●今さら聞けない、お線香の話

 




今さら聞けない、という番組名が一時期流行りましたが、

 



時々、お線香の事を聞かれる事があります。

 




最近、ニオイや煙が余り無いお線香という物が売られていますが、

 



元々は、お線香はインドから伝わった時、

 



お線香を焚いて、偉い人や高貴なお方に会う時には、

 



自分の悪臭を消してから会うというのが目的でした。

 



それが、仏教でも使われる様になり、お線香を焚いて、

 



自分の体と周りを清めるという事に使われだしました。

 



という事で、お線香はまず自分の身を清めるのが第一の役目でした。

 



やがて、お線香を焚くと故人が成仏の道を歩みやすいのではと思われる様になり、

 



お線香は故人が成仏の道を歩む手助けになる。

 



もしくは、故人の食べ物になると、思われる様になります。

 



またそれイコール故人のと心を通わせる場を作る作用がある、

 



と言われる様になりました。

 

 




そんなお線香ですが、

 



一番よく聞かれるのが、

 



「お線香を何本焚いたらいいんでしょうか?」という質問です。

 



まぁ、その時の答えは決まっています。

 



「そうですね。基本的に1本~3本ですよ。

 



貴方の宗教や地域の慣習や伝統によって違いますから、

 



その家のお年寄りやお寺の方に聞くのが一番です。」と答えています。

 



それでも、中には今さら聞けなくて・・という方もいます。

 



そんな方には、その方の宗教を聞いて、

 



天台宗なら3本。


真言宗なら3本。


日蓮宗なら3本。ただ1本の時もある。


曹洞宗なら1本。ただし意味によっては増える事も。


臨済宗なら1本。


普化宗なら1本。


黄檗宗なら1本。


浄土宗なら1本。


浄土真宗なら1本。


天理教なら0本。というかお線香使わない。




と聞いています。と答えています。

 

 



お線香を3本あげるという宗教は、

 



基本的には、三つの宝のために、線香を3本あげるんですね。

 



三つの宝とは、仏法曹の事で

 



■一本は「仏」。仏様へ。


■一本は「法」。その宗派へ。


■一本は「僧」。仏様をあの世へと導いてくれたお寺の住職様へ。



という意味になりますが、

 



天台宗の瀬戸内寂聴さんが、ある説法で、

 



1本目は故人の為に。


2本目はその故人と対話する為に。


そして3本目は自身の懺悔の為に。

 



とおっしゃっていましたが、それでもいいと思います。

 



大切のは、自分を清めて故人を思う気持ちですから。

 

 




また、「お線香を折って使ってもいいでしょうか?」という質問もありました。

 



この質問には、「基本的にお線香は折ってはいけません。」とお答えしています。

 



というのは、お線香の先端を少し折って使ったり、

 



半分に折って使うのは、動物を供養する時にする作法です。

 

 


だから、この動物を供養する作法を知らないご先祖様や、

 



そういう事に無頓着なご先祖様には、余り関係が無い事で、

 



お線香を焚いてくれてありがとう。とただ単に思ってくれるでしょうが、

 



お線香に詳しいご先祖様であれば、

 



なんで動物と一緒にされるんだとお怒りになるご先祖様もいるやもしれません。

 



だから、基本お線香は、人間の供養には折って使わない方が無難でしょう。

 



また折れているものは避けて使った方がいいでしょう。

 



しかし、昔、私がこういう事を言ったら、浄土真宗の方から、

 

 


「うちはいつもお線香を折って使っている。」と言われた事がありました。

 



しかし、私が言っている事と、浄土真宗の作法とは意味合いが違うのです。

 



どう説明したらいいか難しいところですが、

 



例えば、仏壇に食べかけの大福を供えたら、気分悪いですよね。

 



それって、お線香の先を少し折ったり、半分にしたお線香を供えるという事です。

 



それに対して、大福を食べやすい様に半分に切って、全部供えたら、

 



優しさかもしれません。

 



つまり、お線香の先を少し折ったり、半分にしたお線香を動物霊にささげる時は、

 



残りの部分は捨てているのです。(もしくは次回使うとか)

 



でも、浄土真宗では、折ったもの全てをささげているのです。

 



だからいいのです。





また、お線香に関してはこんな事も聞かれました。

 



以前、SMAPの木村拓哉さんがドラマ「HERO]の最終回の中で、

 



お線香のマナーに違反した演技をしたということで、責めらた事がありました。

 






何をしたかと言いますと、

 



お墓参りの時に、お線香に火をつけて、

 



その火を、口でフーフーやって消したのです

 



これがマナー違反だと、物議をかわしたのです。





木村拓哉さんとしては、災難ですよね。

 



なにしろ、役どころではアウトローな検事役でしたから、

 



きっと台本でも、そんなアウトロー的な指導があっての事だったかと思います。

 







では、私の見解はどうかと言うと、

 



やはり、お線香を口で消すのは止めた方がいいです。

 

 




と言うのは、仏教では、口は災いを生み出すもので、

 



神聖なお線香の火を、口から出た息で消すのは無作法とされているからです。

 




そう言われても、説明が抽象的で余り実感がわかない人もいるでしょうから、

 



もっと別の言い方をすると、

 



口でフーフーやると、お線香の灰がそこいらじゅうに散らばりますよね。

 



それも良く無いし、もっと良く無いのは、

 



目には余り見えないけど、細かいツバが飛ぶものです

 



例えば、大福を供える時に、その大福にツバをかけて供えたらどうでしょうか。

 



それと同じで、

 



神聖な場を作り出すお線香に、ツバをかけて供えるというのも、

 



良く無いとされているのです。


 

 



最後に、あるお寺の住職さんが言っていたのですが、

 



そのお寺では、お線香は3本供える宗派でした。

 




しかし、ある時予想以上の参列者が来たそうです。

 



段々と一人3本のお線香をあげると香呂が一杯になっていきました。

 



香呂が一杯になってしまうと、後の方が火傷したり困ってしまいます。

 




すると、誰ともなくお線香を1本だけ供え始めたといいます。

 



故人とその後の人の為に、気持ちを込めての1本。

 



素敵な親族の方々だと思ったということでした。

END