●南国フルーツの怨み
このお話は、一昨日のブログ(●住宅リフォームと嗅覚障害)の続きです。
従って、一昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12147522026.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
母の姉の家の隣に、安田さんという姉の友達が住んでいるのですが、
その安田さんという奥さんが、最近嗅覚障害になってしまったというのです。
2つの耳鼻科に行っても、治らず、もうかれこれ2ヵ月経っているといいます。
そして、最近では、何を食べても味が分からないという、
味覚障害にもなりつつあるという。大学病院に行っても一向に治る気配は無く、
安田さんは、「どうも私の嗅覚障害は、病気じゃないのかもしれない」
と彼女いわく、色々な医者に行ってもう半年、一向に治る気配が無い事から、
これはオカシイと思い始めたそうです。そこで、彼女が一番気になったのが、
半年前にしたという、住宅リフォームでした。よく考えてみると、
嗅覚障害がおき始めたは家を一部リフォームしてからだと気がついたというのです。
もしかしたら、リフォームで家相を悪くしてしまったのではないか。
それか、リフォーム自体をしてはいけなかったのか。
一応私も、その時安田さんと電話で直接話して、それまでの話を聞いたのですが、
さっぱり原因は分かりませんでした。
というより住宅リフォームをして、嗅覚障害になったというのは聞いた事がありません。
また、リフォーム前の見取り図と、リフォーム後の家の見取り図と写真も、
後日送ってもらったのですが、さっぱり悪い所が見当たりません。
それから、2ヵ月程経ったお盆。私と母が実家の伯母の家に寄った時でした。
伯母の家に行くと、安田さんがいました。
あれから、8ヵ月、病状は進んでいるとの事でした。まぁ、隣の家ですし、
一度は乗りかかった船です。私は一度安田さんの家を見てみる事になりました。
さっそくリフォームしたという台所を見せてもらいました。
前の台所は閉鎖的で暗かったといいます。
だから、思い切って150万円かけてリフォームしたそうです。
リビングと台所の間の壁に穴を開けて、台所で料理している奥さんの姿が、
リビングから見える様になる事によりキッチン全体が開放的になり明るくなった。
彼女が行なった住宅リフォームは、台所のみのもので、
特に建物を広くするとか、建物の形を変えたり、2階に増築等では無いので、
問題になる様な所は、やはり無いのである。家相的にはずっと良くなった。
やっぱり、思った通り悪い所は無かった。私達は、談笑しながら、お茶を頂いた。
10分位話し込んでから、
そろそろ、おいとましようかと、伯母の方を見ると、
伯母さんは、また安田さんと話し始めてしまいました。
「でも、あんた、よく150万円もかけて直したわねぇ。」
と、キッチンの事について話していたので、
しばらく隣で聞き耳をたてていました。
すると、安田さんは、
「前からずっと、この暗い台所が嫌だったのよ。
でも、お姑さんが、この台所で十分だって言って、許してくれなかったのよ。」
と、気になる事を言ったのです。
安田さんの話をまとめると、
彼女は以前からずっと、台所を明るくリフォームしたかったそうですが、
一緒に暮らしている夫の母親(お姑さん)が、今の台所で十分だからという事で、
反対され、リフォームする事が出来なかったというのです。
しかし、約1年前、お姑さんが亡くなったので、
それを機に、150万円をかけて台所をリフォームしたという事でした。
つまり、安田さんが、嗅覚障害になったのは、
台所をリフォームして家相が悪くなったのかも。という事で、診に来たのですが、
今の話を聞いていると、
安田さんが、嗅覚障害になったのは、お姑さんが亡くなってから。
とも言えるのです。
なんか、ちょっと胸騒ぎがしました。
と言うよりも、
台所のリフォームが問題無しとなった今、
お姑さんが亡くなってから、嗅覚障害が始まったと考えるべきかもしれません。
でも、お姑さんが亡くなるのと、
安田さんの匂いが分からなくなる嗅覚障害と、どういう関係があるのでしょうか。
さっぱり分かりません。
ただ、問題が故人に関係してきたので、
私はこういう場合、
その故人様の協力を得られる様にする事があります。
それは、
仏壇で、その亡きお姑さんに、
お線香を1本あげさせてもらう事です。
そこで、仏壇が置いてある部屋に通してもらいました。
お線香をあげ、合掌し、心の中で、
「今日は、安田さんに頼まれてお家にお邪魔しております。
どうか成仏なさって下さい。
そしてもし、私に出来る事がありましたら、教えて下さい。」と祈りました。
しかし、特に何も気がつく事はありませんでした。
続いて、伯母もお線香を1本あげ合掌。
その時でした。
伯母がポツリと、一言、
「貴方のとこ、すごいフルーツばかり供えているじゃない。」と言うのです。
私はそんな所まで、気がつきませんでした。
もう一度、仏壇をよく見ると、
確かに、余り仏壇には供えられない様な果物が、供えられている。
マンゴーに、パイナップル。
あと、栗を赤くしたような果物。
名前は忘れましたが、マレーシアで見た覚えがあります。
聞くと、ランブータンだという。
赤い毛が付いた皮は、簡単にツルンと剥けて、
白く半透明な果実が出てくるという。
味や食感は、ライチそっくりだという。
ていうか、ライチを食べた事ないんですが。と言うと、
あっさりした甘みがあり、食感は少し張りがある口当たりだとという。
安田さんいわく、珍しい果物が手に入ったら、
食べ頃まで、仏壇に供えて置くという。
なるほどねぇ。感心な事だ。
うちなんかバナナとかミカン程度しかのっていない。
そこで、伯母さんが、
「お姑さんも、ランブータン好きだったの?」と聞いた。
この質問が、ナイスだった。
多分、この叔母の何気ない質問が出なかったら、
今も謎は解けないままだったかもしれない。
伯母の質問に対して、安田さんは、
「姑さんは、見た目も臭いも嫌いで、いっさい手をつけなかったわ。
でも、私は南国のフルーツが大好きで、それしか買わないの。」と言った。
私は、その「臭いも」という単語を聞いて、何かピンと来るものを感じた。
そして、詳しく話を聞くと、
お姑さんとは生前、随分フルーツの事でもめたのだという。
お嫁さんの彼女は、大の南国フルーツ好き。
それに対して、お姑さんはパイナップルやマンゴー等の臭いが嫌で、
家がマンゴーやパイナップルの臭いで充満するからと、
再三余り買って来ない様に、嫁さんに注意したという。
昔の人は、マンゴーなど見た事も無い物だったので、
食わず嫌いという点もあったのかもしれない。
それでも、嫁さんの彼女は大の南国フルーツ好きだったので、
自分が食べたいものは、姑に何を言われても買って食べた。
その度に、嫁と姑は気まずい関係になったという。
もちろん、南国フルーツを仏壇に供える事も姑は許さなかった。
仏壇には、昔からのミカンやリンゴ等を供えたという。
しかし、その後、姑が亡くなった。
すると、彼女は南国フルーツしか買わないので、
当然、仏壇にはそれらのフルーツしか供えないという事に。
やがて、姑を供養している仏壇は、
南国フルーツの臭いで一杯になった。
そう、
亡き姑が嫌がっていた臭いで一杯になってしまったのである。
私は、それを聞いて、
彼女がニオイが分からなくなるという嗅覚障害になったのは、
これが原因だと感じた。
私はすぐに、亡き姑さんが嫌いだったというフルーツを、
全部仏壇から撤去する様にアドバイス。
そして、窓をあけて、ファブリーズ等で部屋の臭いを消してから、
亡き姑さんが好きだったという苺を買ってきて、代わりに供える様に勧めた。
それから、段々と安田さんの嗅覚障害は不思議と改善していったという。
最後に、余談だが、
故人の好き嫌いと関係無く、
上のランブータンの様に、まるでウニの殻の様に、
針が沢山出ている様な果物は、仏壇に供えない方がいい。
以前、秋には秋の味覚を供えるのが良いといって、
仏壇に栗、それも針が付いた鬼皮のまま供えた人がいた。
しかし、鬼皮付の栗を供えてから、
急に運勢が良く無くなったと言う。
仏様は、沢山の針がついたものは、嫌がるのである。
栗を供えるなら、
鬼皮は取ってから供えましょうね。
END