●猫に憑りつかれた娘

 

 

 


猫の幽霊が出るという相談を受けた事がある。

 

 

 

 

 

 

それはある主婦の方からの相談だったのだが、

 


彼女には、高校生になる娘さんが居るのだが、

 

 

その娘さんが、どうやら夜中になると、

 

 

自分の部屋に猫の幽霊が出るみたいだというのである。

 

 

 

 


「出るみたい」だと言うのは、

 

 

相談者のお母さんは実際に猫の幽霊を見た訳では無いのだという。

 

 

また、娘さんもはっきりとお母さんに猫の幽霊を見たと言った訳でもない。

 

 

 


ではどういう事かと言うと、

 

 

夜中になると時々、娘さんは不可解な行動を起こすというのだ。

 

 

 

 


最初は、娘さんが真夜中に起きて、ひとりで外出しようとするので、

 

 

おかしいと思う程度だったという。

 

 

真夜中に高校生の女の子が出かけるというのは、危険なので、

 

 

最初に気がついた頃は、「こんな時間にどこに行くの?」と諭すと、

 

 

娘さんはすぐに出かけるのを止めたというが、

 

 

次の日の夜中も、その次の夜中も、出かけようするのである。

 

 

何度言っても、夜中に出かけようとするのだ。

 

 

しかも、娘に聞いても、どこに出かけるのか言ってくれない。

 

 

 

 


これはきっと、悪い友人かボーイフレンドが居るに違いないと、

 

 

ご主人が言った。

 

 

そこで娘に何度注意しても出かけようするので、

 

 

直接友人か男友達に、注意しないとダメだという事になったという。

 

 

 


こうして、娘さんが夜中に出かけるのを止めずに、

 

 

ご主人とお母さんが、娘さんの跡をそっとつけたという。

 

 

 

 

 


すると、娘さんは家から100m位離れた所にあるコンビニに入って行った。

 

 

きっとコンビニで待ち合わせしているのだろう。

 

 

どんな奴が、娘を呼び出しているのか確かめようと、

 

 

コンビニの中に居る娘さんを、外からずっと監視した。

 

 

 

 

 


しかし、娘さんはコンビニに入ると、何かを買うと、

 

 

誰にも会わずに、コンビニから出て来たのである。

 

 

 

 


ご両親は、娘さんが何を買ったのか確かめられなかったが、

 

 

きっと食材でも買ってこれから男の家にでも行くのだろうと思った。

 

 

 

 


そこで、コンビニから出て来た娘をなおもつけたという。

 

 

 

 


すると、なんと、娘さんはそのままどこにも寄らずに、

 

 

まっすぐ自宅に戻ったのだった。

 

 

 

 


もしや跡をつけられているのが、バレたのだろうか。

 

 

 

 

 

そう思って、次の日の夜中も娘さんをこっそりつけたという。

 

 

しかし、何度つけても、娘さんはコンビニに行って、何かを買い、

 

 

また自宅に戻るを繰り返すだけだったのだという。

 

 

 

 

 


こうなると、今度は、娘が夜中に何を買っているのかが、気になった。

 

 

 

 

 

そこでじっと外からコンビニの中の娘の様子を伺っていると、

 

 

どうやら、毎回娘は何かの缶詰を毎回2つ買っている様だったので、

 

 

娘がコンビニから出た後、何を買ったのか、

 

 

その売り場を見にコンビニ入って確かめた見たという。

 

 

 

 

すると、なんと、

 

 

それは猫の缶詰の売り場だったのだという。

 

 

 


なんで娘は猫の缶詰なんて夜中に買いに来るのだろうか。

 

 

夫も彼女もそれが不思議に思えて仕方が無かった。

 

 

なぜなら、家には猫はもちろんの事、動物はいっさい飼っていないのだ。

 

 

 

 

 


もしや、娘は猫の缶詰を自分で食べているのではないか。

 

 

そんな不安にかられたという。

 

 

というのは、ゴミの日に娘の部屋のゴミを集めた時に、

 

 

ゴミの中から、ちり紙に包んだ猫のエサと、空き缶があったからだ。

 

 

 

少しだけ食べてみて、あとは捨てたんだろうか。

 

 

 

 


そこで、思い切って学校から帰って来た娘に聞いてみたという。

 

 

「あんた、なんで猫の缶詰なんて食べたの?」

 

 

 


すると、娘から、逆に変な事を聞かれたという。

 

 

「それより母さん?

 

 

 私の部屋に朝、誰かがお皿に猫のエサを乗せて置いて置くの」と言うのである。

 

 


娘さんの話では、

 

 

朝起きると、猫のエサの空き缶と、

 

 

お皿に盛った猫のエサが、部屋の隅に置いてあるという。

 

 

 

 

母さんか父さんかお祖母ちゃんがやったのか、と逆に思っていたというのだ。

 

 

お祖母ちゃんだったら、ボケたのかと思うので、

 

 

今度部屋に置きに来た時に確かめようと、ずっと思っていたと言うのだ。

 

 

 

 

 


しかし、それよりも不思議だったのは、

 

 

娘は、夜中にコンビニに猫の缶詰を買いに行った事を覚えていなかったのです。

 

 

多分、缶詰を開けて、皿の上にエサを盛って部屋の隅に置いたのも、

 

 

きっと娘でしょう。でもそれも覚えていないのです。

 

 

 

 

 


これはボケているのは、お祖母ちゃんではなく、娘だと思い、

 

 

翌々日、娘さんを病院に連れて行って、脳の検査をしてもらったといいます。

 

 

 

 


しかし、脳の検査をしてみても、

 

 

若年性のアルツハイマーでは無いという診断でした。

 

 

 

確かに娘は学校でも、優秀な方だったので、ボケでは無いのは確かだと思います。

 

 

 

 


医者に言わせると、

 

 

もしかしたら、夢遊病かもしれませんね。という事でした。

 

 

 

 


娘は自分がやった事だとは信じられなくて、かなりショックだった様です。

 

 

それでも、少しだけど心当たりがあるという。

 

 

 

それは1年ほど前、学校の帰りに、

 

 

空き地に、段ボール箱に置いてあり、2匹の猫が捨ててあったという。

 

 

とてもお腹が空いている様子だったが、友人とカラオケに行く所だったので、

 

 

きっと誰かが見つけて保護するだとうと、そのままにしてきたという。

 

 

 

 


もしかしたら、そのまま餓死して、

 

 

私を呪っているのかもしれないというのだ。

 

 

 

 

 

もし、その時の猫の呪いなら、どうすれば良いでしょうか。

 

 

 


そんな電話相談でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて、もっと怖い事実が分かるのである。


後半は、明日のブログに続く。