●病院からの脱走
占いの仕事をしていると、
思わぬ状況下にある方から相談が舞い込んでくる事もある。
それは、息子が病院から脱走してきて困っているという相談だった。
聞くと、現在息子さんは、
病院で検査入院中だったというのだが、
家が歩いて15分位の距離である事から、
病院を脱走して、家に帰って来てしまったというのだ。
なるほど。
でも、なぜ私に?
こちら、占い師ですが、間違いてませんか? と言いそうになる。
なにしろ、病院からの脱走は、占い師にはどうしようも出来ない。
よく話を聞くと、私がお世話になっている社長の紹介だと言う。
あの社長じゃ、仕方が無い。
とりあえず、話を聞く事にした。
病院を脱走したのは、
宗太君と言う小学生5年生の息子さんだという。
彼はスポーツ万能で、特に少年野球部では常に4番を打つチームの大黒柱だという。
そんな彼が、ある日、右足に違和感を覚えて、
嫌がる宗太君を、ご両親が無理やり医者に連れて行った。
すると、医者がこれはチャンと検査した方がいいという事になり、
その日の内に検査入院となったのである。
そして、検査入院2日目夜に脱走したのだった。
そこで、一番気になる、宗太君が病院から脱走した理由だが、
どうやら、理由は2つある事が分かってきた。
まず1つが、宗太君が罹った病気の病名である。
可愛そうに、まだ小学5年生だというのガンを罹った様だった。
いわゆる小児がんである。
病名は骨肉腫だという。
骨の悪性腫瘍である。
その事を父親が、宗太君に昼間伝えたらしい。
結局その事が、
■ガンという恐怖。
■野球が出来なくなる絶望感。
■もしかしたら、右足が無くなるかもしれない恐怖感。
それらが、
幼い心には、受け止めらきれなかったのかもしれない。
しかし、脱走してきた宗太君に問いただすと、
もう1つ、病院から脱走してきた理由が明るみになった。
それは、病室の恐怖である。
時に、子供は残酷である。
正直ゆえに、残酷な天使である時がある。
宗太君が入院した病室は、4人部屋だったという。
そこに先に入院していた子供が、
宗太君に、こう言ったというのだ。
「そこに入院していた子、先週死んだんだよ。」
すると他の子も、
「そこのベットでよく死ぬよね。
良かった、オレそこじゃなくて・・・」
なるほど、
どうやら、私にお鉢が回って来た様だ。
後半は、明日のブログに続く。