●別れの時の一言
このお話は、一昨日のブログ(●呪われた土地)の続きです。
従って、一昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12120135233.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ]
依頼内容は、彼が所有しているかなり大きな土地に、
飲食店様の居抜き物件があるので、この仲介をお願いしたいという。
私と社長は、さっそくその物件のある場所に向いました。
千葉県のほぼ中央に、国道16号という車の往来の激しい道があります。
その国道16号に面している店だと言うのです。
車の往来が激しい国道に面している土地なら最高の場所です。
立派な平屋の店舗と駐車場完備の居抜き物件だ。
当初は、地主と共同経営者がレストランを始めたのだが、失敗。
それ以来、居抜き物件として貸す様になったという。
その後、うどん屋がそこで開業したが、1年も経たずに撤退。
それからラーメン屋が借りてオープンさせたがこれも1年も経たずに潰れたという。
それからしばらく借り手が現れず、サラダなどが食べ放題のレストランが開業したが、
やはりこれも1年を持たずして倒産。とにかく、ここの土地にオープンさせる店は、
次々と1年を持たずして皆潰れてしまうのだそうだ。
この地主を紹介してくれた人によると、あそこは呪われた土地だからなぁと言う。
実は最初に、ここの地主と共同経営で始めたレストランが、
破産した時、相手の共同経営者の方が首を吊っているのである。
それ以来、この場所で居抜きオープンさせる店は皆潰れるのである。
それはまるで、この地で失敗して首を吊った男が、この場所で、
他の人が成功させるのを許さないという、呪いをかけているかの様だという。
だから、この土地にオープンさせた店は、
共通して、オープン直後から従業員や店長。オーナーなどが、
次々と具合が良くなくなったり、怪我したりするという。
そして、段々と少なくなり、赤字になり、やがて潰れてしまうのだというのだ。
私達は、とりあえず地主さんが来るまで、周りの環境を見てまわる事にした。
すると、少し車を走らせると、ラーメンのチェーン店があった。
他にも飲食店、コンビニ等が多数開店している。
やっぱり、場所的には国道沿いは飲食店には向いているのだろう。
車も午前中なのに引っ切りなしだ。そうなると、やはり問題は呪いか。
再び現地に戻ると、その周辺を歩いてみた。
国道をちょっと外れると、もう民家と畑である。
ただ私が気にしていたお墓や神社や沼や川などは無かった。
さっそく問題の店の中を拝見させてもらう事に。 潰れた店といっても、廃墟ではない。
次の借り手さんが見に来るので、実に綺麗にしている。
最後に潰れたのが、食べ放題的なレストランだったので、
客席はファミリー仕様になっていて、4人がけ位に区分けされた席がいくつもある。
それから厨房や事務所なども見せてもらった。しかし、特に気になる様な所が無い。
そこで、呪いと言われている自殺した人の事を聞いてみた。
するとその方が自殺したのはこの店では無く自分の自宅で首を吊ったとの事だった。
まぁ自宅だとしても、呪われているケースは無い事も無い。
ただ、店内をくまなく見てみても、特に嫌な気分になる場所や、
嫌な臭いがする場所が無い。そこで地主さんに、
ここで店舗を運営されていた方から、何か変わった事とかは聞いていませんか?
と聞いてみた。すると、しばらく考えていた地主さんが、
「そういえば、どの店も従業員同士のいざこざが多かった感じだったなぁ」と言う。
「従業員同士のいざこざねぇ。何か原因とか聞いてますか?」
「事務所でよく物が無くなるって、言っていた経営者がいたなぁ。
鍵が無くなったら、ある時変な所から出て来たとか・・」
私はそれを聞いた時、何か感じるものがあった。
もしかしたら、これは・・・
私の脳裏に引っかかったのは、
物が無くなるという現象である。
私達が普段生活している時でも、よく物が無くなるという事は起きる。
ただ、そのほとんどは、うっかり何処かへ仕舞っていたり、
置いたのを忘れたり、何処かに落として失くしていたりと、
本人のミスに寄るものである。
しかし、希に、
物が無くなるという現象に、霊が絡んでいる事がある。
では、普通に物が無くなるのと、
霊が絡んでいて、物が無くなったのとの違いはと言うと、
ただ物が無くなるのは、自分のうっかりミスか泥棒であるが、
霊が絡んでいて、物が無くなる時の特徴としては、
「ある時、その無くなった物が、変な場所から見つかる事である。」
正確に言えば、
無くなるのではなく移動したと言うべきかもしれない。
こういう時、どんな霊が絡んでいる場合が多いかと言うと、
動物霊か自然霊である。
でも、今回の場合、自然霊が何らかの形で影響しているのかしれないと思った。
なぜなら、
この建物のどこを調べても、動物霊がいる感じがしなかった。
こんな事を言うと、私が超能力者の様に思えるかもしれないが、
動物霊がいる感じがしないと云うのは、
多分これを読まれている貴方でも分かる事である。
というのは、
動物霊が居る場合、
動物の臭いがする。絶対居るはずのない部屋に犬の臭いがするとか。
ブタの臭いがするとか、
生ゴミの臭いがする場合もある。
要は、そこで、「あっ、動物霊がいるな!」と思うか、
気のせいだとスルーするかで、
普通の方と、占い師とに分かれるのだろう。
さて、動物霊では無いとすると、
自然霊の可能性が高いか、偶然物が変な所から見つかったかである。
もちろん、商売柄、まずは自然霊を私は疑った。
そこで、地主の方に、
「このレストランを建てる時に、
大きな木とか、大きな石を始末した事はありますか?
又は、池や沼や川などを埋め立てたとか?」
すると、地主さんは、思い出しながら、
「いや、大きな木も石も無かったし、
池や川も無かったですよ。」と答えた。
「そうですか。
では、何かの祠(ほこら)とか、供養塔みたいな物はありませんでしたか?」
「いや、無かったです。」
「じゃあ、この建物を建てる前に、
何か気になる物が、この土地にあったりしませんでしたか?」
「気になるもの?ですか。」
「そうですね~
ああ、井戸があったのがちょっと気になったかな。」
「井戸があったのですね。
埋めたのですか?」
「はい。」
「その井戸を埋める時、ちゃんと神主さんに頼んで埋めてもらいましたか?」
「いや、そこまでは・・・」
「じゃあ、お礼とか、空気抜きとかして無いのですね。」
「空気抜き?」
どうやら、その辺の費用は浮かした様である。
まず、私が言いたいのは、お礼は基本である。という事です。
例えば、愛犬が亡くなったら、
今まで、癒してくれてありがとね。と言ってあげる。
食に苦しい時に助けてもらった柿の木を切る時は、
今まで、柿をありがとう。と言ってあげる。
そして、今まで生活の水を無償で与え続けてくれた井戸を埋める時は、
今まで、ご苦労様。美味しいお水を本当にありがとう。と言ってあげる。
そんな別れの時の一言が、
どんなに亡くなっていくペットや自然霊を慰めてあげる事でしょうか。
まずは、地主の記憶から、
建物の角辺りを開け、井戸があった部分を少し掘って見える様にした後、
お塩を一合まきました。
その後で、お酒を一合まきました。
そして、お線香を一本点し、合掌しながら今までのお礼と、
何もしないで埋めた事への謝罪を言う様にアドバイスしました。
お線香と、お礼と謝罪は、毎日、一週間。
そして、最後の日に片手一杯のお塩と小豆を埋め、
お酒を一合まいて終わりです。
私は上の儀式には立ち会いませんでしたが、
多分ちゃんとやってくれたのでしょう。
その後、風の噂で、
ラーメン店が入って、一年を過ぎても順調だという話を耳にしました。
最後に、補足説明として、
呪いはどうなったのかという事を話して、終わりにします。
さて、ここに来た時、
最初、自殺した共同経営者に呪われている土地というふれ込みだったのですが、
ここまで読まれた方は、結果的に、
な~んだ。違ったんだと思われているでしょう。
でも、私は今回の件、
自然霊だけの影響では無かったのではないかと感じています。
一番最初に地主さんと自殺した方が起こしたレストランですが、
確かに共同経営と言っても、地主さんは土地の提供と、
建物の建築代金の半額を支払うという形の共同経営で、
商売の失敗は、自殺した相方に全責任があったのかもしれません。
でも、地主さんを紹介してくれた親戚の方いわく、
相方の共同経営者の方は、自殺する前に地主さんの所に行き、
200万あれば何とか立て直せるから貸して欲しいと、
妻と一緒に頭を下げに行ったといいます。
一度は二人で儲けようとした仲間なのですから、
騙されたと思って貸してあげていたらと思います。
なぜなら、結果的にそれ以上の損は、被っていると思います。
確かに、今回の自殺の場合、
■地主さんが直接の原因で自殺に追い込んだ訳ではなく、
■あのレストランで自殺した訳でもなく、
■地主さんと自殺した人が親族でも無いので、
自殺霊が、今回の件に大きく影響している可能性は低いと思います。
でも、ですね。
低いとは言っても、多少はあると思います。
最後に200万さえ貸してくれたらという思い(念)はあったと思いますし、
また、夫に先立たれた残された奥さんと娘さんが、
その後、どんな人生を歩んだのか分かりませんが、
その二人の生霊というのも飛んできている可能性はあります。
実は、上の影響それ自体は大したものでは無いとしても、
今回のレストランの様に、それ自体に、自然霊の霊障が降りかかっている場合、
その自然霊の霊障に、
小さい自殺霊の霊障や、生霊が乗っかって、
大きな霊障へとなる事がよくあるのです。
聞くと、地主さんは共同経営者の葬式にも行っていないとの事でしたので、
もし、彼の事を少しでも思い出した時にでも、
彼の冥福と、
彼の残された奥さんと娘さんが、
幸せになる様に、祈ってあげて下さいね。と付け加えた。
END