●潰れたレストランの内部
このお話は、昨日のブログ(●呪われた土地)の続きです。
従って、昨日のブログ(http://ameblo.jp/hirosu/entry-12120135233.html)
を先にお読みください。
そしてから下をお読み下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
[前回までのあらすじ]
社長さんから、また私に依頼が飛び込んできた。
いつもお世話になっている地主さんの親族の方で、
同じく沢山の土地を所有している人からの相談だという。
この話に、社長は大乗り気だった。普段は同行しない社長だが、
今回ばかりは、私と一緒に現地に行くと言うのだ。
なにしろ、新規の大地主様と親しくなれるチャンスである。
依頼内容は、彼が所有しているかなり大きな土地に、
飲食店様の居抜き物件があるので、この仲介をお願いしたいという。
私と社長は、さっそくその物件のある場所に向いました。
千葉県のほぼ中央に、国道16号という車の往来の激しい道があります。
話では、その国道16号に面している店だと言うのです。
車の往来が激しい国道に面している土地なら最高の場所です。
社長が乗り気なのも分かる気がします。
私は、社長に聞いてみました。
「今回、どうして私を?」
「なんかその土地ねぇ、呪われた土地らしいんだよ・・・・」
マジか!
私達は、約束の時間よりも30分早く着いた。
相手側よりも早く現場に着いて、
ゆっくりと物件を観察するというのが、社長の提案だった。
大切な取引には余裕を持って臨むのが、彼の常だ。
場所は確かに国道16号線沿いにあった。
立派な平屋の店舗と駐車場完備の居抜き物件だ。
大体の事は、事前に秘書が調べてきていて、
当初は、地主と共同経営者がレストランを始めたのだが、失敗。
それ以来、居抜き物件として貸す様になったという。
その後、うどん屋がそこで開業したが、1年も経たずに撤退。
それからラーメン屋が借りてオープンさせたが、
これも1年も経たずに潰れたという。
それからしばらく借り手が現れず、
サラダなどが食べ放題のレストランが開業したが、
やはりこれも1年を持たずして倒産。
とにかく、ここの土地にオープンさせる店は、
次々と1年を持たずして皆潰れてしまうのだそうだ。
この地主を紹介してくれた人によると、
あそこは呪われた土地だからなぁ。と言う。
実は最初に、ここの地主と共同経営で始めたレストランが、
破産した時、相手の共同経営者の方が首を吊っているのである。
それ以来、この場所で居抜きオープンさせる店は皆潰れるのである。
それはまるで、
この地で失敗して首を吊った男が、
この場所で、他の人が成功させるのを許さないという、
呪いをかけているかの様だという。
だから、この土地にオープンさせた店は、
共通して、オープン直後から従業員や店長。オーナーなどが、
次々と具合が良くなくなったり、怪我したりするという。
そして、オープン時は客が入っても、
段々と少なくなり、赤字になり、やがて潰れてしまうのだというのだ。
私達は、とりあえず地主さんが来るまで、
周りの環境を見てまわる事にした。
すると、少し車を走らせると、
ラーメンのチェーン店があった。
他にも飲食店、コンビニ等が多数開店している。
やっぱり、場所的には国道沿いは飲食店には向いているのだろう。
車も午前中なのに引っ切りなしだ。
そうなると、やはり問題は呪いか。
再び現地に戻ると、その周辺を歩いてみた。
国道をちょっと外れると、もう民家と畑である。
ただ私が気にしていたお墓や神社や沼や川などは無かった。
この次点で、なぜこの場所だけ流行らないのか全然分からない。
別にこの場所だけ変という感じは受けないのだ。
まぁ商売だから、
やる人が下手なら、失敗もするだろう。
しかし、5つの店がいずれも1年も持たずに潰れるだろうか。
しかも、オープン直後から従業員や店長。オーナーなどが、
次々と具合が良くなくなったり、怪我したりするというのも気になる。
やはり、呪いがあるのか。
呪われた土地なのだろうか。
そうこう考えている内に、地主の方が5分遅れでやってきた。
仕方ない。地主さんの方が上なのだ。
「すみません。お待たせしましたか?」
「いや、全然。今着いたばかりです。」
さっそく問題の店の中を拝見させてもらう事に。
潰れた店といっても、廃墟ではない。
次の借り手さんが見に来るので、実に綺麗にしている。
時々窓も磨くのだと言う。
また時々来ては、雑草を取ったり、ドアを開けて建物に風も通すという。
最後に潰れたのが、食べ放題的なレストランだったので、
客席はファミリー仕様になっていて、
4人がけ位に区分けされた席がいくつもある。
店に入ると、
だいぶ前に潰れたといっても、
なんとなく食べ物の匂いが漂っている。
続いて、厨房や事務所なども見せてもらった。
しかし、特に気になる様な所が無い。
そこで、呪いと言われている自殺した人の事を聞いてみた。
すると、その方が自殺したのは、
この店では無く、自分の自宅で首を吊ったとの事だった。
まぁ自宅だとしても、呪われているケースは無い事も無い。
ただ、店内をくまなく見てみても、
特に嫌な気分になる場所や、
嫌な臭いがする場所が無い。
この時点で、なぜこの店舗に限って問題があるのか分からなかった。
また自殺場所かと思ってきたので、そうでないとなると、
尚の事、原因が分からなかった。
そこで地主さんに、
ここで店舗を運営されていた方から、何か変わった事とかは聞いていませんか?
と聞いてみた。
すると、
しばらく考えていた地主さんが、
「そういえば、どの店も従業員同士のいざこざが多かった感じだったなぁ」と言う。
「従業員同士のいざこざねぇ。
何か原因とか聞いてますか?」
「事務所でよく物が無くなるって、言っていた経営者がいたなぁ。
鍵が無くなったら、ある時変な所から出て来たとか・・」
私はそれを聞いた時、
何か感じるものがあった。
もしかしたら、これは・・・
最終話は、明日のブログに続く。