●天使の笑顔

 


このお話は、昨日のブログ(●悪魔の子・オーメンの様な赤ちゃん)の続きです。

 

従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12166079850.html

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




























 

[前回までのあらすじ


大学生の方からの相談だった。姉が産んだ子が悪魔の子ではないかと言うのである。

まだ生後5ヶ月という男の子の赤ちゃんなのだが、とても不気味なのだという。

相談者の女子大生の妹さんは、両親と住んでいる方で、自宅から大学に通っている。

お姉さんは、大学も就職も東京で、大学入学時から家を出ていたのだが、

1年前に、ふとすべてを捨てて、独りで実家に戻って来た。

そんなお姉ちゃんは妊娠していたという。

しかも、両親が問いただしても、子供のお父さんが誰だか言わない。

ただ、自分で育てると言うだけなのだそうだ。やがて、姉は男の子を出産。

自宅で育て始めた。ところが、姉の赤ちゃんを見ていると、

普通の赤ちゃんとは、ちょっと違うのに気がついたという。

■まず、産まれた時から、今までずっと笑わないというのだ。

普通はケラケラよく笑うのが赤ちゃんだが、

姉の赤ちゃんは、まったく笑わないのだという。

■次に怖いと思ったのは、その赤ちゃんを見に行くと、

決まって彼女の方をキツイ目で睨むのだという。最近は段々と、私が姉の妹で、

敵では無いと認識してくれたのか、睨まれる事は少なくなったそうだが、

それまではまるで敵という感じで、彼女の事を睨みつけたというのだ。

そして、彼女が姉の赤ちゃんがオーメンに似ていると思った事が2つあるという。

■その1つが、数字の6を象った様なニキビの形。姉の赤ちゃんは、

普通の赤ちゃんには無いようなニキビが顔のおでこと、ほっぺたに沢山出来ていて、

特に右のほっぺたに出来たニキビが、全体的に6の数字に見えるという。

そして決定的だったのは、彼女の実家の近くにペットショップがあるそうなのだが、

ある日、その赤ちゃんがそのペットショップの前を通ると、

急にその店にいたサルが異常に騒ぎ始めたのだ。

そして、それにつられるかの様にして、他の犬達が吠えだしたのである。

それは彼女と赤ちゃんが、そのペットショップからだいぶ離れるまで続いたと言う。

それが一度だけなら、偶然かもと思うのだが、実はそのペットショップは、

自宅とスーパーの間にあり、スーパーに行くと必ず通る場所にある為、

どうしてもその前を通るのだという。ところが、今まで4回通って、

4回ともサルが騒ぎだし、やがて犬が続いて吠えだすという現象が、

毎回起きたというのだ。しかも、不思議とそのサルは、まだ私達の姿が

見えないと思われる店まで10m離れた場所から、もう騒ぎ始めるという。

誰の子か、言わない姉。6の数字が浮き出る顔。

笑わない。そして敵を睨む様にして見る赤ちゃん。

姉の赤ちゃんに対してだけ、異常に脅えるサル。

それらは、まるで映画The Omenに出て来る。

悪魔の子・オーメンの様で、怖いんです。と彼女は相談してきた。

確かに、悪魔の子・オーメンと、お姉さんの赤ちゃんが似ている感じがした。




























 

 

 

相談者は、お姉さんの赤ちゃんが、

オーメンと似ているという現象を訴えるが、




オーメンというもの自体が、映画が作り出した架空の物語である。

例えば、猿飛佐助やシャーロック・ホームズが、

実在する人物だと思っている人と同じである。





実は、信じられないだろうが、映画やテレビドラマ・小説に書いてある事を、

鵜呑みにして、悩んで相談に来られる方は多い。



 


そもそも、映画のオーメンは頭のつむじ付近に6の数字が3つ現れていたのに対し、

お姉さんの赤ちゃんはほっぺのニキビが全体的に6に見えるというもの。

柳の下にお化けがいる思うのと同じで、偶然ニキビの出来方が6に見えたのだろう。




また、姉の赤ちゃんは、まったく笑わないのだというのだが、

普通の方は、赤ちゃんは笑っているイメージを持たれている方が多いと思うが、

実は、赤ちゃんは生後2ヵ月までは、笑わない


それでもお母さんは、赤ちゃんは産まれた時から笑って寝ているという様に、

小さい頃から笑っていると感じるのは、新生児微笑という現象です。







新生児微笑とは、産まれて間もない頃から、

ミルクをあげた後や、抱っこしている時に、

赤ちゃんが自然とニコッと笑った様な笑顔になる現象をいい。

実はこれ、赤ちゃんが無意識に見せる生れ持った本能の動きなのです。

だから、その時の赤ちゃんの感情や気分とは関係が無い笑顔なので、

眠っている時にも、そういう顔に自然になります。

生れた時から、両親に好かれる存在になる為に防御本能の1つと言ってもいいでしょう。




 

やがて、生後2ヵ月を過ぎると、お母さんの反応など見て、

笑顔になるとお母さんが喜んでくれるとかを学びだし、

赤ちゃんが自分の意思で、笑顔になるのは生後3ヶ月後~半年と言われています。

とは言っても、赤ちゃんそれぞれに個性があり、新生児微笑が不得意という子は、

自分の意思で笑顔になる半年まで、今回の5ヶ月の赤ちゃんの様に、

笑わない赤ちゃんと間違って思われてしまう事もあります。

欧米では、この新生児微笑の事を、天使の笑顔と呼んでいます。










次に、姉の赤ちゃんは私を敵視して睨むとありましたが、

これも誤解でしょう。








最近は段々と、私が姉の妹で、敵では無いと認識してくれたのか、

睨まれる事は少なくなったそうですが、これにも理由があります。







実は、赤ちゃんは産まれた時から可愛い目をしているので、

普通の方は、はっきり見えていると思ってしまいますが、





新生児は、ほとんど目が見えません



生後3ヶ月位になって、やっとぼんやりとお母さんの顔の輪郭が、

見えてくる程度だとと言われています。





それまでは、声がする方に反応して、可愛い目もそっちに向くので、

見えていると勝手に勘違いしている場合がほとんどです。



 

それでもぼんやり見えるので、

頑張り屋さんの赤ちゃんだと、なんとか目を凝らして見ようとします。

それが睨むという現象になってしまうのです。

つまり、よく睨んだ顔をする赤ちゃんは、憎くて睨んでいるのではなく、

よく見ようとする、頑張り屋の赤ちゃんなのです





 

まだ彼女の大学生なので、知らないのも当然だと思いますが、

私から見ると、ごく普通の赤ちゃんという感じを受けます。





 

ただ、じゃあ彼女の相談は、全て的外れかと言うと、

最後のペットショップでサルが騒ぎ出すという話だけが、引っかかります。




 

まぁ、サルが騒ぎ出すので、それに釣られて他の犬が吠えだすのは、

自然な事なので、それはいいのですが、



 

私が特に気になった部分は、



「不思議とそのサルは、まだ私達の姿が

 見えないと思われる店まで10m離れた場所から、もう騒ぎ始めるという。」

という部分です。






 

 


まだ、赤ちゃんの姿を見ない内から、騒ぎ始めるという。



 


ここだけが、





 


何か、嫌な予感がした。


最終話は、明日のブログに続く。