●ヘルパンギーナと魔の2歳児
この話は、私の知り合いから回ってきた相談である。
原因不明の症状で苦しんでいる赤ちゃんがいるので、
忙しく無かったら診てあげてくれないという話だった。
そこで、そこまでの経緯を聞いてみた。
問題の赤ちゃんは、ちょうど今月2歳になったばかりの、
梶原さん(仮名)夫婦の一人娘だった。
ある日突然、39度の高熱が出て、それと同時に大量のよだれが、
止めども無く出て服を汚す様になったという。
直ぐに医者に連れて行くと、病名はヘルパンギーナという診断だった。
ヘルパンギーナとは、夏に流行する赤ちゃんの夏カゼである。
症状の1つに口の中に、水膨れや水泡が出来て、
食べ物や飲み物を取った時に、喉に強い痛みが有る為に、
夜泣きや、よだれが多くなるという。
ヘルパンギーナは飛沫感染するので、赤ちゃんのクシャミや咳からも感染したり、
他の子が使った積み木や玩具から感染する事もあるので、
ヘルパンギーナにかかると幼稚園などにも登校不可となる。
医者によると、大量のよだれもヘルパンギーナによるものという説明だったという。
ただ、赤ちゃんにはもう1つ、困った症状が同時に起きていた。
それが、やはり大量の目やにの発生である。
それは今まで無かった事で、今までは朝ティッシュで拭きとる程度だったのが、
今は朝起きると、大量の目やにで赤ちゃんが目を開けられない程だという。
しかし、担当医いわく、目やにもヘルパンギーナのせいだと思いますとの事だった。
実は赤ちゃんの目やには、ウイルスや細菌を排除する働きがあるという。
従って、自分が風邪になったときなど、ウイルスや細菌を体外に出そうと、
鼻水や目やにが普段より多く出るのだと言うのです。
また、赤ちゃんの目やには、防御反応として、ご両親が風邪をひいている時にも、
自分が風邪にならない様に、目やにが多くでて防ごうとするそうです。
つまり、大量のよだれと、大量の目やには、ヘルパンギーナのせいという事でした。
ところが、問題はここからでした。
医者に行った2日後には、高熱は下がり、夜泣きもしなくなりました。
普通なら、これでヘルパンギーナは治ったというケースですが、
梶原さんの娘さんは、違いました。
ヘルパンギーナが治まった後も、大量のよだれと、大量の目やには続いたのです。
医者によると、ヘルパンギーナは治まっているものの、
後遺症で、まだ、よだれと目やには続いているのはないかという事でした。
しかし、その症状は1ヵ月経っても治らず、
相変わらず朝は大量の目やにで目が開けられず、毎朝赤ちゃん専用の目薬を差し、
食べながら、大量のよだれを流すしているという。
しかも最近は、ちゃんと立って歩けなくなったという。
まるで足腰が急に弱くなったのか、
歩いていても少したつと手をついてしまうのだという。
こうして友人のツテを頼って、私に相談してきたのだった。
私が相談を受けた時は、まさかこれが霊障によるものだとは思わなかった。
赤ちゃんが、ちょうど2歳になると聞いて、
ああ、また「魔の2歳児」かと軽く考えていた。
実は、赤ちゃんがちょうど2歳になった頃を、「魔の2歳児」と呼ぶのである。
大体赤ちゃんの相談に来る悩めるお母さんに、話を聞くと、
2歳児である事が多い。
赤ちゃんノイローゼで自殺するお母さんも、2歳児がいたりする。
そんな事件もあってか、この年頃を「魔の2歳児」と呼ぶ人が多いのである。
この時期を乗り越えると、お母さんも少し楽になるのだが、
赤ちゃんとすれば、やっと歩き慣れてきた年齢で、活発に走り回ったり、
何かとお母さんに反抗したり、怒ったりして、自我が芽生える年なのです。
とにかくお母さんは、今までどおりに行かず心身ともに、参ってしまうのである。
だから、旦那さんもご両親も、子供が無事3歳になるまでは、
お母さん独りに負担を掛けない様してあげたい。
私も知り合いから是非ともと頼まれたので、
とりあえず一度、その赤ちゃんに会って診る事にした。
やがて、恐ろしい事が分かるのである。
後半は、明日のブログに続く。