●幽霊の落し物

 

 

 

それはある電話相談でした。

 

 


私は現地に居る訳でも無く、電話の向こうですから、遠く離れている訳ですが、

 

 


それでも、はやく電話切りたいと思ったくらいちょっと不気味な相談でした。

 

 

 

 


しかも、普通は私がアドバイスすると、相談者の方は、

 

 


そのアドバイス通りの事をするのですが、

 

 


さすがに今回だけは、私のアドバイスもそっちのけで、

 

 


そのアパートから逃げ出したのです。

 

 

 

 


気持ち分かるので、彼女を責められません。

 

 


私も、もう少し控えめに言ったら良かったかもと、

 

 


言った後で、後悔しました。

 

 

 

そんな事案だったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことは、彼女があるアパートに引っ越した事に始まります。

 

 

 

 

 


そのアパートは、特に事故物件だったという事は無く、

 

 

彼女が入居した時も、悪い感じはしなかったそうです。

 

 

 

 


ただ、彼女の部屋の上の階も空いていたそうですが、

 

 

そこが彼女の部屋と似た様な作りなのに、

 

 

彼女の部屋よりも1万円も安かったのが、ちょっと気になったといいます。

 

 

 

 

 

彼女が引っ越してから、最初の1週間は何事も無く過ごせたといいます。

 

 

いや、それか、既に何か起きていたのに、新しい場所だったので、

 

 

気がつかなかったのかもしれません。と彼女はいいます。

 

 

 

 


最初に異変は、彼女が引っ越してから、

 

 

丁度1週間後の夜中に起きました。

 

 

 

 


夜2時頃だったといいます。

 

 

 

 


彼女が薄ら寝ていると、そんな大きな音ではなく、

 

 

 


「トン、トン。」

 

 


と弱々しく、ドアをノックする音で、目が覚めたそうです。

 

 

 

 


誰だろう? こんな時間に。

 

 

 


そんな事を考えていると、また弱々しい音で、

 

 


「トン、トン。」

 

 

彼女は引っ越したばかりで、親以外にこの場所は教えていません。

 

 

仮に親だとしても、先に電話してくるはずです。

 

 

 


おかしい。

 

 

 


それも、こんな夜中に・・・

 

 

 

 

 

当然、彼女は開ける訳ありません。

 

 

それどころ、ドアスコープから外を覗いて、誰か確認する勇気さえありません。

 

 

女性の一人暮らしですから、じっと布団の中で息をひそめていたといいます。

 

 

 

 


その後も、何回か、

 

 

「トン、トン。」とノック音がして、止んだと思ったら、

 

 

 


最後に、

 

 


「ガチャ。」と、

 

 


ドアノブが回る様な音がしたそうです。

 

 


しかし、鍵をかけているので、ドアが開く事はありません。

 

 

 

それを最後にノック音もしなくなったそうです。

 

 

 

 


彼女いわく、私が最初に聞いたのは越して来てから1週間後でしたが、

 

 

あの位の音でしたら、普通は気がつかないで寝ていると思いますので、

 

 

もしかしたら、それまでにもあったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

それから3日後だったという。

 

 

 

 

 

その日は、夜遅くまでテレビを見ていて、

 

 

風呂に入ったのが、夜11時過ぎになっていました。

 

 

そして歯を磨き、そろそろ寝ようかと思っていると、

 

 

またあの弱々しいドアをノックする音がしたそうです。

 

 

 

「トン、トン。」

 

 


その時は、まだ0時をまわっていなく、部屋の明かりもついていて、

 

 

彼女もリビングに居たので、

 

 

恐る恐るドアに近づき、

 

 

ドアスコープから、外を覗いてみたそうです。

 

 

 

 


すると、

 

 

 

 

 

外には、誰もいなかったそうです。

 

 

 

 

 

それからも、夜中にノック音がする事があったそうです。

 

 

なんか嫌だなと思いつつも、出る勇気も無く、

 

 

彼女は耳栓を買って、ややウルサ目の目ざまし時計を買い、

 

 

大学で大切な授業がある時だけは、親に起こしてもらう様に頼み、

 

 

そして、寝る時は耳栓をつけて寝る様にしたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 


ところが、それから約1ヵ月位過ぎた日から、

 

 

 


不思議な現象が起き始めたといいます。

 

 

 

 

それはある朝、彼女が起きて、

 

 

大学に行こうと、玄関で靴を履いていた時でした。

 

 

 


その時、ふとある異変に気がついたといいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

 

 

 


ここからは、

 

 


怖がりな人は、最初に誰かに読んでもらってから、

 

 

 

少しずつその友達に聞いて、有意義な所だけ教えてもらうようにしてください。

 

 

 

では、怖がりな人はここからは、絶対に読まないようにね。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これを読んでいるという事は、

 

 


貴方は、相当勇気のある方なのですね。

 

 


いいでしょう。

 


続きを、どうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

 

 

 

 

 

 

玄関が濡れてる!

 

 

 

 

それは玄関に、コップ1杯位の水をこぼした様に、

 

 

水で濡れていたそうです

 

 

 

 


そしてよく見ると、

 

 

 

 

 

 

玄関から入ったすぐの台所の床も、少し濡れています。

 

 

 

 


彼女はすぐに、上を向いたそうです。

 

 

 

でも、雨漏りしたような跡はありません。

 

 

 

 


必死に昨日の事を思い出そうとしましたが、

 

 

昨日は、雨も降らなかったし、

 

 

玄関や台所で、水をこぼしたという記憶もありませんでした。

 

 

 

 

 


おかしいなぁ。と思いながらも、

 

 

とりあえず台所の床だけふいて、大学に出かけたそうです。

 

 

 

 

 

 

 

ところが、その2日後でした。

 

 

 

 


朝起きると、また玄関と台所が濡れているのです。

 

 

 


やっぱりおかしい。

 

 

 


昨日は雨でも無いし、上から水が落ちている様子も無い。

 

 

私も玄関と台所に、水をこぼした記憶も無い。

 

 

 

 

 

彼女は、きっと何か夜中に濡れたんだと思ったそうです。

 

 

 

 


そこで、彼女はなぜ床が濡れたのか、

 

 

夜遅くまで起きて、確かめようと思ったそうです。

 

 

 

その日は、ずっと起きていて、耳栓を外し、

 

 

部屋の明かりは、寝室だけ点けてベッドに入りました。

 

 

しばらくはずっとテレビを小さくして見ていたといいます。

 

 

 

 

 


すると、夜中の2時半頃でした。

 

 

 

 

 


台所の方で、

 

 

 

 

「ポタッ。」と微かに水が落ちる音がしたといいます。

 

 

 

 


台所の電気は点いていませんでしたが、

 

 

彼女が台所の方を見ると、

 

 

 

 


逆に彼女を見つめている様な、誰かの視線を強烈に感じたそうです。

 

 

 

 

 

 

 


台所に、誰か居る!

 

 

 

 

そう感じたそうですが、目を凝らしても、誰も見えません。

 

 

強烈な視線だけを感じたといいます。

 

 

 

 

 

しばらくして、視線を感じなくなってから、

 

 

そっと台所の電気を点けてみると、

 

 

 

 

 

また台所の床が、濡れていたのだそうです

 

 

 

そして、玄関も。

 

 

 

 


それからも、週に3日は台所が濡れているといいます。

 

 

 

 

 


これは、どういう事でしょうか?

 

 


そんな相談でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


私はこの相談を聞いていて、

 

 

台所の床が濡れているというくだりから、

 

 


嫌~な感じになったんですよね。

 

 

 

 


そこで、彼女にこんな質問をしたのを覚えています。

 

 

 


「そのアパートの近くに、川か沼か池みたいなものはありますか?」

 

 

 


すると、彼女は少し考えてから、

 

 

 

 

 

「川か池ですか。

 

 

私の記憶では、この近くには無いと思います。」

 

 

 

 


「じゃあ、近くにプールのある学校はありますか?

 

 

それか水を利用する様な場所は?」

 

 

 


すると、

 

 

「学校はありますが、プールがあるかどうかは分かりません。

 

 

ただ、ここから車で30分位行くと海があります。」という。

 

 

 

 

 

そこで、私が彼女に言ったのは、

 

 

「私の今までの経験から言わせてもらうと、

 

 


多分、水に関係して亡くなった霊だと思うんだけど。」と言うと、

 

 


彼女が、「えっ、この部屋の風呂場で亡くなったんですか?」

 

 

 


「いや、話を聞いている限り、

 

 


亡くなったのは、外だよね。

 

 


海かプールで亡くなったんじゃないかな。

 

 

 

だから、ノックしたり、一旦玄関で止まってから中に入って来てるんだと思う。

 


多分、以前その部屋に住んでいた家族の内

 

 

誰か、溺れ死んだ人がいると思うんだよね。

 

 


そして、その人が部屋に戻って来ているんじゃないかと思うんだよね。

 

 


そのうち、玄関に入って、台所まで来て、

 

 

じっと、貴方を見て、

 

 

帰って来たのに、自分の家族じゃないと思ったんだと思うよ。

 

 

 


でも、また別の日に同じ様にして、

 

 

繰り返しその部屋に帰って来ているんじゃないかな

 

 


多分、台所や玄関が濡れいている日は、その部屋に帰って来てると思うよ。」

 

 

 

 


「嫌だぁ。こわっ!!」と彼女。

 

 


私は彼女に、

 

 

台所の濡れていた付近に、小さいテーブルを置いて、

 

 

短冊に「水場で溺れて亡くなった霊へ」と書き、

 

 

気持ち悪いと感じた日には、お線香とお花と、暖かいお茶を供えて、

 

 

「どうか成仏なさって下さい。私にはお祈りする事しか出来ません。

 

 

もう貴方の家族はここにはいません。

 

 

1ヵ月お祈りしますから、どうか天国に行って下さい。」

 

 

と合掌する様にアドバイスした。

 

 

 

 

 

 


しかし、彼女は怖いと言って、その日は友人の家に行き、

 

 

翌週の昼間には、そこを引っ越したという。

 

 

 

当然、供養はやっていない。

 

 

 

 

 

 

 

 


その後もその部屋は、きっと誰かに貸されているのだろう。

 

 

1万円安く。


END