●遺骨が無い
家族が亡くなるというのは、とても悲しい出来事です。
でも、中には、それに輪をかけて悲しい事情が覆いかぶさって来る時があります。
それは、まず亡くなったのは間違いないという状況なのに、
死体が、まだ見つからないという状況です。
近年の衝撃的事件の1つで、
現韓国韓国大統領パク・クネさんを追い詰めた元凶と言われている、
韓国史上最大の海難事故セウォル号沈没事故で、
死者が295人出た事は今でも記憶に新しいと思います。
しかし、それと同時に不明者数が9名いるのです。
そんな絶望的な状況の中、その9名の家族は、
今も息子や娘が生きているのではという望みと共に生きているのです。
こういう場合、たとえ現状を受け入れて、
息子のお墓を作ってあげたいと思っても、遺骨が無いのです。
こういう状況は、海外だけに限った事ではありません。
海に囲まれている日本では、意外と多く起きていて、
私が住んでいる千葉でも、そんな悲しい事故が起きています。
これは実際の電話相談ですが、
千葉の漁港を出発した息子さんの船が、海上で遭難してしまい、
その後、船の残骸の一部が発見されたものの、
約1年経った今でも、生存は確認されていないという事情でした。
亡くなっているなら、早く成仏させてあげたいので、
せめてお墓に入れてあげたいという事ですが、その遺骨がありません。
どうしたら、いいでしょういか? という相談です。
もし、貴方が相談されたら、なんと答えますか?
貴方がカウンセラーだとして、少し考えてみてから、先をお読み下さい。
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さて、遺骨が無いという事ですが、
やはり、お墓に何も入れないという訳にはいきません。
何も入れなければ、埋葬にはならないし、墓まりの意味も遣り甲斐もありません。
そこで何かを、遺骨の代わりに埋葬する訳ですが、
それが何かというのが、今回のキーポイントになる訳です。
ここで写真かな。と思われた人は、ほぼ正解と言ってもいいでしょう。
私がそんな遺族の方にいつもアドバイスしているのは、
まず、下記の3つの物を用意してもらいます。
■行方不明の方の写真。
この時注意してもらいたいのは、例えば集合写真しか無いという場合は、
息子さんの部分だけ拡大して切り取って、息子さんだけの写真にする事です。
そして、写真の裏に息子さんの名前を書きます。
また、写真すら残っていないという場合は、
その息子さんがよく使っていたと思われる物や、遺品の1つを使います。
■納骨袋。
ただし、袋には、般若心経が書かれているもの。
この納骨袋に書いてある般若心経の最後に、行方不明の息子さんの名前を書きます。
納骨袋が、買えない場合は、自分で作ってもいいです。
白い布に、般若心経を書きます。そして、写真をその布で包みこみます。
■丸型の白いタッパウェア。
密封できるものを買います。
写真を納骨袋に入れて、それをタッパウェアに入れ密封します。
最後に息子さんに向って「どうか生きているなら、どこかで元気でいて、
そして、もし亡くなっているなら、魂よこの袋の中に来て、安らかに成仏してね。」
と合掌して祈ってあげます。
そして、納骨する時にも、そう言いながら、お墓に納骨してあげましょう。
行方不明の方の場合、もし実際、亡くなられてると、さ迷ってしまう事もあります。
というのは、亡くなったのに、葬式はしていないし、
埋葬もしていないし、お墓も無いという事なので、
希にまだ自分が生きているのではないかと錯覚してしまう事があるからです。
そんな時に、自分の写真が埋葬されている。
自分の名前で埋葬されていると分かると、
「ああ、自分は死んだんだ。」と自覚する目安になるのです。
般若心経には、沢山の漢字が書かれていますが、
大まかに言うと、この世の中には形あるもの全てに実体が無く、実体が無いからこそ、
あらゆる形を得る事が出来る。そしてこれらの言葉により苦しみは解き放たれる。
という様な事が書かれています。
「大丈夫。
これできっと息子さんの魂は、安らぎを得て成仏の道を歩み始めますよ。」
END

