●最後の親孝行

 

 

 


このお話は、昨日のブログ(●パパが死ぬ予感)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12251548349.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 


ある主婦の方からの電話相談でした。彼女には、2年前に結婚したご主人との間に、

 

1歳6ヵ月の女の子の赤ちゃんがいましたが、その子が4ヵ月位前から

 

天井などの高い所を指差したり、手を上げて、笑ったりしていたといいます。

 

ところが、2ヵ月位前から、娘さんが奇妙な言葉を言う様になったそうです。

 

それは、天井を差しながら、「パー」と言うのだそうです。

 

娘さんが「パー」と言う時は必ずご主人は家には居ない時に言うのだと言います。

 

普通「パー」はお父さんを意味しているのです。家に居ないはずのお父さんを、

 

天井を指差して「パー」という娘にちょっと嫌な気持ちになったそうですが、

 

それでも、「パー」が絶対「パパ」と限りません。

 

ところが1ヵ月程前から「パー」が「パパ」に代わってきたのだと言うのです。

 

つまり誰も居ない天井や高い所を指差して「パパ」と言う様になったのだそうです。

 

これにはさすがの彼女も、「ゾッ」としたそうです。

 

もしかして、夫が近く亡くなるとかの不吉な感情でした。

 

つまり、パパは死んで霊になるという意味じゃないかと言うのです。

 

天井に向って「ジイジ」とか言うのであれば、ああ、亡くなったお祖父さんが

 

来ているんだなと思えますが、当のパパは生きているのです。

 

そのパパを霊の様に、天井付近にいると指差し「パパ」という娘。

 

これは何か不吉な出来事の前兆ではないでしょうか? そんな相談でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、

 

 

まず気になるのは、やはり赤ちゃんが毎回指差す、

 

 

天井や高い所にいるのは、誰かという事です。

 

 

 


何も居ないのに、指差したり、手を上げたり、笑ったりしないでしょうから、

 

 

何か居るのでしょう。

 

 

まずはそれが誰かというのが、問題です。

 

 

 

 


その大きなヒントとなるのは、やはり赤ちゃんが言った、

 

 

「パー」から「パパ」に変わった人。という事になります。

 

 

 


これは普通考えたら、お父さんという事になります。

 

 

しかし、お父さんは、会社に居る時間帯です。

 

 


こういう場合に考えられるのは、3つです。

 

■お父さんの「生霊」もしくは、

 

■お父さんの「幽体離脱」もしくは、

 

■お父さんの「ドッペルゲンガー現象」という事になります。

 

 

 

 

 


まず、「ドッペルゲンガー現象」の場合、

 

 

お父さんの体が弱っていたり、死が近いという場合に起こりやすい現象です。

 

 

しかし、ご主人はこの4ヶ月、毎日元気に会社に行っているという事なので、

 

 

「ドッペルゲンガー現象」では無いと思いました。

 

 

(ドッペルゲンガーをもっと詳しく知りたい方は、下記をお読みください。
  http://ameblo.jp/hirosu/entry-11198878060.html

 

 

 


次に幽体離脱ですが、

 

 

幽体離脱は、通常寝ている時に起きます。

 

 

ご主人が会社で、毎回寝ているとは考えられません。

 

 

という事で、幽体離脱でも無いだろうと思いました。

 

 

 


残るは「生霊」ですが、

 

 

生霊の場合、離れて生活している娘を心配している母親の念が生霊となったり、

 

 

応援に行けない息子の試合を生霊となって見守りに行ったりするのですが、

 

 

いずれも行きたいのに行けないという状況で、心だけでも飛ばす時に起こるものです。

 

 

つまり、何を言いたいかと言うと、

 

 

ご主人は毎日家に帰ってきます。家に帰ってくれば娘さんにも毎日会えるのです。

 

 

そんな状況で生霊など飛ばす必要はまったく無いと言っていいでしょう。

 

 

それに生霊も一種のエネルギーですから、生霊を飛ばすと体力を消耗して、

 

 

普段疲れやすかったり、やる気が起きなかったり、病気になりやすかったりします。

 

 

しかし、聞くとご主人は4ヶ月前と変わらず元気に仕事していると言うのです。

 

 

だから、私はご主人の生霊でも無いと思いました。

 

 

 

 

 

 

では、ご主人以外の人だとしたら、誰でしょうか?

 

 

それも多分男性でしょう。

 

 

 

 

そして多分、私を含めて多くの方はゲスの勘繰りをしてしまう事でしょう。

 

 

実は、ご主人の子じゃなくて、他の男性の子ではないかと。

 

 

 

 


でも、普通はそうなんですが、占いとなると違ってくるのです。

 

 

本来、女性、特に母親はとても感が鋭いものです。

 

 

ご主人が居ない時に、子供が「パパ」と誰も居ない所に話しかけていて、

 

 

本当にその子がご主人の子じゃないとしたら、

 

 

母親は直ぐに直感で気がつくものなのです。「あの人の子かも・・・」と。

 

 

だから、わざわざお金を出して占い師に相談しに来たりしないものです。

 

 

 

 


でも、絶対では無いので、一応彼女には遠まわしに聞いてみました。

 

 

「娘さんが、パパと呼びそうな人物は、

 

 ご主人の他には誰か心当たりはありますか?」と。

 

 

しかし、彼女は全然心当たりは無いといいます。

 

 

 

 

 


では、誰でしょうか?

 

 

 


私の直感では、まず男性。

 

 

そして、多分亡くなっている人。

 

 


更に、赤ちゃんが「パパ」と言っていて、ご主人じゃないという事は、

 

 

多分、霊が赤ちゃんに向って、「パパだよ。」と言っているんだと思います。

 

 

それをオウム返し的に赤ちゃんは「パパ」と言っているのではないでしょうか。

 

 

 


普通は、ご主人以外の、本当の生みの親というのが相場ですが、

 

 

彼女は違うと言います。

 

 

 

 


この時点で、さっぱり分からなくなりました。

 

 

 

振出しに戻ったとはいいませんが、行き詰ってしまいました。

 

 

 

 

 


こういう場合は、他のヒントを探す必要があります。

 

 

 

そこで、彼女に、

 

 

「4ヶ月前頃から、何か他に変わった事はありませんか?」と聞いてみました。

 

 

すると、彼女は少し考えてから、

 

 

「実は、もう5年も前に別れた夫が、最近よく夢に出て来るんです。」

 

 

といいます。

 

 

そこで、「その別れた夫の方は、亡くなられていますか?」と聞くと、

 

 

亡くなっているといいます。

 

 

 


■男性。


■亡くなっている。


そして、■最近夢に出て来る。

 

 

私は3つの偶然が重なると、真実に近いと思う様にしています。

 

 

 

ただ、5年前に別れたのであれば、

 

 

1歳6ヵ月の娘さんは明らかに彼の子ではありません。

 

 

だから、娘さんにとって、パパでは無いのです。

 

 

そこだけが不に落ちませんが、とりあえず詳しく聞いてみる事にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女は7年前に、一度結婚していました。

 

 

彼の家に嫁ぎ、彼と彼のお母さんと3人で結婚生活をスタートさせたといいます。

 

 

やがて、妊娠し、みんなが祝福したといいます。

 

 

特に姑のお母さんは大喜びで、孫が抱けると、

 

 

それは喜んで喜んで、産まれる前から色々な物を探し回り、

 

 

ベビーベッドはどこので、ガラガラはどこのでと、デパートに行っては、

 

 

何か赤ちゃんグッズを買ってきて、

 

 

部屋中赤ちゃんグッズで一杯になったといいます。

 

 

 

 

 

ところが、そんな幸せのさ中、不幸が訪れます。

 

 

 

検診で彼の体に重い病が見つかったのです。

 

 

見つかった時には、もう余命3ヶ月だったそうです。

 

 

不幸は重なるもので、その2か月後に赤ちゃんも流産したのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女には、そんな辛い過去があったのです。

 

 

 

 

 

 


根拠は有りませんが、

 

 

私の直感で、娘さんが見ている霊は、その亡くなった夫だと思いました。

 

 

 

 


それ以外に考えられなかったのもありますが、

 

 

はやり、彼女が最近見るという彼の夢が気になるのです。

 

 

 

 


私は彼女に、たった1つだけアドバイスしました。

 

 

それは、亡くなった夫の家とは、もう随分ご無沙汰しているというので、

 

 

一度、仏壇にお線香をあげに行ってはどうですか。という事でした。

 

 

ただ、1つだけ彼女にお願いしたのは、

 

 

娘さんも一緒に連れて行ってあげて欲しいという事でした。

 

 

 

 

彼女は「娘もですか?」と言いながらも、

 

 

行ってみます。と言ってくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 


それから1ヶ月後、再び彼女から電話がありました。

 

 

 

 

 

 

 


元夫の家は、まだそのままあって、

 

 

お姑さんが独りで住んでいたそうです。

 

 

 

玄関を開けた時のお姑さんは、元気無さそうで、

 

 

かつてのお姑さんの影はまったく見られなかったそうです。

 

 

 

 


ところがこの日、

 

 

不思議な事が起きたと言うのです。

 

 

 

彼女が仏壇でお線香をあげ、お祈りをしていると、

 

 

今まで一度も会った事が無い元姑に向って、

 

 

娘さんが、「バアバ」と言って抱きついたのです。

 

 

最初お姑さんは戸惑っていましたが、

 

 

すぐに娘さんをきつく抱きしめて、「こんなに大きくなって」

 

 

と満面の笑顔を見せて、泣いたといいます。

 

 

 

 


そして、一緒に食事をして、

 

 

来年もまたお線香をあげに娘と来ますと約束すると、

 

 

よほど嬉しかったのでしょう。

 

 

 

 

私達が見えなくなるまで、ずっと

 

 

寒いのに、いつまでもずっと手を振って見送ってくれたそうです。

 

 

 

 


そして不思議な事に、

 

 

それ以来、娘が天井を見て「パパ」と言う事は無くなったと言うのです。

 

 

 

 


私はそれを聞いて、

 

 

「ああ、やっぱりそういう事もあるんだなぁ。」と改めて思いました。

 

 

 

 

 

亡くなった元夫の方は、

 

 

とても母思いの優しい方だったといいます。

 

 


そんな彼が1つだけ思い残した事があったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「たった一度でいいんだ。

 

 

 
 母さんに子供を抱かせてやって、くれないか。

 

 

 
 たった一度だけでいいから、母さんに。」


END