●ピースローズ

 

 


今日は何を書こうかと、テレビを見てみると、

 

 

7時から美空ひばり生誕80周年記念特別企画、

 

 

東京ドーム不死鳥コンサート2017をやっている。

 

 

 


美空ひばりさんと言えば、子供からお年寄りの方まで知る、

 

 

日本の大スターである。

 

 

 


美空ひばりさんは、残念ながら、1989年6月24日に亡くなられたのだが、

 

 

この不死鳥コンサートは、その前年の1988年4月11日に行われたものである。

 

 

 


しかし、この不死鳥コンサート事体無理な話だった。

 

 

実は、このコンサートの前年の1987年4月22日に、

 

 

福岡での公演先で体調が悪くなり、緊急入院していた。

 

 

病状は重度の慢性肝炎。そして、両側特発性大腿骨頭壊死症と診断され、

 

 

約3か月半にわたり入院が必要となっていた。

 

 

だが、この事はマスコミには一切発表しなかった。

 

 

そんな時に来た、東京ドーム復帰公演の話だったのである。

 

 

 

 

 

当時、美空ひばりさんが入院したというだけで、多くの方が心配していた。

 

 

そんな事もあり、彼女は元気な姿を見せて安心してもらうと引き受けたのである。

 

 

 


しかし、病状は深刻で、普通の人間であれば、歌う事はもちろん、

 

 

足の付け根と肝臓の病で歩くのも困難な状況で、

 

 

ステージ上で立っている事すら難しい病状だったという。

 

 

 


病気は良くなるだろうと引き受けたものの、

 

 

不死鳥コンサートが近づくにつれて、どんどん悪化していったという。

 

 

しかし、マスコミを始めファンはその事を知らない。

 

 

東京ドーム5万人分は完売。多くのファンが詰めかけていた。

 

 

 


その時の様子をある関係者が語った事がある。

 

 

この関係者は、美空ひばりさんがそんな重病だと知らなかったので、

 

 

当初、美空ひばりさん様に用意された控室を、変えて欲しいと言われた時に、

 

 

「大物歌手だから、わがままだな!!」と思ったという。

 

 

 

 

しかし、違ったのだ。

 

 

 

 

その時、ひばりは、満足に歩けなかったのである。

 

 

コンサート会場に来たお客様に、遠くから見るのでは申し訳ないと、

 

 

ひばりさん自ら提案した100mの花道も、

 

 

コンサート前日のリハでは、30m歩くのがやっとだったのである。

 

 

 


そこで、控室は急きょステージの真後ろに作られた。

 

 

そして、立っていられない状況だったので、そこにベッドを持ち込み、

 

 

いつ倒れるか分からない体なので、医師が常時待機して、酸素ボンベが置かれた。

 

 

幕が開くギリギリまで、ステージ裏のベッドで点滴している状態だったのである。

 

 

 


そんな状態でも、ファンに心配させない様にと、一度も倒れず、

 

 

39曲2時間10分を歌い上げたのだった。

 

 

その時の様子が下記である。

https://www.youtube.com/watch?v=LrQ0jSeI_T8

 

 

 

 

 

 

最後に、ある1本のバラの話をして終わりにしましょう。

 

 

 

ここに、1本のバラの花がある。

 

 

その名もピースローズ

 

ある美空ひばりさんのファンの方が、

 

 

毎年、美空ひばりさんの命日になると、

 

 

その墓前に、このピースローズを供えているのだ。

 

 

 

 

普通の方は、多分、こう思うだろう。

 

 

美空ひばりさんの家族や親族なら、そこまでやるのは分かるが、

 

 

ただの一般人のいちファンが、そこまでしても、

 

 

故人に対して、別に何とも思ってもらえないのじゃないか。と。

 

 

 

 


確かに、大スターにとって、ファンは沢山いて、

 

 

いちいちその個人を覚えているのは難しい事です。

 

 

 


でも、毎年墓前に来てくれる人は、

 

 

例え親族でもない一ファンで、生前まったく面識の無かった人でも、

 

 

「毎年墓前に来てくれる女の子だ。」と、

 

 

その人の事を語ったアメリカのアーティストの霊の話を聞いた事があります。

 

 

きっと、美空ひばりさんの墓前に毎年墓参している彼女の事も、

 

 

美空ひばりさんに通じていると、私は思っています。

 

 

特に、墓参の際に、ピースローズを供えているのも良い事です。

 

 

 

 


実は、この紫のバラのピースローズの正式名は、

 

 

美空ひばりピースローズ」と言うのです。

 

 

 

生前、美空ひばりさんは、多くの幼い子供達が病気になったり、

 

 

被災されて困っているのを見て、そんな子供達の未来を気にかけていたという。

 

 

実は、あまり知られていない事だが、

 

 

美空ひばりさんは、15歳におこなった歌舞伎座公演からずっと

 

 

収益の一部を恵まれない人や、災難にあった人達に寄付してきたのである。

 

 

そして彼女が亡くなった後も、そんな彼女の意思を継ぎ、

 

 

毎回追悼公演の収益の一部を、日本赤十字社を通し、

 

 

東日本大震災・熊本地震の復興支援に寄付されているのである。

 

 

 

 

 


そして、美空ひばりさんが一番好きだった紫のバラ。

 

 

2003年新種として誕生した大輪の紫のバラを、

 

 

美空ひばりピースローズ」と名づけ、

 

 

消費者の方が、1本買うと、自動的に日本ユニセフ協会と通じて、

 

 

世界の子供達に30円の寄付が行なわれるという。

 

 

日本ユニセフフによると、この30円で、ポリオワクチン1本と、

 

 

はしかワクチン1本が買え、2人の子供の命が助かるという。

 

 

美空ひばりさんは、亡くなった今でも

 

被災された方々子供達に寄り添っている。

 


ひばりさん、最後の歌う映像。

もう立っているだけでも精一杯の状態だったとは思えないプロ根性。

 

 

END