●呪われた同僚
人間生きていると、必ずどこかで羨ましがられたり、
快く思われない時はあるものです。
その位の気持ちであればまだいいのですが、それがエスカレートし、
本格的に呪われるという事になるのは、ほんの一部だと思います。
ある日、こんな電話相談が来ました。
「私、元同僚に呪われています。」
彼女は最近、胸が苦しくなるのと、
右腕が痛くなるという症状に悩まされいるという。
先週、医者に行ったのだが、胸も右腕も問題無かったという。
そこで、私は、彼女に、
「どうして元同僚は貴方を呪うのでしょうか?」と聞いてみた。
実は相談を受けるにあたって、
呪われる理由を聞く事は、とても大事な事なのである。
と言うのは、
同じ呪われるのでも、
■相手に呪われる様な事をして、呪われるべくして呪われているのか、
■相手に呪われる様な事をしていないのに、呪われているのか、
では全然対応の仕方が違ってくるからである。
だから、私は一番最初に聞く事にしている。
すると、彼女はこんな事情を話してくれた。
それは彼女が、現在の会社に就職した時の事である。
彼女は入社したての新人だったので、まだ会社の事がよく分からなかった。
そんな彼女に色々と教えてくれたのが、1年先輩のAさんだったという。
彼女達は仲良くなり、昼食を共に食べに行ったり、
残業を手伝い合ったりしたという。
やがて、1年が経った頃、A先輩が彼女にこんな事を言った。
「営業の田中さん、私好きなんだぁ。」
その頃、彼女は田中さん事はなんとも思っていなかったので、
「応援します。」と言ったという。
ところが、その年の暮れだったという。
たまたま忘年会に参加した時、場の中頃だった。
幹事が席替えを提案して、その時彼女の隣に営業の田中さんが座ったという。
その時から段々と会社内でも挨拶を交わす様になり、付き合う様に。
そしてある日、田中さんは彼女にプロポーズしたのである。
彼女はA先輩には悪いとは思ったが、
その頃には自分も田中さんを好きになっており、彼女はOKした。
結婚式はA先輩の事もあって、彼の地元とでひっそりと行ったという。
その後、二人は1週間休みを取って、バリ島に新婚旅行に行ったという。
しかし、帰国すると、
A先輩は辞表を出して、会社を辞めていた。
聞いた話では、他の人に私を呪うと言って、辞めていったという。
それからほどなくして、胸が苦しくなり、、
右腕も痛くなるという症状に悩まされる様になったというのだ。
そんな相談でした。
その話を聞いていて、私の最初の質問は、
「あれ? A先輩と田中さんって、付き合って無いんだよね?」
「はい。」
まぁ、A先輩が田中さんの事を密かに好きだったのは、分かるが、
恋愛は相手のある事。
田中さんが彼女を好きなら、これはどうしようもない。
別に彼女が、A先輩の恋人を取ったという訳とは違うのである。
話を聞く限り、相談者の彼女には非は無かった。
「やっぱり、先輩は私を呪っているでしょうか?」と彼女は聞いてきた。
正直、A先輩が本当に彼女を呪っているのかは分からない。
しかし、呪っている可能性はあると感じた。
その理由は3つである。
■まず、人を呪うという性格の人は、行動が極端である。
例えば好きな人には徹底的に尽くし、嫌いな人は排除する。
その点、A先輩は当てはまりそうである。
新入社員が何人もいる中で、彼女だけをとりわけ可愛がり、
他の新入社員には見向きもしなかったという。
そして、新婚旅行から帰る直前に会社を思い切って辞めている。
■A先輩が呪うと言って、辞めていった直後から、
彼女は、胸が苦しくなり、
右腕も痛くなるという症状に悩まされる様になったというタイミング。
偶然とは思えない。
■またA先輩が、「呪う」と同僚に言っているのも気になる発言である。
実は呪う相手に、「呪っている」というを伝えると、
呪いの威力は倍になるのである。
皆さんは、シンクロという言葉を聞いた事があるだろう。
これは英語SYNCHRONIZEから来ていて、
日本語にすると「同調する」という意味である。
つまり、気持ちが同じ土俵上にあると、より呪いが通じやすくなるのである。
呪う一方だけでは、通じにくいものも、
呪われる人も、自分は呪われていると思い始めると、
一方通行だった呪いが、通じやすくなってしまい呪われてしまうのである。
だから、A先輩はそれを知っていて「呪う」と言い残した可能性がある。
A先輩は、確信犯だ。
そう感じた。
どうする占い師。
後半は、明日のブログに続く。