●冷たい仏壇



ある年のお彼岸の時期に、こんな電話相談がありました。


ちなみに、お彼岸は年に2回あり、

この時は3月の春彼岸の時でした。



春彼岸は、その年の秋分の日を中日として、その前3日間と、後ろ3日間の、

合計7日間をいい、最初の日を彼岸の入りといい、

最後の日を彼岸のあけと呼んでいます。

秋彼岸の場合は9月の秋分の日を中日として、その前後3日間を入れた7日間です。






さて、そんなお彼岸の期間中に、

その相談者宅に、従姉妹の方が訪れて来ました。

相談者の家の近くに実家のお墓があるので、遠くに嫁いだ従姉妹の方が、

毎年この時期になると、墓参りの後に家に寄ってくれるのだそうです。

従姉妹家族は、家に寄ると必ず仏壇に手を合わせてくれるのですが、

今年来た時に、変な事を言われたという。


それは、

「なんか、この仏壇の前、異常に寒くない?」

えっ、と思って、私も仏壇の前に座ってみると、

確かに、仏壇の前だけ異常に寒いのです。






仏壇が置いてある部屋は、6畳の畳の部屋なのですが、

その日は、クーラーなども入れてなくて、

普通に考えれば、その部屋のどこに居ても、同じ温度なはずです。

しいて言えば、11時頃だったので窓際に近い場所であれば、

逆に温かいと感じる場所もあるでしょうが、寒いとなると訳が分かりませんでした。






それから、彼女が居間に居たご主人を呼んで、

ご主人にもお線香をあげてもらい、その後感想を聞いてみると、

なんと、別に変った感じは無いといいます。


そこで、再び私と従姉妹が仏壇の前に座ってみると、

さっきの異常な寒さは無くなっていたのです。




私と従姉妹は、何かキツネにつままれた感じでした。





その後、子供達にもお線香をあげさせたのですが、

やはり、主人と同様、仏壇の前が冷たいという感覚はまったく無いといいます。




結局、仏壇の前に座って、異常な冷たさを感じたのは、

私と従姉妹の二人だけでした。





私もこんな事は、今まで経験が無く、

従姉妹も、始めてだといいます。




それからみんなで昼食をとり、子供達や夫はテレビを見たりしていましたが、

私と従姉妹は、さっきの不思議な現象が頭から離れず、

ずっと、二人で考えていました。





従姉妹が最初に、口にしたのは、

仏壇の扉を開けたのが、私が来た直後だったんじゃない? という事でした。





つまり、仏壇の扉を閉めていると、

日光が照らし始めた部屋は暖かくなるけど、

日光が当たっていない仏壇の中は、まだ寒いまま。

そんな時、仏壇の扉を開いたので、仏壇の中の空気が外に出て、

最初の私と貴方の時だけ、冷たく感じ、

だいぶ時間が経った後の主人と子供達の時は、もう感じ無くなっていた。







確かに、それだとつじつまは合います。






でも、私は朝起きた時点で、仏壇の扉を開けてお水を供えているのです。

普通の日なら、忘れる事もありますが、

今日はお彼岸ですし、それは間違いありませんでした。

だから、従姉妹が来た時に仏壇の扉を初めて開けた訳ではないのです。







次に従姉妹が指摘してきたのは、

お彼岸の期間が始める前に、

ちゃんと仏壇の掃除を済ませて、花を飾ってから、

お彼岸の入りを迎えた? と聞いてきました。





実は、仏壇の掃除は年末の大掃除の時にするだけで、

お彼岸やお盆の前に掃除しておかなければならないというは知りませんでした。

花もお彼岸の期間に入ってから買って来て飾ったのでした。






従姉妹は、もしかしたら、それがご先祖様の冷たい眼差しとして、

表現されたものじゃないかと言うのです。





「本当にそうなのでしょうか。

 もし、分かれば教えて欲しいです。」




そんな仏壇の、ちょっと不思議な現象についての電話相談でした。

 


後半は、明日のブログに続く。