖に浮かぶ文字を目撃してしまったのです。

さすがに目の前で目撃すると、腰が抜けそうになる位驚いたそうです。

それは彼女が、一人で仏壇の部屋に居た時でした。

居間に戻ろうと、振り向いた時です。

なんと、襖の下辺りに落書きがしてあるではないですか！！

その瞬間は、「ああ、子供が襖に落書きしたんだわ。」と思ったそうです。

ところが、「しょうがないわねぇ」と言いながら、近づくと、

その襖に書かれていた落書きらしき文字が、スーッと消えたのです。

彼女いわく、その消えた文字は多分、「行」という文字だったといいます。

彼女はすぐに、そう言えば、去年娘が言っていた事が本当だったのだと思いました。

そこで、娘さんにも、「行」という文字が書いてあったの？と聞いたそうです。

しかし、娘さんは、「行」よりも黒っぽい難しい字だったといいます。

これはどういう意味でしょうか？という相談でした。

もちろん、相談は他にあったのですが、その１つがこれだったのです。

ちょっと説明だけでは、私もイメージがつかめなかったので、

彼女にイラストで、その時の様子を見せてもらいました。

それが、下記の様な感じです。

畳の部屋の襖の下の部分に、はっきりと「行」らしき文字が浮き出たといいます。

それは印刷の文字では無く、誰かが墨汁で書いた様な文字だったといいます。

彼女に「行」という字に何か心当たりはありますか？と聞いてみましたが、

心当たりは、まったく無いといいます。

かと言って、私も「行」の意味が分かりません。

ただ、アメリカでも、漢字の文字ではありませんが、自宅で、

英語の単語が壁に浮かんで、消えるという現象が起きた例を知っていますが、

私が知る限り、それはご先祖様や守護霊からの知らせと言われている現象が多いのです。

だから、今回の「行」という字が浮かんだのも、

自宅の仏間でもありますし、何かご先祖様からの知らせだと思いました。

あと、文字を見て、１つ思ったのが、

この「行」という文字が、左にやや流れて書かれているんです。

この事から、左利きの人が書いたのはないかと思いました。

右利きの人なら、「行」という字が、右下に流れて書かれると思ったからです。

そこで、彼女にご先祖の方の中に、左利きだった方はいますか？と聞きました。

しかし、彼女はご先祖が左利きの人かどうかは知らないと言いました。

そりゃそうだ。

私も質問した後になって、

自分だって、ご先祖が左利きか右利きかなんて知らんわな。と思いました。

いずれにしても多分、十中八九ご先祖か守護霊からの知らせだと思いますと答え、

悪い現象では無いはずですよ。と答えました。

当時彼女は、犬の保護活動もしている方だったので、

その辺が関係しているのかな。とも思いましたが、断定は出来ませんでした。

その後３ヶ月後にも電話をもらいましたが、

特に悪い事は起きなかった様ですが、

とりわけ良いという事も無かった様です。

従って、「行」の意味は最後まで分かりませんでした。

占い師といえども、必ずしも不思議な出来事が解明できるという訳ではありません。

ただ、相談者の不安が、ホンの少しでも和らいでもらえれば、

それは良かったのかもしれません。

ＥＮＤ