●2人のお父さん

 


このお話は、昨日のブログ(●言葉アレルギー)の続きです。

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12176692696.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ


あるOLの方からの相談だったのですが、

彼女は、ある不思議な現象に悩んでいました。それは、消防署です。

不思議なのですが、友達と話していても、

テレビやラジオを聞いていても、その会話の中に、

「消防署」というフレーズが出ると、なんか気持ち悪くなるというのです。

それはまるで、「消防署」という言葉アレルギーというものでした。

また、それは言葉だけではなく、街中で、たまたま消防署の前を通ったり、

テレビの画面の中に消防署が出た場合でも、気持ちが悪くなるというのです。

彼女の話を聞いていくと、もう1つ不思議な事が分かりました。

それは「消防署」と聞いて気持ちが悪くなる様になったのは、

ここ半年前からだと言うのです。彼女は何故、半年前から

「消防署」という言葉アレルギーになってしまったのでしょうか。

この時点では、私はさっぱり見当もつきませんでした。



























 

 


私がまず最初に彼女に聞いたのは、

「半年前に、何かありませんでしたか?

 特に消防署に関係して。」でした。




言葉アレルギーが急に半年前に起き始めたのには理由があると思ったからです。





しかし、彼女は半年前を振り返ってよく考えてみても、

別に変った事は起きていないといいます。


「では、半年前でなくてもいいので、

 消防署に何か関わった事、もしくは知り合いはいませんか?」


という問いに対しても、特にそういう方は思い浮かばないというのです。




大抵は、この2つのキーワードである、

「半年前」と「消防署」に何かしら引っかかる事が出て来るものなのですが、

彼女は、そのどちらにも思い当たる事が無いといいます。






こうなると、私もお手上げ状態です。




手がかりがまったく無くなりました。

電話相談の限界というところです。






ただ、この言葉アレルギーの様に、「消防署」などと、

何かの言葉を聞くと、気持ちが悪くなるとか、

何かを見ると、気持ちが悪くなるという霊障は、

直接的なものではありません。


どういう事かと言うと、

霊障が起きるという時は、大抵貴方がどんな生活をしていても、

急に起き始めます。病気になったり、体が痛くなったり、歩けなくなったりと、

霊が直接貴方の体に訴えてくる直接型霊障です。

それに対して、今回の言葉アレルギーというものは、間接的です。

つまり、「消防署」という言葉を聞かなければ、気持ち悪くならないし、

「消防署」というものを見なければ、気持ち悪くならないものです。

うまくすれば自分で起きないようにコントロール出来ます。



こういう間接的な霊障の場合、分かっているのは、

直接型の霊障よりも、かなり怨みが弱いという事です。

だから、最悪彼女の言葉アレルギーの原因が分からなくても、

そんなに大して悪い結果にはならないでしょう。



一応彼女には、それを説明して多少は安心してもらいましたが、

それでも原因が分からないというのは気持ちが悪い事ですし、

またこの先ずっと「消防署」という言葉に悩まなくてはならないので、

出来れば、この電話相談の時間内に原因を突き止めたい所です。









そこで、ちょっと変わった質問をしてみました。

「昔から消防署って嫌いだった?」

すると、意外な答えが返ってきました。




「いいえ、むしろそれまでは消防署は大好きでした。」と言うのです。


 


「大好き? なんで?」




すると、彼女は、「私、消防車に乗った事があるんですよ。」という。


昔、彼女が4歳位の時に、近所に消防署に勤めるお兄さんがいて、

時々家に来て遊んでくれたという。



そして、その方が非番の時に、

彼女を消防署に停まっている消防車に乗せてくれたのだという。

普通よっぽどの縁が無ければ、消防車には乗せてもらえない。

ちなみに、私個人としては2度ほど救急車には乗ったが、

消防車には乗った事が無い。






彼女は現在母子家庭で、母親と二人暮らしである。

彼女が2歳の時に、サラリーマンだったお父さんを病気で亡くしている。

つまり上のお兄さんの話は、彼女のお父さんが亡くなってから2年後の事である。

「その近所に消防署に勤めるお兄さんとは、その後どうなったの?」

「お兄さん、病気で亡くなったんです。」





話の流れで出て来た「消防署」に関係する亡くなった人。

私は、絶対この亡くなったお兄さんという人物が関係していると感じた。








私はよく「呼ばれている」という言葉を使う時があるが、

彼女が私との雑談の中で、ふと20年も前の出来事を思い出したのも、

決して偶然では無い思っている。

何らかの形で、彼女が話す様に呼ばれていたのだ



私はその消防署に勤めていた亡くなったお兄さんが、

今回の件に、何か関係していると感じた。








そこで、当時まだ4歳だった彼女には分からないだろうから、

お母さんに、そのお兄さんについて聞く様にアドバイスした。










すると、翌日、また彼女から電話があった。








彼女いわく、お母さんはこんな話をしてくれたという。




それは、彼女が2歳の時に、父親が病気で亡くなり、

お母さんは子育てと、仕事で大変だったという。



そんな時に出会ったのが、消防署で働くあのお兄さんだった。

お兄さんは、お母さんよりも年下なのに、しっかり者で、

こんな年上の子連れのお母さんと、真剣に結婚を考えてくれ、

4歳の彼女も、まるで自分の子供の様に遊んでくれ、

その時、職場に連れてってくれ、消防車にも乗せてくれたのだった。




やがて、二人は結婚。


というはずだった。





ところが、式をあげる3ヶ月前にお兄さんは交通事故に遭い、

帰らぬ人となってしまったのである。





ただ、病院で亡くなる直前、お兄さんはお母さんに、

今まで貯めた貯金の半額を、二人の為にと遺したという。






そんな過去があったのだった。







 

私はその話を聞いて、全てが分かった様な気がした。

お母さんとお兄さんが、お互いに結婚を誓い合ったのが、


お母さんが25歳の時だという。



そして、彼女の言葉アレルギーが始まったのが25歳


私はよく「年齢の時限爆弾」と呼ぶ事があるが、


霊が最も大切で拘っている年齢に、誰かが達すると、

霊障が起き始めて、自分を思い出してもらおうとする現象である。




つまり、誰かが同じ年齢になる時に霊障が起きるという年齢の時限爆弾である。


今回の場合、彼女がお母さんが自分と結婚を約束してかつ亡くなった、

25歳に達した時に、起き始めたという訳である。








では、なぜその様な霊障が起きたのだろうか。







それも話を聞くとすぐ判明した。





お母さんとお兄さんは、結婚の一歩手前まで来ていながら、

結局は結婚していない。


だから、お母さんも前の夫の手前、仏壇でお兄さんを供養する事も無く、

墓参りも亡くなった時以来一度もした事が無いと言う。



もしかしたら、忘れ去られてしまっているお兄さんは寂しかったのかもしれません。






私はそんな彼女に、こう言いました。





結婚は、普通結婚届を出した時点で成立します。

でも、それは今の世界が便宜上決めた紙の上の手続きであって、

中には、結婚届を出していなくても、もう夫婦という魂が存在します。






きっと、その亡くなったお兄さんも、

貴方の成長を見守っている、貴方の立派なお父さんだと思いますよ。





だから、貴方のお母さんにも伝えて下さい。




二人のお父さんを供養してあげて下さい。

たまには、お兄さんを思い出してあげて、供養や墓参りをしてあげて下さいね。






その後、お兄さんの供養を、

父とは別の場所に祭壇を作り供養し、墓参りをし始めると、

不思議と消防署の言葉を聞いても気持ちが悪くならなくなったという。

というより、むしろ消防署の前を通ると、明るい気持ちになる様になったそうだ。







彼女は現在母子家庭で、生活が苦しいかもしれませんが、

これからきっと、幸せな人生になっていくに違いない。


なにしろ、









 

 

2人のお父さんに、見守られているのだから・・・

END