●見えない家相４

現在私は千葉に住んでいますが、

ここに引っ越して来る前、何軒か候補がありました。

その内の１つは、現在の家よりも家相が良く、

前が駐車場で、歩いて１分でスーパーがあり、

とても便利な地にありました。

当時、私と父は働いていたので、

母が足で探して、何軒かの候補を探し出して来たのです。

それを元に、週末は家族で行ってみて決めるという感じでした。

母が探して来たその家は２階建てで、広い庭もあり、

父も家の見取り図を見て、これだったらと言っていて、

もちろんスーパーが歩いて１分なので、母も一番推薦していた場所でした。

私は、というと、

見取り図から見る限り、家相には問題は無く、

むしろ、良い家相だし、

なにより、父と母が気に入ったなら、反対する理由はありません。

私達はさっそく車に乗り込み、不動産屋さんに向いました。

朝１０時きっかりに約束をし、候補にあがった家を見に行く事になりました。

候補は３軒あったのですが、

最初の候補は駅から歩いて２５分の所にある家でした。

不動産屋さんの車について行く間に、広い田んぼを脇を通り、

曲がりくねった道を通り、

もうその時点で、母は「随分田舎ねぇ」という言葉。

実際にその家についても、父も母もあまり乗り気ではありません。

不動産屋さんが、空家になっている家の窓を開け、

色々説明しているのですが、両親はややうわの空です。

なぜなら、

次の候補であるスーパーから歩いて１分という候補が頭にチラついて、

早く次に候補の家に行ってみたいという気持ちだったのです。

さぁ、よいよ次の物件です。

途中スーパーが見えて来ると、母の目もスーパーに釘付けです。

私も内心、ここで決まりだろうと思っていました。

車を家の側に停めると、母がいの一番に車から降り、家に向いました。

私が一番最後に車から降りたのですが、

降りた瞬間、

何か嫌な臭いがしたのです。

霊的な臭いではありません。

誰が嗅いでも、くさいと思う臭いです。

「えっ？　これ何？」

とりあえず、不動産屋さんが待っているので、

私も家に入り、中を見させてもらいましたが、

やはり、家自体は問題は無さそうです。

家相も良いし、庭も良いし、間取りも文句なく、

ただ、気になるのは、やっぱり、

さっきの臭いです。

私はチョット車に取りに行くものがあるからと、両親を残し、

途中で家を出て、臭い匂いの元を探してみました。

どうやら臭いは、スーパーの駐車場の方に行くほど強くなってきます。

近づくほど気持ち悪い臭いがします。

しかし、周りを見回しても、

ゴミ捨て場の様な、明らかに問題が有りそうな場所は見当たりません。

それでもしばらく駐車場を歩いていると、

どうやら、悪臭はスーパーと駐車場の間辺りが、

一番臭いがキツイ事が分かりました。

そして少し観察してみると、

道路と駐車場の間にドブ川が通っている様です。

そのドブ川にフタをして、外からまったく見えない様にはしているのですが、

所何処に開いた空気穴から臭ってくるのです。

川にフタをして、その上に売店や飲食店を建てるのは良くある事ですが、

これほど臭いがするのは、私も初めてでした。

もしかしたら、どこかに死体でも引っかかっているのでしょうか。

ともかくそう考えてしまう様な酷い臭いでした。

それが分かってから、

改めて周りを見回すと、

この酷い臭いのドブ川の南側はやや栄えていて活気がある感じでしたが、

このドブ川の北側は、暗い感じで、活気が無いのです。

こういう風に、

家の近くから嫌な臭いがする場合、

下記の２つの両方に該当する時は、良く無い家相となります。

それは、

■その嫌な臭いが、ほぼ東南方面から臭って来る場合。

■それが、ほぼ毎日臭ってくる場合。

そして、残念ながら、

その家は上の両方に該当していたのです。

結局、私達は３番目の候補であった、

今住んでいる家に引っ越したのですが、

あのスーパーに歩いて１分の家を気に入っていた母を説得させるのは大変でした。

でも、

今ではあそこでなくて良かったと言っています。

それから何年かしてでした。

あの家から歩いて１分だった、

スーパーが倒産したのは。

ＥＮＤ