●呪いの拠り所になった写真
このお話は、一昨日のブログ(●呪われた同僚)の続きです。
従って、一昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12207806270.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
ある日、こんな電話相談が来ました。「私、元同僚に呪われています。」
彼女は最近、胸が苦しくなるのと右腕が痛くなるという症状に悩まされいるという。
それは彼女が、現在の会社に就職した時の事である。
彼女は入社したての新人だったので、まだ会社の事がよく分からなかった。
そんな彼女に色々と教えてくれたのが、1年先輩のAさんだったという。
彼女達は仲良くなり、昼食を共に食べに行ったり残業を手伝い合ったりしたという。
やがて、1年が経った頃、A先輩が彼女にこんな事を言った。
「営業の田中さん、私好きなんだぁ。」
その頃、彼女は田中さん事はなんとも思っていなかったので、
「応援します。」と言ったという。ところが、その年の暮れだったという。
たまたま忘年会に参加した時、場の中頃だった。
幹事が席替えを提案して、その時彼女の隣に営業の田中さんが座ったという。
その時から段々と会社内でも挨拶を交わす様になり、付き合う様に。
そしてある日、田中さんは彼女にプロポーズしたのである。
彼女はA先輩には悪いとは思ったが、
その頃には自分も田中さんを好きになっており、彼女はOKした。
結婚式はA先輩の事もあって、彼の地元でひっそりと行ったという。
その後、二人は1週間休みを取って、バリ島に新婚旅行に行ったという。
しかし、帰国すると、A先輩は辞表を出して、会社を辞めていた。
聞いた話では、他の人に私を呪うと言って、辞めていったという。
それからほどなくして、胸が苦しくなり、
右腕も痛くなるという症状に悩まされる様になったというのだ。
別に彼女が、A先輩の恋人を取ったという訳とは違うのである。
「やっぱり、先輩は私を呪っているでしょうか?」と彼女は聞いてきた。
正直、A先輩が本当に彼女を呪っているのかは分からない。
しかし、呪っている可能性はあると感じた。
普通、こちらに非が無いのに一方的に怨まれ、呪われている場合、
呪いは威力を発揮しないのが、一般的な考えである。
ところが、彼女の身には、呪われている様な現象が起きている様だった。
それには、2つの理由があるのかもしれない。
■まず、A先輩が「呪う」と彼女に伝えた為に、
A先輩の呪う気持ちと、シンクロして、通じやすくなってしまっている事。
■もう1つは彼女は口では自分には非は無く、一方的に怨まれていると言う話だが、
結婚式を遠くの彼の地元でするなど、明らかにA先輩を避けている。
こういう逃げの態度も、逃げる方と追う方という立場でシンクロしてしまう。
そこで、一方的に元同僚に呪われているという彼女に、私がアドバイスしたのは、
■まず、玄関に人形や目のある置物や絵を置かない。
■玄関に入って来た人が写る様にして鏡を置く。(小さい物でもいい)
■小さい鏡を持ち歩く。例えばペンダントに鏡が付いているものとか、
■もし、A先輩に貰った物や借りた物があれば、捨てる事。
しかし、彼女はA先輩から貰った物や借りた物は無いという。
■外出した日は、必ず風呂に入り、体を洗う事。(呪いが治まるまで)
■頭の中に、彼女が浮かんだたら、「A先輩、どうか幸せになって下さい。」
と声に出して祈ってから、なるべく他の事を考えたり、音楽を聞いたり、
DVDを見るなりして、頭の中からA先輩の事を忘れる様にアドバイスした。
その後、彼女はキラキラしたブレスレット購入し、外ではそれを付けて出社、
A先輩を思い出した時には、先の魔法の言葉を何度も言ったという。
その甲斐あってか、胸の苦しみは外では無くなったのだが、
自宅に居る時は、なぜか少しではあるが、胸が苦しくなったり、
右腕が痛くなったりする時があるという。
魔法の言葉が効いているのは確かの様だが、自宅だけで起きるという、少ない痛み。
今までは、どこに居ても胸が苦しくなった彼女だったが、
現在は、自宅に居るときだけ起きるという。
何か見逃していたものがあったのかもしれない。
それも自宅が関係している可能性が大だ。
呪いで、自宅が関係しているとすれば、
A先輩から何か貰ったものは無いのかという事だ。
しかし、それは一番先に彼女に聞いた。
彼女の答えは、A先輩から貰った物や借りた物は無いという事だった。
念の為に夫の田中さんにも聞いたが、夫もA先輩から貰った物は無いという。
また、A先輩は彼女の家に来た事も無いし、
多分、この住所も知らないはずだという。
なぜなら、前の住所は知っていても、今住んでいる所は、
結婚後に、借りたマンションだからだ。
そこで、彼女に聞いてみた。
「何かその家に、A先輩に少しでも関係がある物はありますか?」
すると、彼女は少し考えてから、
「物はありませんが、
写真ならあります。」と答えた。
「えっ! 写真!?」
「もしかして、
A先輩と一緒に撮った写真なんかありますか?」
すると、あると思いますと言って、
引き出しを探して、何枚か見つけたという。
まだ彼女が会社に入社当時、A先輩と仲が良かったので、
よく一緒に食事に行ったりしていた時に、写真も撮っていたという。
私は写真の事をすっかり見落としていた。ミスである。
普通なら、写真の事も聞くのだが、
それは元恋人だったり、元同性愛者だった人や、
同級生だった人や、元家族だった人からの相談の時で、
彼女の様に、女性の元同僚の場合、
写真まで一緒に撮っているとは思わなかったのである。
実は、別にA先輩の写真があってもいいのだが、
1つだけもっていてはいけない写真がある。
その写真があると、呪いの拠り所となり、呪いの中継地点となって、
呪いの効果が持続したり、呪いの効果が高まったりするのである。
その写真とは、
呪っている人と、呪われている人が一緒に写っている写真である。
彼女に調べてもらうと、10枚あった写真の内、
1枚が、A先輩と一緒に写っている写真だった。
しかも、その写真は、A先輩が彼女の右腕をしっかりと組んでいる写真である。
もしかしたら、これが彼女の右腕が痛いという事と関係があるのかもしれない。
私はそのA先輩と一緒に写っている写真に塩を少しふってから、
外で燃やす様にアドバイスした。
ちなみに、記念だから燃やしたくないという場合には、
実家に送っておくとかして、自分の身の周りには置かない事である。
本来、A先輩と一緒に写っている写真だけを燃やせばいいのだが、
彼女は気持ち悪いと言って、A先輩が写っている写真全部を燃やしたそうだ。
すると、その後は胸や右腕が痛むという現象は無くなったという。
お話はこれで終わりだが、
個人的には、
A先輩も、本来は後輩思いのいい人だったのかもしれない。
今回の事は早く忘れて、幸せになって欲しいと願っている。
END