●死を呼ぶ北枕

 

 

 


占いの仕事をしていると、枕の位置の相談をされる事がよくある。

 

 

人生の3分の1は寝ている訳だから、睡眠は大事である。

 

 

とりわけ枕の位置は気になって当然ですね。

 

 

 

 


もっと言えば、気になるのは枕の位置ではなく、枕の方角だ。

 

 


枕(まくら)の方角は、大きく分けると「北枕」「南枕」「東枕」「西枕」になる。

 

 

そして、相談の多くは、「北枕」についてである。

 

 

北枕で寝ていますが、いいのでしょうか?

 

 

北枕が良いと聞きましたが、本当でしょうか?

 

 

 

 


どうやら「北枕」には、悪いと良いの両方の噂がある様です。

 

 

そして、聞くと北枕の悪い説で有力なのが、

 

 

亡くなった人を北枕にして寝かせるというものでした。

 

 

 

 

 

 

どうやら、仏教の祖である釈迦が入滅の際、

 

 

北の方角へ頭を置いて亡くなった事に起因している様です。

 

 

なにしろ、お釈迦様の死体が北枕でしたら、

 

 

その後、仏教では、頭を北にして寝ることを北枕と言う事になり、

 

 

また、枕を北にして寝ると、お釈迦様の所に行けるとまで考える様になり、

 

 

それ以後、死者を北枕にして寝かせる事で、

 

 

この世への未練や煩悩を断ち切って成仏してもらおうという風習が生まれました。

 

 

そして、これを聞いた多くの人達が、

 

 

「生きている人が北枕で寝るのは縁起が悪い」と北枕を避ける風習になったのです。

 

 

 

なるほど、これだけ聞くと「北枕」、避けたくなりますよね。

 

 

 

 


でも、これって、単に言葉尻をとった考えです。

 


お釈迦様の死体が北枕だったから、北枕は死者の寝かせ方で、

 

 

生きている人には縁起が悪い。って、

 

 

お釈迦様の最後だけを切り取った言葉尻をとった様な意見です。

 

 

 

 


歴史を調べて見ると分かるのですが、

 

 

お釈迦様は入滅の際、つまり亡くなる時に、

 

 

側にいたアーナンダに、横になりたいと言い。

 

 

私の頭を北に向けて床を用意してくれと頼みました。

 

 

 

そして亡くなったのでした。

 

 

 

つまり、お釈迦様は自分で北枕を指示したのです。生きている時に。

 

 

実は、頭を北枕にして、右脇を下に向けて寝る(顔は西に向かって寝る)

 

 

寝方はインドでは最上の寝方だそうです。

 

 

だから、お釈迦様は普段から北枕で寝ていたのです。

 

 

いつも北枕だったのなら、死ぬ時も北枕でも当然ですよね。

 

 

 

 

また、北枕にするとよく眠れ、疲れもとれる事から、以下の様な言い伝えもある。

 

 

■ある殿様は、自分と同じ様に庶民が北枕で寝ているのはケシカランと思い、

 

北枕は死者の寝方だとして、庶民が北枕で寝ない様にふれ回ったとか、

 

 

■ある殿様は、戦の時に、敵を余りよく眠らせないで、弱らせる為に、

 

敵陣に刺客を放ち、ワザと北枕は縁起が悪いと噂を広めたという。

 

 

■またある殿様は、戦の時、自分の部下達が、北枕でぐっすり眠ると、

 

起きた時よく戦えないので、ウソをついて北枕は死ぬと言って、

 

東向きがいいと話したという。

 

 

 

 

 

 

 

ここで、私の結論を言うと、

 

 

「北枕」「南枕」「東枕」「西枕」どれがいいですか?と単純に聞かれたら、

 

 

私は、一番に「北枕」がいいですよ。と答えています。

 

 

2番目は「東枕」


3番目が「南枕」


4番目が「西枕」と答えています。

 

 

 

 

 

他にも北枕が良いという理由に、自然の法則があります。

 

 

皆さんは、よく体の健康を保つには、

 

 

「旬のもの」と食べると良いって聞いた事ありますよね。

 

 

つまり、冬には冬のものを、夏には夏のものを食べるという季節と自然にそった生活です。

 

 

 

 

 

それと同じように、北枕にするという事は、

 

 

地球の地磁気に逆らわない寝方だと言われているのです。

 

 


ドイツとチエコの国際研究チームが、2種類のシカの食事・休憩・睡眠(雪の上の痕跡)を、

 

 

草を食べたり休んだりしている時の向きや雪の上で寝た跡を調べた結果、

 

 

その過半数が北を向いて寝ていたり休んでいたという。そして、

 

 

3分の1のシカが南を向いて寝ていたり休んでいたとのことです。

(2008年8月26日  読売新聞)

 

 

研究チームは、こう結論づけている。

 

 

「自然のままに生きている動物たちは、

 

 目に見えない磁気も自然に上手く取り入れているようで

 

 北枕(南枕)には進化論上の理由があるのかもしれない。」

 

 

また、ドイツの建築生態学でも、地球の磁力線と平行に寝る北枕を推奨している。

 

 

つまり日本では北枕にすると、地球の自転の遠心力が、頭から足に向けてかかるので、

 

 

健康に良いと言われているんですね。

 

 

 

 

では、北枕が一番良いと言っているのに、

 

 

今日のタイトル「死を呼ぶ北枕」とは、どうなっているの?

 

 

って事になりますよね。

 

 

 


実はそれこそが、今日私が北枕を取り上げた理由なんです。

 

 

ある時、こんな相談が来たんです。

 

 

 

 

 

 

 

それはあるOLの方からの電話相談だったんですけど、

 

 

彼女が今住んでいる家に引越してから、

 

 

 


なぜか、二階のある部屋だけで人が死んだり、

 

 

病気になったり、頭が痛くなったりするんだそうです。

 

 

 


そこは10帖の部屋で、家の中で一番眺めの良いいい部屋だそうで、

 

 

引越した時に、最初にその部屋で寝たのは祖父だったといいます。

 

 

 

 


しかし、その祖父は1年後に脳溢血で亡くなったのでした。

 

 

そして、祖父の亡き後、その10帖間で寝たのは父でした。

 

 

 


すると、その部屋で寝始めてからやはり1年後に、

 

 

脳梗塞になり入院したのです。

 

 

それだけではありませんでした。

 

 

 

父が入院中、母が独りで10帖の部屋に寝ていたので、

 

 

寂しいというので、私が一緒に寝たのです。

 

 

すると、私も母も朝起きると頭が痛いという時があり、

 

 

やっぱりこの部屋おかしいんじゃない?という事になり、

 

 

 


その日から、10帖の部屋で寝ない様になりました。

 

 

そして、ある日友人に聞くと、

 

 

北枕じゃない!

 

 

北枕は死んだ人のものだから、危ないよ。と言われたのです。

 

 

 


北枕が祖父の死や、父の病気を呼んだのでしょうか?

 

 

それともあの部屋が悪いのでしょうか?

 

 

 


そんな相談でした。

 

 

 

 

 

 

やがて、二階の死を呼ぶ北枕の秘密が分かるのである。

 


後半は、明日のブログに続く。