●寛ぐ霊

 

 


冒頭の題名、「寛ぐ霊」をすぐ読めた貴方は、

 

きっと国語が得意な方ですね。

 

 

 

 

 

普通は、寛? かん?

 

 

阿部寛のひろし?

 

 

とか思うでしょう。

 

 

 


寛ぐ書いて、くつろぐと読みます。

 

 

つまり、のんびりと楽にして休むという意味ですね。

 

 

書斎でくつろぐ。とか、温泉に入ってくつろいだ。という使い方になります。

 

 

 

 


さて、占いの仕事をしていると、よく幽霊を目撃したとか、

 

 

子供が霊を見ているようです。という体験談を話される方がいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

その中でも、ちょっと変わった霊の目撃談を今日はお話しいたしましょう。

 

 

 

 

 

 


それはある主婦の方からの電話相談でした。

 

 

 

 


一通り、占いが終わった所で、

 

 

彼女が、「ところで、先生・・」と思い出したかの様に、

 

 

彼女がむかし体験した幽霊の目撃経験を話し始めたのです。

 

 

 

 


それは彼女がまだ小学生の頃の話だといいます。

 

 

現在彼女は東京にお住まいで、会社を経営されているとの事ですが、

 

 

小学生の時は、まだ栃木県に住んでいたそうです。

 

 

 

 

 

そんなある日の事。

 

 

彼女とお兄さん、お母さんは、みな二階に上がって寝ていました。

 

 

 

 


ところが真夜中になって、

 

 

彼女は急にトイレに行きたくなったといいます。

 

 

 

 

 


彼女の実家は、二階にはトイレが無かったので、

 

 

彼女は起きると、静かに階段を降りて、トイレに向ったそうです。

 

 


そして、用を済ますと、

 

 

また階段を登って二階に行こうとしたその時でした。

 

 

 

 

 

 


リビングのドアが開いていて、

 

 

中は真っ暗なのに、テレビだけ付いているのです。

 

 

そして、よく見ると、お父さんがテレビの前で、

 

 

ラーメンらしき物を食べながら、かぶりつきでテレビを見ているじゃありませんか。

 

 

 

 


その時、彼女はこう思ったそうです。

 

 

「ああ、父さん、みんなが眠ってから帰って来たんだな。

 

 

母さんも寝ていたから、きっとカップラーメンでも自分で作って食べてんだ。」

 

 

 

 


彼女は、お父さんに声を掛けずに、階段を登ってまた寝たそうです。

 

 

 

 


しかし、

 

 

彼女が起きて、リビングに行くと、

 

 

いつも自分よりも早く起きているはずのお父さんがいません。

 

 

 

 


そこでお母さんに聞くと、

 

 

 

「父さんは、出張だから、明日帰ってくるから。」との返事。

 

 

 


「エーッ!!!!」

 

 

彼女が、昨日の夜中、父ちゃんらしき人がテレビをつけて、

 

 

ラーメンらしき物を食べていたと言うと、

 

 

お母さんもお兄さんも、「寝ぼけてたんじゃねぇ~」と言われたといいます。

 

 

確かに、暗闇でしかも後ろ姿だけだったので、

 

 

はっきりと父親の顔を見た訳ではありません。

 

 

 


それに母親いわく、父さんはラーメンは余り好きでは無いとの事で、

 

 

カップラーメンも独りで食べている所を見た事が無いそうです。

 

 

 


私はそれを聞いて、なんか怖くなってしまいました。

 

 

私が見たあれは何だったのだろう。

 

 


それ以来、寝る前は余り水分を取らない様にしていたとの事です。

 

 

 


そんな相談でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、この話を聞いて、他の家族は信じなかったという事ですが、

 

 

私は、彼女が本当に霊を見たんだと思いました。

 

 

 

 

 


と言うのは、

 

 

彼女はトイレから出て来て、階段を上がる時に、

 

 

リビングに居る霊に気がついたというのだけど、

 

 


それって、二階から降りて来て、

 

 

トイレに行く途中には、気がつかなかったという事ですよね。

 

 

普通、テレビがついていれば、行く途中にも分かったはずです。

 

 

それがトイレの帰りだけ急に現れています。

 

 

それに、家族の方は、寝ぼけていたのだろう。と言ったといいますが、

 

 

私から言わせてもらえば、寝ぼけているのは、二階から降りて来た時点で、

 

 

トイレからの帰りの時は、意識もはっきりしていたはずです。

 

 

 


では、彼女は、何の霊を見たのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

でも不思議ですよねぇ。

 

 


普通、霊を見たと言えば、

 

 

こっちを見ているものです。

 

 

 

それが後ろ向きで、しかもテレビを見ながらラーメンを食べていたなんて。

 

 

 


もし、お父さんが、ラーメン好きな人であれば、

 

 

生霊という考えもありますが、

 

 


テレビを付けるという生霊は聞いた事がありません。

 

 


という事で、生霊説は消えました。

 

 

 

 

 

こういう電気関係を点けたり消したりするのは、死霊です。

 

 

死霊と言うと、怖いイメージですが、

 

 

ようは、亡くなった人の霊という事です。

 

 

 

 


彼女は、その時、まったく怖さを感じていませんし、

 

 

目撃された霊も、なんか寛いで楽しんでいる感じです。

 

 

 

 

 

 

まぁ、こういう風に、家で寛いでいる霊は、

 

 

十中八九、その家の先祖の霊です。

 

 

 


「どのくらい前の先祖か分かりますか?」と彼女。

 

 

 


普通、霊の年齢や時代を推察する時は、

 

 

その目撃された霊の、髪型や服装、メガネ姿などから、推察したり、

 

 

人相から、あれは曾祖父だとか判断出来る場合や、

 

 

人体的特徴である、右足が悪かったり、杖をついていたりして分かる時もある。

 

 

 


しかし、彼女の話では、

 

 

真っ暗な部屋で、しかも後ろ姿しか目撃していないので、

 

 

人体的な特徴が一切分からない。

 

 

 

 

 


しかし、まったく手掛かりが無い訳でも無い。

 

 

 

 

まず、彼女が瞬間的に「あっ、お父さんだ」と思ったのだから、

 

 

男性だったはずです。

 


しかも、テレビを見ながら、ラーメンをすするなんて、

 

 

なんとなく男性的ですよね。

 

 

という事で、たぶん男性の先祖でしょう。

 

 

 

 

 

そして、もう1つの手がかり、

 

 

それはテレビです。

 

 

 

意外かもしれませんが、大きな手掛かりです。

 

 

 

 

 

なぜなら、

 

 


きっと、そのご先祖様は、

 

 

 


テレビがある時代に居たご先祖だと言えるからです。

 

 

私に言わせれば、テレビが無かった頃のご先祖には出来ない芸当です。

 

 

 


将来はきっと、スマホをいじっている女性の霊でも出て来るかもしませんね。

 

 

そしたら、きっと、それはスマホがあった時代の霊なのです。

 

 

 

 

 

そして、こういう風に、

 

 

家で、寛いでいる先祖の霊を目撃すると、

 

 

 


何かその後に、良い事があったり、

 

 

願いが叶ったりする事が多いのです。

 

 

 

 

 

 

 


皆さんは、座敷童子(わらし)というのをご存知かと思います。

 

 

座敷童子とは、民家の座敷や蔵、旅館などに居ついている

 

 

子供の姿をした霊で、この座敷童子を目撃した人には、

 

 

幸運が訪れると言われています。

 

 

 

その家を繁栄させたり、見た人に富をもたらせたり出世したり、

 

 

良い結婚が出来たり、夢が叶ったりします。

 

 

 

 

 

そして、座敷童子を目撃した人は、よくこんな事を言ったといいます。

 

 

それは、子供が夜中に何か音を立てて遊んでいたとか、

 

 

縫いぐるみで遊んでいたとか、お客の物にイタズラしていたとか。

 

 

 


それらの行動って、子供が寛いでいる思いませんか。

 

 

私から言わしてもらえば、お客様へのイタズラも、

 

 

子供がありのままに寛いで遊んでいる様にもみえます。

 

 

 


つまり、寛いでいる霊を見るというのは、

 

 

良い前兆だと思っていいでしょう。

 

 

 

 

 


相談者の彼女が、東京に出て来て、幸せな結婚をなさって、

 

 

会社まで立ち上げているのも、もしかしたら、

 

 

そんな寛いでいる先祖の霊を見たからかもしれません。

 

 

 

 

寛ぐ霊、それは、貴方の家の、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

座敷童子(わらし)かもしれません。

 

 

END