●インチキタロット占い師



 

常連のお客様になりますと、

占いが終わった後などに、雑談で、



「実は、先日、こんな事がありまして・・・」などと、

他の占い師の事などを話してこられる方もいらっしゃいます。





 

ある日、そんな常連さんの一人が、

「この前、インチキタロット占い師がいました。」と話し始めたのです。

それは彼女が偶然あるデパートに行くと、

その一角で臨時に占いが行われていたそうです。


タロット占いという事で、彼女も興味があったので、

1時間ぐらい並んで、診てもらったそうです。

料金は2000円だったそうです。





その時に、彼女は占い師の女性の方に、

恋人の事や、実家の事、仕事の事などを相談したそうです。




しかし、実家と仕事の事はしっくりした答えだと思ったのですが、

恋人の事については、ちょっと違うなぁと感じたというのです。




まず、タトットカードの並べ方が、

彼女が今まで見た事も聞いた事も無いやり方だったそうです。

それに、カードを開けてからのリーディングがとても遅いそうで、

カードが出ているのに、そのカードはスルーして、

違う読みやすいカードを開いて説明したり、

開いたカードをこっちに見せてくれないまま説明したりするそうです。



そして決定的だったのは、

恋人のカードというものがあるらしいのですが、

そのカードが正位置に出たのに、その占い師の方は、

まったく逆の事を彼女に告げたそうです。



普通、恋人のカードが正位置に出ると、

恋人になるとか、結婚に進んでいくなどの良い事なのに、

占い師が彼女に告げたのは、彼の浮気が心配されるという事だったそうです。

それで、もう信じられなくなったというのです。


実はその方も、結構占い大好きな女性のお客様で、

自分でもタロットを趣味でやっているという方でした。

だから、家にはタロットの本が沢山あり、

ことタロットに関しては、私よりも詳しいのです。




 


私はタロットはやりませんので、

タロットの細かい事はよく分かりません。






ただ、そんな私が彼女に言ったのは、

「その占い師さん、インチキじゃないかもしれませんよ。」





実は、有能なタロット占い師には2種類あって、

■ひとつは、自分の守護霊や相談者の守護霊によって、

伝えるべきメッセージを開いたカードによって、読み取る人。

まぁ、これが一般的だと思いますが、




しかし、私がアメリカで出会ったタロット占い師は、

それとは別次元の方でした。



その方は、一応タロットカードを使って占うので、

タロット占い師という事になるのでしょうが、


その方いわく、一応タロットカードを使っているけど、

調子が良い時だと、タロットカードを触っているだけで、

一枚もめくらなくても、結果が分かってしまう事があるのよ。と言うのです。




つまり、タロットの絵のメッセージが伝えるべき言葉を診る手段ではなく、

タロットカードを触っている事自体が、大切だと言うのです。



 

タロットカードを触ったり、混ぜたり、配ったりしていると、

言うべきメッセージが、出たカードに関係無く、

彼女の頭の中に、降りてくるというのです。




だから、タロットカードは彼女にとって、

読み取るものではなく、言葉が降りてくる為の手段だと言うのです。




こういう事は、タロットに限らず、

他の占い方法でも共通して、聞く事です。





例えば、台湾のある占い師さんは、

方位盤を棒で叩いているだけで、メッセージが降りてくるという方もいます。

その場合、別に方位盤が何かを指し示しているのではなく、

方位盤を叩いている行為そのものが、その方のメッセージの受け取る時の、

一番調子が良い方法なのでしょう。

それは長年のその人の経験から得た方法だと推察されます。



 

それに、デパートで占いをやるなんて、

なかなか出来ない事だと思いますよ。良い占い師さんなんじゃないですか。



「かやさんは、ライバルの人でもけなさないんですね。」


「えっ、別に、他の占い師の方をライバルだと思ってませんから。」


「みんな悩める方の相談に乗ってあげて、良い人達だと思ってますよ。


 だって、ボランティアで震災場所に、人助けに行く人達だって、

 他のボランティアの人達をライバルだとは思ってないでしょ。

 それと同じだと思いますよ。」


END