●疑似体験
このお話は、昨日のブログ(●火の女神の怒り)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12133910389.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
事の発端は、もちろん彼女達が行ったハワイへのハネムーンである。
ハネムーンのコース内に、火山周辺のハイキングコースを入れたという。
森を抜け、プウ・プアイ噴石丘を見て、噴石の荒野を歩くものだったという。
ところが、このハイキングコースを歩いている時に、
2つのタブーを犯してしまったというのである。それは、
■ケルンを壊したり、新しく作ったり、形を変えはいけない。
■溶岩、石、砂、植物を持ち帰ってはならない。
ケルンを壊してしまったのは偶然で、ご主人がハイキングコースを歩いている時、
ちょっとよろめいて、隣にあったケルンの石の塔に手をついてしまったという。
すると、一番上の方に積んであった3つ程の石が崩れて落ちたという。
すぐに彼女がそれらの石を拾って、直したのだが、
うまく積めなくて、2つだけ積んで、1つはそのまま下に置いて来たと言う。
また、■溶岩、石、砂、植物を持ち帰ってはならない。
というのも、日本に帰ってから気がついたのだが、彼女のズボンの折り返しに、
針の様な繊維が入っていて、後で調べてみると、そのガラス繊維は、現地では、
火の女神のもので、「ペレの髪」と呼ばれているものだと言うのである。
それを知らないとはいえ、持ち帰ってしまったのだ。
その時以来彼女はずっとその事が気になっていたという。そして1年が経った時、火の女神の
怒りが現れ始めたのである。
急に両足が熱くなり始めて、足の裏とか足首を触ると、
はっきり温度が高いと分かるという。そして足が熱くて熱くて眠れないという。
それはまるで、溶岩の上に立っているかの様で、寝る時は、
氷枕を足の下に敷いて寝るほどだという。これは異常だと思い、
直ぐに近くの医者に行くと、更年期障害かもしれないと言われたという。
しかし彼女はまだ30歳なので、それはおかしいと思い、
他の医者に行くと、自律神経失調症だと言われたそうである。
しかし、いくら薬を飲んでも治らないし、おかしいと言うと、
女性ホルモンの分泌が急激に減ったのではないかと言われて、
他の薬をもらったのだが、一向に効き目が無いと言う。またそれだけではなく、
運動をしたわけでもないのに、体中が熱くなり、
しょっちゅう多量の汗をかくのだという。
彼女は言う、これは火の女神ペレの祟りじゃないかと・・・・
火の女神「ペレ」は、現地の神々の中でも最も恐れられている神であり、
彼女の魂はキラウェア火山によって鎮まっていると言われていると聞く。
一瞬、これはやっかいな相談だと思った。
確かに、気の荒い女神としられるペレは、
嫉妬や怒りに触れると、その人々を焼き尽くすとして恐れらていて、
彼女の体に起きた現象の、体が熱くなるや、汗が多量に出るという事が、
人々を焼き尽くすというニュアンスに似ていると言えば似ているが、
でも、彼女達は本当に女神を怒らせるに値する事をしたのだろうか。
冷静に考えてみると、まず、
■ケルンを壊したり、新しく作ったり、形を変えはいけない。
というハイキングのルールを破ってしまったが、
確かにそれを壊すのは、後から来るハイキングの客に迷惑だが、
彼女は夫が崩した岩を2つでも元に戻しているので、
ケルンの役目が失われた訳では無い。それに、
そもそもケルンとは、現地の人が道しるべの代わりに石を積んだものだ。
つまり、火の女神「ペレ」が作った物でも無いし、管理もしていない。
だから、それを多少形が変わった所で、彼女の怒りを買うとは思えない。
次に、
■溶岩、石、砂、植物を持ち帰ってはならない。
を破って、彼女のズボンの折り返しに、ガラス繊維は、現地では、
火の女神のもので、「ペレの髪」と呼ばれているものを持ち帰ってしまった。
でもこれ、ワザとじゃないんだよね。
盗んだり壊したりした訳ではないし、故意で持って来た訳でもない。
確かに「ペレの髪」と持って来たとなると気持ちは悪いが、
火の女神ペレは、現地の人に火山の周りのハイキングを許している。
当然、その場所をハイキングすれば、細かいペレの髪であるガラス繊維は、
ハイカーの衣服やズボンに少なからずも付くと予想出来る。
つまり、女神であれば、もうハイキングを許した段階で、
故意でない多少の衣服やズボンに着いたゴミの様な破片を、
持ち帰ってもよいという許しは、出ている気がする。
よって、日本まで追いかけて、彼女を呪う事は考えられない。
ちなみに、現地の人によると、
オヘロという野苺が野生に生えているが、
これを勝手に食べる事は固く禁じられていて、もし食べると、
ペレの好物を食い荒らしたとして、その人に災いが起きる事があるという。
それでなくて良かった。
あともう1つ。
火の女神「ペレ」は、情熱的で、かつ暴力的で、気が荒い神とされる。
それなのに、彼女の体に異変が起きたのが、
ハワイに行ってから1年後というのも、遅すぎる気がした。
よって、彼女の体の異変は、
ハワイの女神とは関係が無いものだと、私は思った。
では、彼女の体の異変はどうして起きたのだろうか。
今一度、彼女の体に起きた現象を考えてみた。
■急に両足が熱くなり始めて、足の裏とか足首を触ると、
はっきり温度が高いと分かるという。そして足が熱くて熱くて眠れないという。
それはまるで、溶岩の上に立っているかの様で、寝る時は、
氷枕を足の下に敷いて寝るほどだという。
■運動をしたわけでもないのに、体中が熱くなり、
しょっちゅう多量の汗をかくのだという。
上に2点である。
生れつきでなく、急に彼女の様に体に異変が起きて、
なおかつ、どこの医者へ行ってみても治らないという場合、
やはり、霊障を疑ってみてみる事である。
占い師や、霊能者の間では、彼女に起きた現象を、
疑似体験と考える場合が多い。
つまり、亡くなって成仏しない霊が、
自分の事を知ってもらう為に、自分がどうやって亡くなったとかの状況を、
その人の体に再現させて疑似体験させる事によって、
思い出してもらおうとする行為である。
彼女の場合、
体中が熱くなり、足の裏や足首が熱くて熱くて眠れないという。
つまり、そういう状況で亡くなった人はいないか?と考えてみる事である。
そこで、彼女に、
「貴方の親族の中で、
熱湯に入って亡くなったとか、
火事で亡くなった人はいますか?」と聞いてみた。
すると、「いる」というのである。
彼女の従姉妹(いとこ)。
つまり彼女のお母さんの妹の娘さんが、10年前に火事で亡くなっているという。
彼女とは1つ違いで、昔は遊んだ事もあるという。
亡くなった時はまだ20歳だった。
当時、お葬式にも行ったというが、
将来を約束しあったボーイフレンドが泣いていたという。
きっと、結婚を夢見ていた時期だったに違いない。
可愛そうな出来事ではあるが、私がイメージするものと一致する。
多分その亡くなった従姉妹はまだ成仏していないのだろう。
そして、最も分かってくれそうな状況の彼女を頼ってきた可能性が高い。
そこで方法としては、その従姉妹を名指しで供養してあげる事だが、
まずは、彼女に仏壇の有無について聞いてみた。
というのは、彼女は現在嫁いでいる身である。
「今、ご自宅にあるのはご主人の家系の仏壇ですか?」
「はい。」
「では、その仏壇は使わないで、
別の場所のどこかタンスの上とか本棚の上に、
従姉妹の写真、無ければ短冊に名前を書いて、
毎日、御線香と、お水に氷を1ついれて供えて、
成仏する様に供養してあげて下さい。それを1ヵ月間。」
(写真の場合は、その人以外の人物は隠して飾って下さい。
また、火事など熱い思いをして亡くなった人には、氷を1つ入れた水を。)
「あと、なんとなくですが、
その従姉妹の方も、もしかしたら、
ハワイで挙式したかったのかもしれません。
もし、出来たら、何かハワイで買ってきたものを、
一緒に供えて、あげて下さい。」
その後1ヵ月供養すると、彼女の熱くなる現象は、
不思議と段々と出なくなり、医者の薬が効き始め治ったという。
「じゅんちゃん。早く成仏して、
今度は貴方が、結婚してハワイに行って、幸せになるんだよぉ。」
END