●彼と気まずい別れ方をしたら・・・
このお話は、昨日のブログ(●首を絞めるアパート)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12155643011.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
引っ越したばかりのアパートの家相を診て欲しいという電話相談があった。
若い女性からの依頼である。1ヵ月程前にこのアパートに引っ越して来たと言う。
引っ越して間もない頃から、夜寝ていると、首を絞められる感覚に襲われたり、
首を絞められる様な感覚の夢を見るのだという。2Kである。
玄関を入るとすぐにキッチンがある部屋と同じ空間になっていて、
その先に4.5帖の洋室があり、その先に6畳の和室、そしてベランダである。
和室とベランダはほぼ南向きで、悪く無い。
依頼されたので家相を診てはみたが、大体こういう問題は家相には関係が無い。
家相の悪い家に引っ越して、1ヵ月で何か起きるという事はまず無い。
1ヵ月以内にその家で異変が起きるとすれば、家相では無く、その土地の問題か、
過去にそこに住んでいた人もしくは、そこで起きた事件に起因していると、
考える方がいい。例えば、そこが昔墓地だったとか、
以前そこに住んでいた人が自殺したとか、そこで殺人事件があったとかである。
しかしアパートでの空部屋は1件だけで、周りにも空家なども無いという。
また、契約書にも事故物件とは書いてないし契約時にもそんな話は無かったという。
そこで、彼女の部屋の写真を見せてもらう事にした。彼女に聞くと、
トイレや玄関や、風呂やキッチンは特に気持ち悪くなる様な場所は無いというので、
首を絞められる夢を見たりする4.5帖の洋室と、
6畳の和室の写真を重点的に撮って見せてもらう事にした。
私は最初、彼女が夜寝ていると、首を絞められる感覚に襲われる事がある。
というので、これはもしかしたら、
この部屋で首つり自殺したとか、
彼女のご先祖に、首吊り自殺でもした人がいるのではないかと思ったが、
今の所、物件でそういう事件が起きたという事実は浮かんでこないし、
彼女に聞いてみて、彼女の家系で自殺した人の事を聞いた事は無いという。
それに、この部屋に引っ越してから起き始めているので、
家系の問題では無いのかもしれないと思った。
また、この部屋で自殺した霊が居たとしても、
いきなり赤の他人の首を絞めてくるというのは、ちょっと性急過ぎると思った。
霊が居たら、まずはその気配がして、ラップ音がしたり、
霊の姿を見たり、金縛りがきたり、気持ちが悪い現象が起きたりするものだ。
しかし、彼女はいきなり首を絞められるという現象の他には何も無いと言う。
何か、おかしい。
そこで、彼女の部屋の間取りを見ても、特に悪い所は無いので、
実際の彼女の部屋の写真を見せてもらう事にしたのだが、
4.5帖の洋室と6畳の和室の写真を見て、驚いた。
何が驚いたって、
部屋に、何も荷物が無いのである。
家相を診て欲しいと言われて、
何も無い部屋の写真を見せられたのは初めてである。
僅かに、空き部屋と違うと言える部分は、
6畳の和室には薄いカーテンがあり、
畳の上に、折りたたみの小さいテーブルが1つあるだけである。
4.5帖の洋室に至っては、借りる前の空き部屋のままだ。
引っ越してから1ヵ月とはいえ、物が無さ過ぎではないだろうか。
と思いながらも、キッチンの写真も見せてもらう。
やはり、キッチンにも物が少ない。
台所には、湯沸しはあるものの、
電子レンジや炊飯器も、冷蔵庫も無い。
あるのは、コップ1つと皿3つ位と茶碗である。
いくら独り暮らしとはいえ、25歳の女性の家にしては寂しい。
さすがの私も、つい聞いてしまいましたよ。
「テレビは見ないんですか?」
「電子レンジと冷蔵庫ぐらいあった方がいいんじゃないですか?」
すると、彼女から意外な答えが返ってきた。
「テレビも電子レンジも冷蔵庫も持ってましたが、
元彼の家に置いてきてしまいました。」
意外な出来事が分かった時、
私はその意外な出来事について詳しく聞く事にしている。
なぜなら、意外な出来事の表れは、
不思議な出来事の原因になっていた事がよくあるからだ。
そこで彼女に、事情を聞くと、
2ヵ月前まで、元彼と同棲していたという。
しかし、彼の束縛が激しく、異常に嫉妬深い彼の元から逃げ出したという。
ただ彼と別れたという気持ちで、仕事先も辞め、
荷物はスーツケース2つ分だけを持って、後は置いて出てきたというのだ。
最初の1ヵ月は友人宅を転々として、アルバイトを見つけて、
最近やっとこのアパートに入居したという。
だから、まだ電子レンジやテレビを買う余裕が無いというのだ。
なるほど。そんな事情が隠れていたのか。
しかし、そういう事情があったとしても、
このアパートに引っ越してから起き始めるという、
夜寝ていると首を絞められる感覚に襲われる現象とが、つながらない。
なにせ、元彼の元から逃げたのであるから、
もう彼とは会っていないし、元彼もこのアパートを知らない。
ただ、1つ気になる事があった。
それは、
彼女が逃げて来たという元彼は、
とても束縛が激しく、異常に嫉妬深い男だという。
何か分からないが、気になる。
と言うのは、
彼女が首を絞められるという感覚と、元彼の束縛が激しいというのが、
なんとなくイコールに思えたのだ。
ただ、今はその彼と暮らしていない。
可能性があるとすれば、それは1つしか無い。
私は彼女に聞いてみた。
「元彼から何かもらった物はありせんか?」
「指輪とかアクセサリーですか?」と彼女。
「いや、何か、
首を絞められる物。」
「首を絞められる物?ですか?」
「例えば、
手袋とか、ゴム手袋とか、
手がある物、例えば、
人形とか、手が有るヌイグルミとか・・」
すると、彼女は少し考えてから、
「ミッキーのぬいぐるみをプレゼントされた事があります。」と言った。
「そのぬいぐるみ、今どうしています?」
「寝る時、横に置いて一緒に寝ています。」と彼女。
「もったいないと思いますが、
そのぬいぐるみ、お焚きあげに出してみませんか?」
すると、彼女は明日にでも神社に行ってお焚きあげしてもらうと言った。
その後、
夜寝ていると、首を絞められる感覚に襲われるという現象は、
それ以来、起きなくなったという。
多分、プレゼントされた人形が、
元彼の生霊の中間地点になっていたのだろう。
ちなみに、元彼と別れた直後に友人の所を転々していた時期は、
恥ずかしいので、一緒に寝るという事はせずに、
ぬいぐるみはスーツケースから出さずにいたという。
希にこういう事が起きるのである。
ただし、元彼から貰った物全てがこういう現象を引き起こすとは限らない。
元彼の性格に寄るのである。
■まず、貴方を諦めていない別れ方をした場合で、
■その元彼が、執念深くて、束縛するタイプの男性である。
■もしくは、1つの事に集中するタイプで、暗いタイプで社交的で無い人。
そんな彼と気まずい別れ方をしたら、
そんな彼から貰った物とも、お別れした方がいいかもしれません。
END