●中古マンションチェック法
このお話は、昨日のブログ（●ひとりでにつくラジオ）の続きです。
従って、昨日のブログ（http://ameblo.jp/hirosu/entry-12123652571.html）
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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［前回までのあらすじ］
その御家族は、夫と奥さん、それに二人のお子さんが居る家で、
賃貸アパートで暮らしているご家庭でした。
長年貯金したお金で、分譲マンションを買ったといいます。
ところが、その分譲マンションを購入してから、不思議な事が起こり始めたのだといます。
長年使っていなかったラジオが、ひとりでに鳴りだしたというのです。
そのラジオは長年押し入れに入れてあったので、
コードが電源に繋がっているという事もないのです。
つまり、ラジオはコンセントに繋がっていないので動くはずは無いのです。
それがマンションを購入した頃から、時々鳴りはじめるというのです。
また、畳の部屋にあるエアコンが、誰もスイッチを入れないのに動き出すのです。
普段は、リビングのエアコンを使うので、畳の部屋のエアコンは、
友人やお客が来た時以外は使った事がないそうです。
それが、マンションを購入した後から、そのエアコンが、ひとりでに動き出すというのです。
そして購入したマンションを見に行くと、携帯電話が急に調子悪くなったりするそうです。
その分譲マンションを買ってから次々と不可解な電化製品の異常が起きるのだというのです。
■勝手につくラジオ■勝手に動き出すエアコン■急に調子が悪くなる携帯電話
相談者の奥さんいわく、それらは、まるでそのマンションに移り住んではいけない！
と忠告されているみたいな気がするといいます。もう購入手続きを済ませているので、
取り消す事も出来ないそうで、そこに引っ越す前に、
一度、そのマンションを私に調べて欲しいという相談でした。
今までいずれも起きた事が無いという現象が、
マンションを購入してから起きはじめるというのは、
やはり、そのマンションが何らかの原因になっている可能性が高い。
話を聞いていて、そう感じた。彼女いわく、隣に住んでいる人や、管理人の人に尋ねても、
特に引っ越す部屋で悪い事があったという記憶は無いという。
また、そのマンションを購入する時も、事故物件という説明は無く、
私もマンションの見取り図や、送ってもらった写真を診ても、特に悪い所が見つからない。
とは言っても、このマンションを購入してから起きるという電化製品の怪奇現象は、
何かしら、このマンションに関係している事は間違い無いはずである。
やはり、一度そのマンションに行ってみないとダメかな。
こうして、私はその問題のマンションに行ってみる事になった。
さっそく翌日朝、現地で待ち合わせる事になった。
場所は都内の港区麻布地区だった。
間取りは２ＬＤＫだった。
２ＬＤＫというのは、
２部屋とリビングダイニングキッチン（ＬＤＫ）の大きな部屋があるという意味である。
中古マンションで、因縁がある建物である場合、
まず考えられるのは、マンションの敷地に過去因縁が無かったかである。
極端な例で言えば、墓地を取り壊して、そこにマンションを建てたとかである。
そうは言っても、普通の方がマンションを購入する時に、
そこの土地が過去どんなものだったのか調べるのは面倒くさい作業だ。
私の場合、仕事だからその地区にある図書館などに足を運んで調べてみるが、
それでもかなり面倒な作業だ。
時間が無い方や、調べる所が無いという方は、
そのマンションの空き物件を調べる事も時には有効である。
というのは、もしマンションの敷地に問題がある場合、
因縁はその部屋だけでなく、建物全体に及んでいるはずなので、
他の部屋に住んでいる方も何かしらの問題が起きていて、引っ越しているケースが多い、
だから、もしそのマンションに空き物件が異常に多いなら、やめておいた方がいいとなる。
今回の物件も気になったので、
昨夜インターネットで、開き物件を調べたのだが、
１部屋しか売り出して無かったので、多分だが敷地にはそう深刻な問題は無いだろう。
次にマンション個別の部屋の運勢だが、
一番簡単に調べる方法は、
朝日が入るかどうかである。
朝日が入る部屋が無いのなら、例え景色が良くても良い部屋とは言えない。
マンションの場合、例え南側にあっても、隣に大きなビルが建ち、
朝日がささなくなっている場合もあるので、やはり現地を見ないと分からないものである。
その点でも、今回の相談者のマンションは合格だった。
その為にも、私はいつも現地待ち合わせは朝１０時にしている。
さて、あとは個別の部屋の過去の住人に問題が無かったかである。
彼女がお隣さんや管理人に聞いた限りでは、悪い噂は聞かなかったという事だが、
だからといって、何も無いとは言えない。
私はちょっと古典的な方法だが、意外と有効な方法で、
彼女が買ったマンションに、不成仏霊が居るかどうか試してみる事にした。
ただ、この方法は、最初が肝心なので、
やる前に精神統一して、耳の神経を鋭くしておく事である。
まず、玄関の鍵を開けてもらい、
私ひとりだけが、部屋に入る。
そして、一言、
「お邪魔します。」と静かに言って、耳を澄ます。
何も聞こえない。
次に、
「誰かいますか？」と言って、耳を澄ます。
最後に、
「この部屋に、亡くなった方の霊はいますか？」と言って、耳を澄ます。
もし、この部屋に不成仏霊がいたりすると、
この３回の呼びかけに応じて、ラップ音が聞こえたりする。
つまり、「いますよ！」と霊がラップ音で反応する時があるのである。
古典的な方法だが、これで簡単に霊がいるかどうか分かる時があるのだ。
次に、人間の霊はいなくても、
動物霊がいたりしないか、各部屋の臭いを嗅いでみる。
動物の臭いがしないか、生ごみの臭いはしないか。
他にもカビだらけの部屋は無いか。
カビがあるという事は、その部屋に湿気があるという事だ。
湿気があると、霊が寄り付きやすいので、空き部屋で湿気があるという部屋は良く無い。
しかし、彼女が購入したマンションは、
どこも悪い感じはしなかった。
問題無いのである。
それを彼女に伝えると、
安心すると思いきや、逆に悩んでしまった。
確かに。
マンションに問題無いとすると、
今までの電化製品の怪奇現象はなんだったのかという事になる。
私もタイミング的に、マンションが関係して起きた怪奇現象だと思っていただけに、
いささか拍子抜けである。
ただ何となくだが、ちょっとおかしいと思う所もあった。
というのも、
もし怪奇現象の数々が、マンションに引っ越すは良く無いという意味なら、
それは守護霊や先祖霊が知らせたものだろうが、
マンションを買ってから起きるというのは、いささか遅すぎる。
知らせるなら、普通、買う前だろう。
一応彼女との契約は、マンションチェックだけだったが、
ここに何も問題が無いとすると、彼女にとって何も問題が解決されていない状況となる。
仕方ない。サービスで彼女の現在の自宅のアパートも調べて診てあげる事にした。
私としても、ひとりでにつくラジオも気になっていた。
だから、彼女の家に着くと、すぐに、
あの問題のラジオを見せて下さいとお願いした。
ところが、彼女から意外な答えが返ってきた。
なんと、
そのラジオはもう捨ててしまったというのだ。
コードがコンセントに繋がっていないのに、つくラジオが、
とても気持ちが悪くて、怖くなって捨てたという。
ちょっと残念だったが、仕方ない。
では、勝手に動き出すエアコンは捨てて無いですよね。
と聞くと、それはあるというので、
家に上がらせてもらった。
玄関を開けると、もう部屋の中は、段ボールだらけだった。
引っ越し準備の真っ最中という風景である。
彼女いわく、
家賃の関係もあり、あと１週間でこの家を出なければならず、
どちらにしてもあのマンションに引っ越す事になっているという。
まぁ、あのマンションは問題無かったので、それはいいとしても、
なぜ、ラジオが勝手についたのか気になる。
しかし、それも今は無いとなると、
手がかりは、畳の部屋にあるエアコンだ。
私は所々に置かれた段ボール箱を避けながら、
奥の畳の部屋へと案内された。
畳の部屋も梱包が済んだ段ボールでいっぱいになっていた。
部屋の上の方に、そのエアコンがあったが、
下から眺めるだけしか出来ず、特に異常も感じられない。
ただ、ふとその時気がついて聞いてみた。
「あのう。
ラジオがあった押し入れって、どこですか？」
すると、この畳の部屋のこの押し入れです。と指差された。
偶然かなぁ。
勝手につくラジオと、
勝手に動き出すエアコンが、同じこの畳の部屋で起きたんだ。
何となく、この畳の部屋が気になった。
しばらく、周りを観察すると、
段ボールの山に隠れていたが、
この畳の部屋には、仏壇と床の間もあった。
その時だった！
床の間に置いてある、ある物に目がいった。
これはっ！
そこには、水晶の玉があったのだ。
やがて、その水晶の玉が全ての謎を解き明かしたのである。
最終話は、明日のブログに続く。