●渋柿とぞうさん

 

 


このお話は、昨日のブログ(●隣人トラブル)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12223549650.html

 

 

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]

 

 


それは、一軒家同士の隣人トラブルの相談でした。2軒の家は隣同士で、

 

2軒とも庭付きの2階建ての家です。その2軒の境界線には、

 

塀の様なしっかりした物は無く、シンプルな柵で境界線が仕切られているそうです。

 

つまり、お互いが庭に居れば、すぐにお隣さんが見える状態です。

 

彼女がまだ幼い時や、中学生の時は、母とこの隣人の奥さんとは、とても仲が良く、

 

よく柵越しでお話ししたり、作った物を交換し合ったりしていたそうです。

 

しかし、3年前にお隣さんが、ご主人の転勤が決まり、引越してしまい、その後、

 

その隣の家を購入して引っ越して来たのが、ちょっと偏屈そうな家族だったそうです。

 

引越して来た時も、何の挨拶も無かったそうですし、

 

ゴミ出しなどで、顔を合せた時に、こちらが挨拶しても、無視という感じです。

 

一度隣のご主人を目にしたのですが、何となくヤクザ風な感じの人でした。

 

そんなある日、隣人の偏屈な奥さんが出て来て、母に、いきなり、

 

「うちの庭に、物を投げ入れるのは止めて下さい。」と言って、

 

空のペットボトルをうちの庭に投げ入れたのです。

 

隣の奥さんは、一方的に文句をまくし立てると、家の中に入って行ったそうです。

 

もちろん、母はそんなペットボトルを隣の家に投げ入れるはずがありません。

 

ただ、1つだけ心が当たりがあったのは、風の向きです。

 

風がちょうど私の家の方から、隣の家の方にふいているので、

 

強い風の日や台風が来た時などは、よくゴミが私の家の庭にまず入り、

 

それが、隣の家の庭に飛んでいく事が目撃されました。そして先週も、

 

強い風がふいていたので、その時にペットボトルがどこからか飛んで来たのでしょう。

 

父にその事を相談すると、じゃあ、隣との柵のあたりに、草花を植えて、

 

少しでも大きなゴミが、行かない様にしようと花などを植えました。

 

ところが、それから何ヶ月か経った頃、母が庭で犬と遊んでいる時でした。

 

すると、またも隣の奥さん出て来て、母に言ったのです。

 

「息子が再来年、高校受験で勉強してるのに、おたくの犬の鳴く声がうるさくて、

 

 集中出来ないんです。犬の吠え声をどうにかして下さい。庭にも出さないで下さい。

 

 それから、うちは全員犬アレルギーなので、ニオイもどうにかしてください。

 

 もし、うちの庭におしっこしている所を見たら、何をするか分かりませんよ。」

 

とまで言われたそうです。その後も、偶然外で会う度に、

 

「犬どうにかして下さいよ。」とか「ゴミがまた入ってましたよ。」など、

 

一方的に言われっぱなしで、母は怖くて、庭にも余り出れない感じになってしまい、

 

買い物に行く時も、隣の前を通らないで、遠回りしてるのです。

 

占いでどうにかならないでしょうか?    そんな相談でした。

 

これはちょっと難しいな。と正直思いました。

 

ところが、奥さんが隣との境界線の写真を見せてくれた時、

 

ふと、ある方法が浮かんだのです。その写真は、彼女の自宅の2階から、

 

彼女の庭と、隣の庭が写るかたちで撮られた写真でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


彼女が2階のベランダから撮った写真には、

 

 

 

彼女の家の庭と、お隣さんの庭と、境界線にある柵が写っていました。

 

 

 

 

 


その写真の中で、

 

 

私が一番気になったのは、

 

 

境界線の柵がある付近にある、梅の木とオレンジの木でした。

 

 

特に梅の木は、とても立派なもので、一見樹齢50年はありそうです。

 

 

こういう老木や実がなる木は、自然霊の中でも強い魂と霊力があるとされます。

 

 

彼女に聞くと、亡きお祖父さんが植えたものだといいます。

 

 

オレンジの木は、隣の家の木で、オレンジと見られる果実が数子なっています。

 

 

こういう古い木は、例え植物でも、

 

 

長い年月そこに居て、そこに住む人たちも見ているものです。

 

 

木々は何も言いませんが、

 

 

きっと、この2軒の仲が良かった時代も、ちゃんと側で見ていたはずです。

 

 

そこで、私は彼女に、ある奇抜な事をしてみる様にアドバイスしました。

 

 

それは、庭に出るたびに、その梅の木と、オレンジの木に話しかけてみて。

 

 

そして、日照りの日が二日以上続いて、お隣さんが居なさそうな時に、

 

 

その2本の木に、水をあげながら、

 

 

「いつも綺麗に咲いていてありがとう。

 

 

 どうかお隣さんとまた仲良くなれる様に、お願いします。」

 

 

とお願いしてみて下さい。と。

 

 

 

 

 

 

 

 


それから3ヶ月経った頃でした。

 

 

だいぶ時間がかかりましたが、ある異変が起きたといいます。

 

 

 

 

 

 


それは、ある日、

 

 

隣の中学生の息子さんが、庭でと遊んでいるではありませんか。

 

 

 

 


あの受験で忙しいのでと、犬の吠え声を注意までされたのに、

 

 

それに家族が犬アレルギーだと言っていたのに、

 

 

当の本人が、と遊んでいるのです。

 

 

 

 


その後分かった事ですが、

 

 

息子さんは犬が大好きで、飼うの夢だったと言います。

 

 

そして、親戚で産まれた犬をどうしても飼いたいとせがみ、

 

 

勉強を頑張るという約束で、飼ったそうです。

 

 

やがて、犬を介して、相談者の娘さんと、隣の中学生は仲良くなり、

 

 

たまにタイミングが合うと、一緒に犬の散歩をする時もあるという。

 

 

 

 


それと同時に、お隣さんからのクレームは一切無くなったそうです。

 

 

これは偶然かもしれないが、

 

 

彼女は、今も梅の木を大切にして、時々声をかけているといいます。

 

 

 

 

 

 

 


信じられないかもしれませんが、世の中には、

 

 

1本の老木が、土地を守っているという場所もあります。

 

 

 

 

 


最後に余談ですが、そんな老木のお話を1つして終わりにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

千葉県の市原に、ゾウが日本で一番多くいる動物園がある、

 

 

その名も、市原ぞうの国である。

http://www.zounokuni.com/attraction/

 

 

 

 


私も何度か行った事がある動物園だ。

 

 

普通の動物園とは違って、500円でエサを買えば、3歳の子供でも、

 

 

ゾウに直接バナナやニンジンをあげる事が出来、ぞうの鼻につかまったり、

 

 

ゾウに乗れたり、目の前で絵を描いたり、芸やダンスやサーカーやバスケをしてみせる。

 

 

ここに居るぞう達からは優しを感じる。

 

 

気になったので調べてみると、ここの園長さんは、女性の方で、

 

 

あちこちの動物園が廃園になったり、サーカスで使い物にならなくなったりして、

 

 

行き先に困っている時に、

 

 

そんな高齢になったぞうさんを積極的に引き取っている方だと言う。

 

 

甲子園阪神パークが閉園になった時に、やってきたぞうさんや、

 

 

遠く和歌山からやってきたぞうさん。

 

 

この園で一番の年寄ぞうさんは、サッカーでゴールキーパーを務めていた洋子だったが、

 

 

このぞうさんは、以前サーカスで散々働かされたいたのを、

 

 

新潟にある月岡動物園が保護したのだが、その月岡動物園も経営難になり閉園する事に。

 

 

しかし、新潟に他に動物園は無かった。

 

 

だから、この高齢のぞうの洋子をどうするかという事になった。

 

 

そんな時、手を挙げたてくれたのがこのゾウの国だったのだ。

 

 

ゾウは利口な動物で、集団で子育てや行動し、人間の言葉も分かると言われている。

 

 

だから、例えお客様でも、よく声をかけてくれる人は覚えているらしい。

 

 

そして、この動物園にはあまり知られていないもう1つの話がある。

 

 

それは、この動物園がこの地に建てられる前、

 

 

この土地を所有していた家族は昔から、この山にある柿の木をとても大事にしていた。

 

 

今の時代なら、渋柿など誰も見向きもしない木だろうが、

 

 

食料難の時代は、たとえ渋柿でも、命をつなぐ恩人とも言える木だったのだろう。

 

 

だからこの土地の先代の所有者達は、その渋柿をとても大事にしていたのである。

 

 

そんな時、この土地に動物園をという話が舞い込んだ。

 

 

土地の所有者の跡継ぎの方も、先代の意思を継いで、こう言ったという。

 

 

「もし、あの柿の木を、切らないという事を約束してくれるなら、

 

 

 ここをぞうの国にしてもいいですよ。」という条件を出した。

 

 


あの時から、20数年、

 

 

その柿の木は、カバの近くで、今も元気に沢山の渋柿を実らせている。

 

 

 

 

そんな老木の柿の木と、高齢のぞうさん洋子達が、

 

 

この山の中の小さな動物園を、今も守っている気がした。


END